ナザリック地下大墳墓に戻ったモモンガは、無いはずの胃の痛みに苦しんでいた。
帰還してNPCに演説を行った時に、つい、理想の支配者像を演じてしまったからだ…
それからはその演技を止めるタイミングを完全に逃がしてしまい、支配者に相応しい動きを研究し、ポーズを決め、日々失敗が無いか…正しい選択肢だったか苦悩しながら過ごしていた。
「だって…あんな親に捨てられたような、存在意義を見失ったような顔を見てしまうとなぁ」
帰還したモモンガが見たNPC達は感涙して膝をついていた…そこにもいかないで欲しいと必死で懇願された。「ナザリックの支配者としてどこへも行くつもりはない、私の居場所はここだ!」と断言するまでは、孤独と不安と絶望を混ぜ合わせたような、そうな顔をしていたのだ。
…このNPC達はハグレだ、自分たちを創造した者達に見捨てられたハグレなのだ。
だから、ギルマスとして、ナザリックの支配者として…残された者達ハグレの王として頑張らなくてはいけない。異世界で出会った不思議な少女のように、立派な王様になると覚悟を決める。
――その日、モモンガは〝役者としての王を超えて〟本当の王様になると仲間達に誓った。
◆
一方、場所は変ってハグレ王国に馬蹄の音と馬の鳴き声が響き渡る。
「ナザリックと交易して来たぞ!
今回は特別めぼしいものはなかったけれど
モモちんの伝言を預かって来たぜ!」
ーアイテム入手 ユグドラシル金貨(換金)ー
-交易収入「45266G」を手に入れた、更にユグドラシル金貨(換金)を一つ手に入れましたー
交易を担当している妖精のヅッチーがハグレ王国とナザリックとの交易の結果を報告する。
モモンガはナザリックの支配者として異界に帰ってしまったが、配下のシャルティアと名乗る少女が、両者を結ぶ転移門を作れると言う事で月に1回交易用に門を開く事になっていた。
この魔法に感銘をうけたシノブがナザリックに留学に行ったりしているが、呪文の形態のせいか講師の教え方が悪いのか。〝魔導の巨人〟と言えども、どうやらあまり進展は無いらしい。
だが交易は順調に進んでいた、これは多少の赤字はいいからMPを回復するアイテムを欲しい!とのモモンガの強い要望で発生した交易路であるし、ハグレ王国がモモンガの帰還に協力的だったことによる好感度が高かった事もあり、現在は正式に国交を結び、両国は協力体制にある。
「おー、モモちんは元気で王様やってるでちか?」
「おう、なんか魔導国って国を建国したらしいぜ、大したもんだよな!」
デーリッチはモモンガは良い王様になると自信を持っていたのでドヤ顔である。
一方、そのドヤ顔をしているハグレ王国の国王様とは言うと、…ナザリックから
無理やり年内に終了させました。
途中からどうも書けず御見苦しいものをお見せしてしまい申し訳ありません。