演劇・ミュージカル

インタビュー

『RENT』日本版リステージ アンディ・セニョールJr.さんSpecialインタビュー☆今年の『RENT』は非常に力強いキャストが集まっています

2017/07/14


 

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撮影/吉原朱美

 
ミュージカル『RENT』で日本版リステージを担当するアンディ・セニョールJr.さん。俳優としてブロードウェイの『RENT』でエンジェル役を演じたアンディさんが、今、演出側スタッフとして『RENT』に深く関わっているわけは? そして、2017年『RENT』日本版キャストをどう見ているのか?
アンディさんにあふれる『RENT』愛、そして『RENT』プレビュー公演前日に亡くなった作者のジョナサン・ラーソンさんに寄せる思いを語っていただきました!

 

僕はその人の内面から出せるものに興味があるんです

 
――キャストの方に取材したときに、アンディさんからは「君そのままでいいんだ」と指導されたというのを伺いました。皆さんにそういう演出をなさっているんでしょうか?

ええ。自分の心を開くこと、その人が持っていて内面から出せるものに僕は興味があるんですね。

 
――7月2日から開幕した『RENT』を拝見しましたが、大変力強く感動的なパフォーマンスでした。初日が開いた今、アンディさんから見てマーク役の村井良大さん、ロジャー役の堂珍嘉邦さんユナクさんはいかがでしょうか?

3人とも役に対する理解を深めてきました。『RENT』って1回離れて戻ってくると、さらによくなるものなんです。いいワインが年を重ねるとどんどんよくなっていくのと同じでね。主なキャラクターは20代前半の役柄ですが、それより上の年齢の役者が演じた方がうまくいく作品だと思います。自分の人生で心を痛めたり、がっかりしたりする経験がある人が演じた方が、そこから引き出されるものがあるから。でも、(青野)紗穂さんは実際にミミと同じ19歳。続投の人たちの中にいきなり入って、すごい勢いで成長しなければいけなかったんですね。でも、もし今後再演があって3年後の彼女を見ることができたら、素敵だなと思います。

 
――お一人お一人について聞かせてください。マーク役の村井良大さんは?

リョウタは前回よりもさらにいいですね。前回は演技を見せていたけれど、今、彼は役そのものになっている。リョウタがマーク自身なんです。一瞬にして役を掴むことができるんですね。

 
――ロジャー役の堂珍嘉邦さんはいかがでしょうか?

ドウチンは前回は自分がどこにいるのかわからないようなところがあったんですが、今回はこれがどういう作品で、自分が何をしているかはっきりフォーカスして演じていると思いますね。彼のロジャーには「静かな強さ」みたいなものがあると思います。

 
――同じくロジャー役のユナクさんは?

ユナクは前回は『RENT』という大きなモンスターみたいな作品を前にして、怖がっているところがあったんじゃないかな。今回は前回話したことを全部持ってきてくれて、その上、この2年で自分の人生に起こったことを合わせて演じていると思う。だから、深みが出ていますね。

 
――以前エンジェルをなさっていたアンディさんから見て、エンジェル役のお二人、平間壮一さん丘山晴己さんはいかがですか?

もちろん自分は『RENT』に出てエンジェルを演じたんですが、面白いことに演出しているときはそのことはまったく考えないですね。なぜなら、僕は目の前にいる人と関わり合っているから。彼らの中から要素を引き出して、『RENT』の中の世界に生きてもらう。エンジェルというキャラクターを見るというより、目の前の人間を見ているんです。

 
――では、人間として見た平間壮一さんは?

ソウイチの成長は本当にビューティフル!(と、「ビューティフル」を4回繰り返す)本当に印象的です。前回やったことをそのまま持ち込んでくれているから、前回終わった時点からそのまま旅を続けることができているんですね。

再演のいいところは同じ人と旅を続けられるところだと思うんです 今回で(アンディさんが日本で演出するのは)3回目ですが、今回は非常に力強いキャストが揃っている。皆が前回演じたときの経験を携えてきてくれているから、3回の中でも一番成熟して、完成しているキャストだと思いますね。

 
――では、今回初登場の丘山晴己さんは?

ハルキはとてもチャーミング。個性があるんです。でも、すごく愛がある。いろんなことを楽しんでいる人だから、一緒に作業していて楽しかったですね。

 

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ジョナサン・ラーソンのメッセージを伝え続けたい

 

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ミュージカル 『RENT』

RENT170324

Photo by Leslie Kee

脚本・歌詞・音楽:ジョナサン・ラーソン
演出:マイケル・グライフ
日本版リステージ:アンディ・セニョール Jr.
出演:村井良大、堂珍嘉邦/ユナク(超新星)、青野紗穂/ジェニファー、光永泰一朗、平間壮一/丘山晴己、上木彩矢/紗羅マリー、宮本美季、NALAW(CODE-V) ほか
※各役アルファベット順

■東京公演
公演期間:7月2日(日)~8月6日(日)
会  場:シアタークリエ
料  金:S席11,500円 A席9,000円、エンジェルシート(当日抽選席)5,000円
※エンジェルシート購入方法は公式HP
 

<全国ツアー>
■愛知公演
公演期間:8月10日(木)
会  場:愛知県芸術劇場 大ホール

■大阪公演
公演期間:8月17日(木)~22日(火)
会  場:森ノ宮ピロティホール

■福岡公演
公演期間:8月26日(土)~27日(日)
会  場:福岡市民会館

 
※公演の詳細は公式サイト

 
 

 

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ロサンゼルス生まれ。87年~95年、フジテレビアナウンサーとして活躍。「プロ野球ニュース」「平成教育委員会」などの番組で人気を集める。 現在、「鶴瓶のスジナシ」(CBC,TBS)、「タカラヅカ・カフェブレイク」(TOKYO MXテレビ)にレギュラー出演。97年から連続してメインキャスターを務めるTBS「世界陸上」をはじめスポーツ・情報・バラエティと幅広い分野のテレビ番組やCMに出演している。 演劇コラムの執筆や、クラシックコンサートにおける司会や朗読などでも活躍中。 2013年~読売演劇大賞選考委員を務める。 【Official HP】 【Official blog】

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長崎県佐世保市出身。2001年に87期生として宝塚歌劇団に入団。初舞台は『ベルサイユのばら2001』。 2014年に雪組トップスターに就任。『ルパン三世-王妃の首飾りを追え!』『るろうに剣心』『星逢一夜(ほしあいひとよ)』などで主演を務め、2017年7月『幕末太陽傳(ばくまつたいようでん)/Dramatic “S”!』で、宝塚歌劇団を退団。 退団後初のステージ『SECRET SPLENDOUR』も大好評を博し、2018年5~6月にミュージカル『ウーマン・オブ・ザ・イヤー』で主演を務める。

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1985 年生まれ。東京都出身。歌舞伎俳優。父は六代目尾上松助。1990 年 5 月、「伽羅先代萩」の鶴千代役にて二代目 尾上松也を名のり初舞台。近年は立役として注目され、2015年より、次世代の歌舞伎界を担う花形俳優が顔を揃える「新春浅草歌舞伎」に出演し、「仮名手本忠臣蔵」早野勘平、「義経千本桜」狐忠信、「義経千本桜 吉野山」佐藤忠信 実は 源九郎狐などの大役を勤める。一方、2009 年からは歌舞伎自主公演 「挑む」を主宰している。

歌舞伎の以外でも、ミュージカル「ロミオ&ジュリエット」(2013)ベンヴォーリオ役、「エリザベート」(2015)ルイジ・ルキーニ役、ディズニーアニメーション映画「モアナと伝説の海」日本語吹替版のマウイ役、NHK大河ドラマ「おんな城主 直虎」(NHK)今川氏真役、初の主演ドラマ「さぼリーマン甘太朗」等、活躍の場を広げている。

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ブタコメ編集部

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