偶然会った?中企庁長官と委託先幹部との関係追及[2020/06/11 23:30]
新型コロナウイルス対策の第2次補正予算案の審議が参議院で始まりました。
『持続化給付金』をめぐり、野党は「業務を受託した団体の実態が不透明だ」と指摘してきましたが、11日は業務を所管する中小企業庁トップと団体幹部の関係について追及しました。持続化給付金の事業を所管する経済産業省の前田泰宏中小企業庁長官が大臣官房審議官時代の2017年に、事業を受託した『サービスデザイン推進協議会』の平川健司氏とアメリカ・テキサスで接触していたと週刊文春が報じました。前田氏は、現地のイベント視察に合わせて、会場近くのアパートの部屋を借り、パーティーを開催していたといいます。“前田ハウス”と呼ばれ、平川氏も同席していたことから、癒着があったのではないかと指摘されています。
立憲民主党・蓮舫副代表:「(平川氏とは)いつから、どの程度の関係か」
中小企業庁・前田泰宏長官:「そんなに親しい方ではない。(平川氏とは)ホテルの外にあるコーヒーのバーみたいなところで、話をした記憶がある。それから、パーティーの席は、一度、参加された記憶がある」
立憲民主党・蓮舫副代表:「たまたま、平川さんとホテルのコーヒーバーで会って、たまたまパーティーで会って、『偶然だ』という説明は、国民が納得するか」
中小企業庁・前田泰宏長官:「事実は事実」
野党は、協議会が入札の時にどのような提案をしていたのか資料を開示するよう要求しましたが、“審査の流れ”や“相談体制”について書かれた部分などは黒塗りで、事実上の非開示でした。入札前に行われた経産省と協議会のヒアリングについても、提出された記録は、数行の記述しかなく、内容を検証することはできません。
立憲民主党・蓮舫副代表:「サービスデザイン推進協議会、中抜き団体、再委託、再々委託、大変問題になっている。ここに委託したのは適正だと考えているのか」
安倍総理:「委託にあたっては事業目的に照らして、ルールにのっとったプロセスを経て、決定されたものと承知している」
野党は11日午後、給付金事業を受託した協議会の事務所を再び訪問しましたが、面会はできませんでした。
下請けや外注が重なる構図について、実際に給付金の審査業務を行う人を取材しました。
審査業務の担当者:「審査基準がひんぱんに変わり、現場は混乱している。『審査のシステムに不備がある』と現場から声を上げても反映されない。誰がどこで、どういう判断をしているのかわからない」
数々の疑問が残るなか、野党は17日までの会期を延長するよう求めていますが、政府・与党は応じない方針です。