持続化給付金の業務委託をめぐる問題。
今度は経産省の中小企業庁トップに、委託先との癒着疑惑が浮上。
11日発売の「週刊文春」が報じた写真。
パーティー会場に掲げられた横断幕には、アルファベットで「MAEDA HOUSE」と書かれている。
別の写真には、料理が並ぶテーブルを囲む場面も。
この写真の向かって右に座る人物が、当の「マエダ」氏。
11日朝、FNNなどの直撃を受けた前田泰宏氏。
経済産業省の外局、中小企業庁の長官として、新型コロナウイルスで収入が落ち込んだ事業者を支援する持続化給付金事業を担当している。
「週刊文春」によると、2017年、前田長官は、アメリカ・テキサス州のオースティンに視察旅行。
その際、借りていたアパートの1室を「前田ハウス」と名づけ、連日、パーティーを開いていたという。
前田長官は、持続化給付金事業の委託先である「サービスデザイン推進協議会」の平川理事と、その「前田ハウス」で接触。
両者の間に癒着があったのではないかと報じられた。
この報道を受け、11日、国会では、立憲民主党の蓮舫副代表が追及。
立憲民主党・蓮舫副代表「前田長官、平川推進協議会理事と交流はありますか?」
前田長官「面識はございます」
蓮舫副代表「どの程度の関係か?」
前田長官「どの程度の交流かというと、そんなに親しい方ではない
前田長官本人に平川理事との関係を繰り返しただした。
蓮舫副代表「平川さんとは、どこで接触したんですか?」
前田長官「オースティンのホテルのコーヒーのバーみたいなところでお話しした記憶がある。それからパーティーの席でも、一度だと思うが、参加されたのではないか」
蓮舫副代表「たまたま平川さんと、ホテルのコーヒーバーで会って、たまたまパーティーで会って、偶然だという説明に、国民は納得しますか?」
前田長官「事実は事実でございます」
前田長官は、平川理事と現地で会ったことは認める一方、事業の受注とは関係ないと疑惑を否定。
「前田ハウス」と名づけた理由については...。
前田長官「私がつけた名前ではない。知人がつけた名前です」
突如、渦中の人となった前田長官は、東京大学法学部出身で、現在56歳。
11年前、当時の民主党政権で、のちに「影の首相」といわれる、仙谷由人氏の秘書官を務めていた前田長官の姿。
中小企業庁の長官に就任したのは、2019年7月。
その際、当時の世耕経産相は、「IT、ベンチャー分野に精通した前田泰弘中小企業庁次長を抜てきする」と述べている。
その人物像について、官僚たちの間では「豪快な人」、「型にはまらず自由な発想をする人」など、役人離れした人物として評価する声がある一方で、「癖がある。歯に衣着せぬ発言もするので不和もある」との声も。
今回の報道を受け、菅官房長官は「懇親会には、特定の者ではなく、幅広いイベントへの参加者が出席したもので、何ら問題はないと聞いています」と述べた。