どこかの小さな大学にある、「認知科学研究室」。
大学を卒業したばかりの研究生、二ノ宮はるかは、この研究室の
無口で変わり者とうわさの「教授」のもとで、助手として勤めはじめて1年が経った。
だが、研究テーマについて何も教えてもらえず、
さらには偏屈な教授とのうまくいかない人間関係に、
イライラするばかりの日々を送っていた。
ある日。いつものように研究室でやることもなくうとうとしていると、
古いサーバーのファンが回る。
気がつくと彼女は、白い浅瀬のような世界で目を覚ます。
それは、人間がもつ無意識の世界。教授が8年前から研究していた、
無意識の海に潜るための装置、LiDiA (Liquid Diving Assembly)による世界だった。
はるかは無意識の世界で、言葉をしゃべる不思議なシャチと出会う。
そして元の世界に戻るため、シャチと一緒に教授を探しに海へ出る。
そこで彼女は、
8年前に研究室で起こった不可解な事件、教授の抱えている大きな罪、
そして自らが無意識の底に封じこめてた、真実にたどり着く。