勝武士のコロナ死数えず「20代ゼロ」の“誤報”続ける厚労省
5月13日に新型コロナウイルスによる肺炎で、大相撲の勝武士(享年28)が死去してもうすぐ1カ月。国内初の20代のコロナ死は大きく報道された。保健所につながらず、診療機関をたらい回しされるなど発症者の受け入れ問題も浮き彫りになった。勝武士の訃報に接し、若者でも死に至ることや医療体制の脆弱さを考えさせられた。
ところが、厚労省は鈍感だ。最新発表の「新型コロナウイルス感染症の国内発生動向」(6月3日18時時点)では、20代の死亡がゼロになっている。まさか、勝武士の死を知らないのか。5日、厚労省に聞いた。
「厚労省では自治体からの情報を集計しているが、20代の死亡は自治体から上がってきていません」(対策本部広報班)
同日夜、東京都の感染症対策課は「20代の死者は、厚労省に報告している」として、「新型コロナウイルスに関連した患者の死亡について(第344報)」を示した。確かに「20代男性、居住地都内、診断日4月10日、死亡日5月13日」との記載がある。明らかに勝武士の事例だ。