沖縄県議選 「反辺野古」の民意再び

2020年6月9日 06時58分

 七日投開票の沖縄県議選は、辺野古新基地建設に反対する玉城デニー知事の与党が過半数を維持した。コロナ禍の中でも新基地建設を推進した安倍政権の強硬姿勢に「ノー」が突き付けられた形だ。
 県内各党派は今回の県議選を二〇一八年十月に発足した玉城県政の中間評価の機会と位置付け、早くから前哨戦を繰り広げた。
 県内にもコロナ感染が広がると、各陣営の運動が制約される半面、県民の命と生活を未曽有の厄災からどう守るかが争点として急浮上。米軍普天間飛行場の辺野古移設も「政権はこんなときにも新基地建設をやめない」「県試算で二・五兆円もかかる建設費をコロナ対策に向けるべきだ」などとして厳しく問われた。
 結果、共産、社民など県政与党であるオール沖縄勢力のこうした訴えは一定の評価を得て、定数四八のうち二十五議席を得た。知事への立場は中立だが、移設反対を表明している当選者を加えると反辺野古派は二十九人に上る。
 玉城氏と対立する安倍政権は、コロナ対応のため玉城氏が県独自の緊急事態を宣言した翌日の四月二十一日、新基地建設の節目となる設計変更を県に申請した。
 辺野古の軟弱地盤改良のためだが技術的にも費用や工期面からも難題山積のままだ。急ぐ理由はないにもかかわらずあえて申請に踏み切ったのは、県民の声に耳を傾けないまま、新基地建設の既成事実化を狙ったとしか思えない。
 玉城氏の前任の故・翁長雄志知事時代から県民は「辺野古ノー」の民意を繰り返し示してきた。政権は沖縄の民意は揺るぎないと認めて新基地建設を断念し、普天間の返還は国外、県外への機能分散など別の道で実現させるべきだ。
 県議選の結果は、玉城氏にも多くの注文を突き付けた。
 県政与党は勝利とはいえ、前回より二議席減らしぎりぎりの過半数。移設容認を打ち出した野党自民党は、十四から十七に増えた。一方、無投票当選は辺野古がある名護市などの十二人と過去最多、投票率は46・96%と過去最低となるなど低調さも目立った。
 県民の間に、辺野古問題で世論の分断が続いていることへの疲弊感や、コロナで大打撃を受けた県経済復興のためには政権との距離を縮めたいなどの思いが、複雑に交錯した表れではないだろうか。
 辺野古に反対しながら沖縄振興の将来像を明確に示す−。玉城氏は、より丁寧かつダイナミックな県政運営に努めねばならない。

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