米リジェネロン、新型コロナ抗体カクテル療法の治験開始－夏に結果か

米バイオ医薬品メーカーのリジェネロン・ファーマシューティカルズは、新型コロナウイルス感染症（ＣＯＶＩＤ１９）に対する新しい抗体カクテル療法の臨床試験（治験）開始を明らかにした。治験は大規模な臨床試験計画の一環で、全て順調に進めば、夏の終わりまでに新たな治療オプションとなる可能性があるとしている。

　　発表文によるとリジェネロンは、２種類の抗体を組み合わせたカクテル療法について試験を行う。すでにＣＯＶＩＤ１９に罹患（りかん）している患者やウイルス露出のリスクが高い健康な人など、幅広い層が対象になる。

　　同社の抗体療法はワクチンが普及するよりはるかに早い段階で準備が整う可能性があるという。何らかのワクチンが効果を示した場合でも、ワクチンに好反応を示さないことが多い高齢者や免疫機能の弱い患者に対しては、抗体カクテル療法が長期的に有用となる可能性があると説明した。

　　安全性確認を目的とした治験の第１段階では、ＣＯＶＩＤ１９罹患者およそ50－100人が対象。そこで安全が確認されれば治験を速やかに拡大し、対象を最終的に数千人に増やす計画だと、リジェネロンのジョージ・ヤンコプロス最高科学責任者（ＣＳＯ）は述べた。治験の大半に関しては、数カ月で結果を出せるかもしれないとしている。

　　治験が順調に進めば「夏の終わりまでに、より広範な使用を後押しするデータが得られる可能性がある」とヤンコプロス氏は述べた。

原題：Regeneron Begins Human Trials of Coronavirus Antibody Cocktail（抜粋）