「官邸と経産省はズブズブ」…持続化給付金事務業者と以前から“濃厚接触”

　新型コロナウイルス対策の持続化給付金の事務事業を巡り、経済産業省の前田泰宏中小企業庁長官が11日、参院予算委員会で、事務事業を受託した団体幹部と2017年に訪問先の米国のパーティーで接触したと認めた上で不信を招く行為は「していない」と強調した。立憲民主党の蓮舫氏の質問に答えた。

　前田氏は、民間業者と米国へ視察旅行したとの報道について「公務の出張だ」と説明。給付金事業を受託したサービスデザイン推進協議会の平川健司業務執行理事とは、宿泊先などで開いたパーティーで会ったと述べた。

　サービスデザイン推進協議会は16年の設立以降、経産省から事務事業14件を請け負ってきた。今回の給付金事業も含め、前田氏は「ルールに従い公正に手続きを終えた」と不適切な関係を否定した。

　給付金事業を巡っては、事務委託を繰り返す過程で電通など業者が「中抜き」で利益を得たとの指摘もある。

　安倍晋三首相は「ルールにのっとったプロセスで決定された」と適切だったとの認識を示した。第2次安倍政権では、経産省出身者が主導権を強く握っているとの指摘もある。永田町関係者からは「今回の件は違法ではないが、官邸と経産省のズブズブの関係でやってきた従来の構図が明るみに出た」との声も上がっている。