Entertainment

ネットの誹謗中傷を告発した芸能人の4事例。匿名の“犯人”はどうなった?

 女子プロレスラーの木村花さんが、5月23日に22歳の若さで急逝しました。木村さんはSNSでたくさんの誹謗中傷を受けており、現在改めてインターネットでの誹謗中傷について問題意識が高まっていますインターネットと裁判 匿名書き込みの場合、裁判となると相手を特定して訴えるのに専門知識とスピードが求められるなど、非常に難しい手続きとなっています。そんな中でも、悪質な誹謗中傷に対し、厳正な対応をしてきた芸能人たちがいます。4人の事例とその後について、振り返ってみましょう。

川崎希:数年に渡り嫌がらせをした女性2人は侮辱罪で書類送検

 元AKB48のメンバーでタレント・実業家の川崎希(32歳)は数年前からネットの匿名掲示板などで、自身や家族に対する悪質な嫌がらせを受けていました。  川崎は2019年10月3日に本人のブログで、やってもいない無銭飲食や窃盗のクレーム連絡を、本人の行ったレストランや店舗に対し入れられていたことや、妊娠発表後に「嘘つくな」「流産しろ」といったメッセージが毎日届いていたことなどを告白。「匿名の掲示板でみんなで自宅に着払いで荷物を送ろうと呼びかけられたり海外にいる間は放火するチャンスと言われたりしてこわい思いもたくさんありました」と、恐怖を感じていたことも明らかにしました。  その後、弁護士に依頼して裁判所を通じ、誹謗中傷の書き込みについて発信者情報開示請求を行い、名前と住所を特定した上で刑事告訴。女性2人が侮辱罪で書類送検されました。  2020年3月20日のブログでは、「現在は書き込みのあったスレッドが完全に閉鎖され、書き込みをした2人も深く反省していると聞いています」と、刑事告訴の取り下げを報告。「悪意に満ちた誹謗中傷の匿名の書き込みをして、『他の人も書いているし大丈夫だろう。バレないだろう。』などということは決してないことが、明らかになり、よかったと思います」「刑事事件となったことで、今後の悪質な書き込みに対する抑止の効果もあったと思います」と綴りました。  川崎希は5月25日に「スッキリ」(日本テレビ系)の電話取材に応じ、木村花さんの急逝について「周りの人って誹謗中傷のコメントって、そこまで目に入ってなくて見えてなかったりして、サポートできなかったりすることもあると思う」と、自身の体験と重ねながら指摘。「本人的にはすごく悩んでいたんだろうなと思います」とコメントを寄せています。

堀ちえみ:暴言を書き込んだ主婦は脅迫容疑で書類送検

 がん闘病中のタレント・堀ちえみ(53歳)も、ネットでの誹謗中傷の被害者です。2019年2月、舌がんの手術を受けた前日に自身のブログのコメント欄に「死ね消えろ馬鹿みたい」と書き込まれ、食道がんの手術を受けた4月以降には「癌なのにあちこちでたたかれて笑えるわ 次はどんな病気?(笑)」「死ねば良かったのに」などと数ヶ月にわたって何度も誹謗中傷のコメントが投稿されました
堀ちえみ

堀ちえみオフィシャルブログより

 これを受けて堀の関係者は警視庁に被害届を提出。同年6月、誹謗中傷のコメントを書き込んだ北海道在住の50代主婦が脅迫容疑で書類送検されました。  情報番組「とくダネ!」(フジテレビ系)が女性に直接取材をおこなったところ、女性は「ただちょっと書き込みした…何百回もしたわけじゃないんですよ。10回かそこらですよ?」と開き直り、「みなさん書いてるじゃないですか」「殺しに行く、とか殺すぞだったら、脅迫だっていわれても分かるんですけど、死ねでも脅迫になるんですねって感じで」などと一切反省の色を見せず、同番組司会の小倉智昭も「全然悪びれてない」と怒りをあらわにしました。
次のページ 
9歳で受けた殺害予告から、10年間にわたる戦い
1
2
3
Cxense Recommend widget