事故から9年「福島への無関心」「原発への無反省」がもたらす危機

細野豪志×田中俊一【後編】
田中 俊一, 細野 豪志

細野 あと1年で福島第一原発事故から10年です。だんだんと、この事故そのものを知っている政治家や専門家も少なくなってきますよね。その中でも、しっかりと廃炉に向かって厳しく見守りつつ、人材の重要性を言い続けるという役割は、なかなか田中さん以外にはできない仕事だと思います。

田中 原発にかかるお金に比べたら、人材の養成に必要なお金は、たいしたことないんですよ。「もんじゅ」は50年で1兆円ですから、毎年200億円。その10分の1もつぎ込んだら、充分すぎるほどです。あとは政策、政治の問題ですね。

 

細野 これからの日本のエネルギーの行方についてもぜひ、福島から睨みを利かせていただいて、どんどん提案をしていただきたいと思います。

田中 できる限り、息の続く限りやりたいですね。細野さんもおそらく、政治家として貴重な経験をされたわけですから、ぜひよろしくお願いします。