朝鮮日報

対北ビラを防ごうと…韓国与党「軍の兵力を動員しよう」

北朝鮮、連絡事務所の連絡機能を一時停止

 北朝鮮が「対北ビラ散布を中止せよ」と波状的な圧力を加える中、韓国与党側からは、前方地域の韓国軍を動員してでも対北ビラを防ぎ、ビラ散布禁止法を速やかに処理しようという声が上がった。北朝鮮は8日午前、開城の南北共同連絡事務所の連絡機能を一時停止したが、午後には再開した。

 韓国の与党「共に民主党」の金太年(キム・テニョン)院内代表は8日、党の会議で「対北ビラ問題をこれ以上放置できない」として「(国会の)院構成が完了したら、対北ビラ散布禁止の立法を仕上げる」と発言した。また丁世鉉(チョン・セヒョン)民主平和統一諮問会議首席副議長はラジオ番組のインタビューで、脱北者団体が今月25日に対北ビラ100万枚を飛ばしたいと表明したことを巡り「そんなことが起きないように警察や、韓国軍の兵力を動員すべき」と主張した。

 北朝鮮は8日午前、南北共同連絡事務所の定期通話に応答しなかった。2018年9月に連絡事務所が開設されて以降、北朝鮮側が通話に応答しなかったのは今回が初めてだ。金与正(キム・ヨジョン)労働党第1副部長は今月4日、談話を通して対北ビラ散布中止を強く迫り、統一戦線部まで乗り出して「連絡事務所閉鎖」を公言した。8日の通話拒否も、対南圧迫措置を実際に履行したものと解釈されている。ただし北朝鮮側は、8日午後の連絡事務所の通話には簡単に応じた。韓国政府の対北ビラ対応の態度を見つつ、連絡事務所を閉鎖するかどうか決める狙いだと解釈されている。

 統一部(省に相当)の呂尚基(ヨ・サンギ)報道官は「韓国政府は全ての南北合意を徹底して順守しつつ、韓半島の平和と繁栄のため北朝鮮側と協力を続けていくという立場」と語った。韓国国内の団体による対北ビラ散布については「板門店宣言に背くもので、中止されるべき」とした。なお、北朝鮮の暴言と一方的な南北合意事項破棄の脅しに対する遺憾表明はなかった。

李竜洙(イ・ヨンス)記者
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