30日午後1時ごろ、小田原市の小田原城で、60代男性が「俺はコロナだ。小田原城を感染させてやる」と叫んだと、関係者が110番通報した。男性が徒歩で移動した小田原駅前の繁華街は複数の小田原署員が防護服姿で駆け付けるなど、周辺は一時騒然とした。男性は飲酒しており、「うそだった」と話しているという。
署などによると、男性は小田原城2階休憩スペースの長いすに横たわり、注意した警備員に「俺はコロナだ」などと叫んだ。警備員に連れ出されて繁華街の路上を歩いていたところ、署員が任意同行。体温は36度で安定しており、署が相談した医療機関も「検査の必要はない」と判断した。
一連の騒ぎで、城内にいた観光客ら20~30人は全員退館。館内の消毒など対応に追われた市観光協会担当者は「このご時世、そんなことを言うと大きな騒ぎになり大勢に不安を与える。どうして…」と困惑した様子で話した。小田原城天守閣は31日から予定していた臨時休館を30日午後に前倒ししたという。
一方、繁華街の現場近くにある生花店の女性(41)は「感染が本当だとしたら、怖い」。目撃した男性会社員(25)は「まさかこんなことが起きるとは」と驚いていた。署は軽犯罪法違反(業務妨害)の疑いもあるとみて、在宅で調べる方針。