今回は久しぶりに新製品をレビューします。
採り上げるのは、キリンウイスキー 陸です。
キリンウイスキー 陸はジャパニーズウイスキーではなく、ワールドウイスキーという分類に入ります。
なぜなら、使用しているモルト、グレーン原酒を日本(御殿場)だけでなく、世界各国(スコットランド、アメリカ、カナダ)から入手しているためです。
元々ウイスキーを手がけるキリンディスティラリーは、カナダのシーグラム社、英国シーバスブラザーズ社との合弁会社、キリンシーグラムとして1972年に設立されました。
最初の製品であるロバートブラウンも、御殿場蒸溜所の建設、原酒の製造が始まる前から開発が始まっていて、シーグラム社やシーバスブラザーズ社が持つ蒸溜所の原酒を元にブレンドがされたもので、当初は実質日本専売のスコッチウイスキーのようなものでした。
その時代から、海外のモルトを含めたブレンドの技術は備えていたと言えるでしょう。
まさにその技術を改めて発揮したのが、今回の「陸」と言えます。
キリン自身、メインストリームである富士山麓 樽熟原酒50°を3年ほどで終売させてしまうなど、御殿場のモルト、グレーンも不足が懸念されていると思われますが、今回それを、ワールドウイスキーという形で海外のモルトを加えることで補おうとしているのではないでしょうか。
アルコール度数は、富士山麓 樽熟原酒50°同様にアルコール度数は50度と高め、一方でボトルの容量は500mLと少なくされています。どちらかというとグレーンの割合が多いようで、樽熟原酒50°に比べると、割高感は否めないでしょう。
グラスに注ぐと、液色は少し濃いめの琥珀色、香りは接着剤から来るエステリーな香りが鼻を突きます。
口に含むと、接着剤の香りのほか、メロン、ナシの香りが続き、奥からバニラの香りが広がります。
味わいは、アルコールからの辛みがとても強く、後から苦みが続きます。
正直、アルコール度数の高さに加え、若い原酒を使っていることもあって、ストレートで飲むには厳しいです。
味わいは、辛みが引き続く中で渋みが広がり、後からほのかな甘さが続きます。
ストレートやロック同様に、エステリーな香りが先に立ち、ナシ、バニラが後から追いかけてきます。
味わいは、多少の苦みを持ちつつ、奥から酸味と甘さがやってきます。
しかし、全体的にアルコールの刺激が強く、バニラの甘い香りが薄く、ビターが強く感じられるため、ストレートで飲むにはかなりきつい印象です。
ロックもアルコール感が結構残り、ハイボールやハーフロックあたりが妥当な印象です。
500mL、アルコール度数50度、価格は1500円ほど。
終売した富士山麓 樽熟原酒50°に比べるとコストパフォーマンスはかなり落ちる印象です。
加水して飲まないときついというのもかなりの減点です。
採り上げるのは、キリンウイスキー 陸です。
地域にこだわらないブレンデッドウイスキー
キリンウイスキー 陸は、5月に発売が開始されました(といっても、札幌に居る私の近所では6月になってやっと出回りましたが...)。キリンウイスキー 陸はジャパニーズウイスキーではなく、ワールドウイスキーという分類に入ります。
なぜなら、使用しているモルト、グレーン原酒を日本(御殿場)だけでなく、世界各国(スコットランド、アメリカ、カナダ)から入手しているためです。
元々ウイスキーを手がけるキリンディスティラリーは、カナダのシーグラム社、英国シーバスブラザーズ社との合弁会社、キリンシーグラムとして1972年に設立されました。
最初の製品であるロバートブラウンも、御殿場蒸溜所の建設、原酒の製造が始まる前から開発が始まっていて、シーグラム社やシーバスブラザーズ社が持つ蒸溜所の原酒を元にブレンドがされたもので、当初は実質日本専売のスコッチウイスキーのようなものでした。
その時代から、海外のモルトを含めたブレンドの技術は備えていたと言えるでしょう。
まさにその技術を改めて発揮したのが、今回の「陸」と言えます。
キリン自身、メインストリームである富士山麓 樽熟原酒50°を3年ほどで終売させてしまうなど、御殿場のモルト、グレーンも不足が懸念されていると思われますが、今回それを、ワールドウイスキーという形で海外のモルトを加えることで補おうとしているのではないでしょうか。
アルコール度数は、富士山麓 樽熟原酒50°同様にアルコール度数は50度と高め、一方でボトルの容量は500mLと少なくされています。どちらかというとグレーンの割合が多いようで、樽熟原酒50°に比べると、割高感は否めないでしょう。
アルコールがきつすぎる
ストレート
では、ストレートから飲みます。グラスに注ぐと、液色は少し濃いめの琥珀色、香りは接着剤から来るエステリーな香りが鼻を突きます。
口に含むと、接着剤の香りのほか、メロン、ナシの香りが続き、奥からバニラの香りが広がります。
味わいは、アルコールからの辛みがとても強く、後から苦みが続きます。
正直、アルコール度数の高さに加え、若い原酒を使っていることもあって、ストレートで飲むには厳しいです。
ロック
メロンや接着剤など、バーボンを思わせる香りが先に立ち、後からライム、バニラが続きます。味わいは、辛みが引き続く中で渋みが広がり、後からほのかな甘さが続きます。
ハイボール
アルコール度数が50度あるので、1:4で割りました。ストレートやロック同様に、エステリーな香りが先に立ち、ナシ、バニラが後から追いかけてきます。
味わいは、多少の苦みを持ちつつ、奥から酸味と甘さがやってきます。
まとめ
キリンのウイスキーはバーボンっぽさが目立つのが特徴と言えますが、このボトルはグレーンの割合が多いこと、おそらくはアメリカの原酒も使っている可能性もあってか、バーボンっぽさがより目立っているように思えます。しかし、全体的にアルコールの刺激が強く、バニラの甘い香りが薄く、ビターが強く感じられるため、ストレートで飲むにはかなりきつい印象です。
ロックもアルコール感が結構残り、ハイボールやハーフロックあたりが妥当な印象です。
500mL、アルコール度数50度、価格は1500円ほど。
終売した富士山麓 樽熟原酒50°に比べるとコストパフォーマンスはかなり落ちる印象です。
加水して飲まないときついというのもかなりの減点です。
<個人的評価>
- 香り C: バーボンのようなメロン、接着剤の香りが主体。奥からナシ、バニラ。
- 味わい D: アルコールの辛みが強い。奥から苦みが来て、酸味や甘みはわずか。加水でマイルドに。
- 総評 D: チャレンジは認めるが、ハイボール専用にするには高すぎる。