東京都新宿区は10日までに、新型コロナウイルスに関する緊急事態宣言に伴ってインターネットカフェに寝泊まりできなくなった「ネットカフェ難民」にホテルを提供する都の事業を巡り、利用期限が延びたことを伝えずに大半が退去するミスがあったと発表した。区は本来滞在できた期間の宿泊料を支給することにしている。
都はネットカフェへの休業要請に合わせ、区と連携して利用者に無料で宿泊先を提供する事業を実施した。滞在期限を5月末とする一方、次の居場所が決まるまでの猶予期間として延長できると区に通知した。
新宿区は5月29日、事業の利用者98人に対し、今月1日までの退去を求める文書を配布。猶予期間には触れず、区への相談を促した。9人は相談してホテルに戻ったが、残る89人は退去した。
区の担当者は「全員が滞在を延長すると思えず、一律に通知する必要がないと判断した」と説明した。区から退去者に滞在が延長できることを通知しているが、約30人は連絡先が不明という。吉住健一区長は「寄り添った対応ができず、率直におわびする」と謝罪のコメントを出した。
〔共同〕