マンガ・アニメ・ゲームの表現の自由を守るための消費者団体

AFEE エンターテイメント表現の自由の会

「反表現規制運動」の歴史と見取り図

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AFEE編集委員 中谷基志

今回公開する図表は、AFEEマガジンVol.7〜Vol.9に掲載した記事より転載したものです。

「反表現規制運動」の歴史と見取り図


↑図表はクリックで拡大表示されます

※本図表は現時点までにインタビューした範囲で作成したものです。図表に誤りなどありましたら、フォームからお知らせ下さい。今後のアップデートの際の参考にさせていただきます。

この図表はいったい何?

私たちAFEEは、いま表現の自由のために活動していますが、これまでの約30年間、表現の自由のために活動してきた方々、団体にはどのようなものがあったのでしょうか。また、過去に表現の自由はどんな事件によっておびやかされてきたか、それに対して反表現規制運動はどのように立ち向かい、乗り越えてきたのでしょうか。
取材した結果を、「歴史の資料集」に載っているような図表としてまとめてみました。

なぜこんな図表を作ったの?

実は、私がAFEEに入会してからまだ2年ほどしか経っていません。
前回2016年の山田太郎さんの選挙のお手伝いをしようと思ったことをきっかけに、表現の自由の運動に関わるようになりました。
その後もAFEEの活動のお手伝いはしていたのですが、表現の自由の運動に今後も関わっていくためにどこの誰と協力していけばいいのか、よく分からずにうろうろとしていました。ある日、思い切って「AFEEって、入ったほうがいいんですかね?」と坂井さん(編集長)に聞いてみたところ、「えーっ!まだ入ってなかったの?!入ってよ!」と大笑いされ、「そうか、AFEEに入ればよかったのか!」とホッとしたことを思い出します。
そんなわけで、AFEEに入会して思うようになったのは、「反表現規制運動に、どんな団体があるのか、どんな人たちがいるのか、今までどんな運動が行われてきたのか、ちゃんと知りたい」ということです。
自分がよく分からずに困っていたということは、同じように表現規制に反対する気持ちがあるのに、入り口がわからずに入ってこれない人が他にもいるかもしれない、それなら、みんなが入りやすいように案内を作ってみたらどうだろう。そのように考えました。

図表の解説ダイジェスト

この図表は、1989年、ちょうど平成元年に起きたいわゆる「宮崎勤事件」から始まっています。
この事件をきっかけに発生した、大規模なマンガ・アニメへのバッシングに対抗して、90年代の反表現規制運動の活動が始まりました。
この時代の反表現規制運動を担ったのは、コミケ参加者自身がコミケサークルとして行った活動でした。

2000年代、インターネットが普及し、大規模掲示板が人気を集めるようになったことで、運動の担い手が入れ替わります。運動に関わる人の数の規模が大きくなる一方で、顔の見えない参加者が増えたことで、運動は質的にも変化しました。
また、マンガ・アニメ・ゲームなどの日本の文化が、世界中のどこからでも見られてしまうようになったことで、日本の表現活動を規制しようという動きが海外からどんどんやってくるようになりました。
これに対して、日本でも情報学や法律などの専門家が、表現の自由を守る運動を直接担うようになりました。

この時代のクライマックスは、2010年の東京都青少年条例改正でした。もともとは実際の子供を守ろうという条例だったはずが、「非実在青少年」を保護するためと称してマンガ・アニメ・ゲームを規制するという、非常に危険な条例が危うく成立する寸前でした。しかし都議会議員や国会議員への働きかけが功を奏し、「非実在青少年」に関する条例の成立は阻止することができました。

2010年代に入り、新しい反表現規制運動の担い手が加わりました。その一人が山田太郎議員であり、AFEEもまた新たに誕生した団体の一つです。
AFEEはたくさんある団体の一つですが、この運動に新しく参加したいという人にとっては、一番入りやすい窓口になるのではないかと思います。

図表の解説について、詳細はAFEEマガジンVol.7〜Vol.9に掲載しています。