富山市でベトナム人技能実習生の男性が殺害された事件で、死体遺棄罪で起訴され勾留中の同国籍の実習生ゴ・コン・ミン被告(20)について、富山県弁護士会は9日、死体遺棄容疑での逮捕前の任意聴取段階で、富山県警がホテルに連日宿泊させるなどして監視下に置いたのは、「憲法に違反する人権侵害で、重大な違法捜査である」と抗議する会長声明を出した。県警は「コメントを差し控える」としている。
弁護側は4日、同罪での勾留取り消しを求めて最高裁へ特別抗告している。
一方、ミン被告は殺人容疑で再逮捕、送検されたが、殺人容疑での勾留請求は富山簡裁が却下。弁護側によると、富山地検はこの判断を不服として準抗告したが富山地裁が棄却したため、最高裁に特別抗告したという。
声明では「これまであまたの裁判例で警鐘が鳴らされてきたが、今日もなおこのような捜査方法をとったことは大きな驚きを禁じ得ない」と批判。県警や地検に厳重に抗議し再発防止を求めた。(共同)