そんな中、オーストラリアの地元紙「シドニー・モーニング・ヘラルド」が1月から2月にかけて中国企業に大量の医療物資を爆買いされていたと報道、オーストラリア国民の怒りを買っていると書きつづりました。
■段ボール単位でどんどん輸出
本紙は中国政府が支援する不動産企業「Greenland」の従業員が「2020年1月、2月に各地でサージカルマスク、体温計、除菌シート、アルコールジェル、使い捨て手袋、及び痛み止めなどの薬を各地で大量購入するよう中国から命じられた」と話していることを指摘。購入された物資は、中国へ輸送しろと言われていたそうです。
恐ろしいのはこの購入量であり、マスクが1箱や2箱ではなく段ボール単位で国外に輸出されていること。当時中国は大変な思いをしていたとはいえ、会社単位で爆買いをされてしまえば以降足りなくなってしまうのは必至。
「こちらにも蔓延するとは思っていなかった」と言ってしまえばおしまいですが、通常の業務もままならない量を購入されると、さすがに厳しいものがあったのでしょう。
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■業務より購入が優先?
この「爆買い業務」を暴露した職員によると、この期間は会社の仕事をほっぽり出してでも「購入を優先しろ」と命じられていた様子。経理課やビルの管理人でさえも医療物資を探しに街へ出ていたと話します。
他の仕事を止めてまで物資の調達に力を入れており、数週間もの間業務が停滞したことも明かされました。
この暴露に対し、「Greenlland」は「確かに大量購入は行った」と声明を発表。当時中国は医療物資が圧倒的に不足しており、母国を助けたかった故の行動だと釈明しています。また、当時は「助け合って当たり前」という世論があったのも事実です。
■その他企業も続々と爆買いをしていた
こうして従業員が買い集めた物資は「Greenland」のマークが入った箱に詰められ、中国へ送られました。オーストラリアのみならず、オーストリア、カナダ、トルコや他の国でも購入していたため最終的に300万個のサージカルマスク、70万着の防護服、及び50万セットの使い捨て手袋が集まったといいます。
「Greenland」の株価は中国・上海の政府が多数所持していることから、”お国の命令”として逆らえない部分がどうしてもあったのでしょう。爆買いを行ったのはこの企業だけでなく、海外に拠点を置く中国資本の他会社も同じような行動をとっていたとのこと。まさに人海戦術と言えるでしょう。
しかし、発生源であると言われている武漢では「医療物資の不足」が現場の人間に度々指摘されていました。爆買いしたものたちは、一体どこへ行ったのでしょうか。
■マスクは未だ不足したまま
今となっては、世界中で蔓延してしまったこの新型コロナウイルス。医療物資が買い占められた後に被害が拡大したわけですから、各国は思ったよりも早く「物資の不足」に喘ぐ羽目になったと考えられます。
日本でもマスクの不足がいまだに叫ばれています。現在中国から「恩返し」のマスクが寄付されているとはいえ、十分な量があるという状況ではありません。今一度世界のバランスを考える時が来たのではないでしょうか。
(文/fumumu編集部・AKO)