皆様お久しぶりです。
いきなり私事ではありますが、

【国内正規品】 SENNHEISER オープン型ヘッドフォン PX100-II BLACK

を買いました!(∩´∀`)∩ワーイ
そこそこの値段でそこそこの音がなります。実は他にもう1つ大きいのを持っているのですが、そういうのだとこの季節蒸れますからね。
ところで、ヘッドホンで音楽を楽しむときの最大の敵といえば何でしょうか。・・・そう、
ヘッドホン難聴
です!!!
一般的には、「音楽をかけながらでも他の人と会話ができるくらいなら平気」とか言われてるそうですが、そんな曖昧な基準ではよくわかりません。
第一、話す相手が隣近所の声の大きいおじさんかクラスメートの気になる可愛いあのコかで音量変わっちゃいますし。
ヘッドホン難聴の予防のためには、まず音量の確認から。というわけで、自分がいつも聞いている音量は一体どれくらいなのか、そしてその音量でヘッドホン難聴になる可能性はあるのか、ということを(あくまで「目安程度」に!!)検証したいと思います。
まずは、自分がいつも音楽を聞いている時にヘッドホンにどれだけの電圧をかけているのかを測定します。
音楽を再生しながら、プレーヤーの出力に、テスターを並列に当てるだけでOK。

ICクリップがあると便利。レンジはもちろんACで。
出来れば、何十秒か連続で測定して、その平均値を取るといいでしょう。
ここで実際に私が測定した値は、3.4mVでした。
次に、今使ってるヘッドホンの仕様を確認します。注目するのは、音圧レベルの欄。

114dBSPL/Vrms(1kHz)、となっています。
この意味は、「1kHz、1Vrmsの信号をヘッドホンにかけた時、114dBSPLの大きさの音が出る」ということです。ここでは、話を簡単にするため、周波数にかかわらず114dBSPL/Vrmsとしましょう。
Vrms、dBSPL、普段聞き慣れない単位かもしれませんが定義は単純。
Vrmsは「電圧の絶対値の平均二乗平均平方根」。「実効値」とも呼ばれるらしいです。振幅141Vの交流電圧の実効値は100Vrms・・・といった感じ。
普通のデジタルテスターなら、交流電圧のレンジで表示される電圧は実効値だと思います。
dBSPLは、普段私達が日常会話で使っている「音の大きさを表すdB」と同義、と考えていいと思います。「日常会話は60dB、ジェット機の近くは120dB」とかのアレです。
2012/08/11追記:一部内容に間違いがあるとのコメントを頂き、該当箇所を修正しました。ご指摘ありがとうございました。
というわけで、計算に移りましょう。
dBという単位は、エネルギーの比を表す単位です。具体的には「エネルギー比の常用対数の10倍」。
ここで、私が実際に音楽を鳴らすときにかけた3.4mV(rms)という電圧が、1Vrmsと比べてどれだけ小さいのかを、dBを使って表します。
電力(=エネルギー)比は電圧比の2乗ですから、電圧比の常用対数の20倍を求めると
20log100.0034≒-49[dB]
つまり-49dB。これを、114[dBSPL/Vrms]に足してやります。
114[dBSPL/Vrms]-49[dB]=65[dBSPL]
これが結果となります。つまり、
「だいたい65dBSPLくらいの音量で音楽を聞いている!」
ということです。
ちなみに、音圧レベルの表現方法にはもうひとつ、「dBSPL/mW」というのもあります。
99dBSPL/mWの場合、1mWの電気エネルギーをヘッドホンに与えると、99dBSPLの音量となるわけです。

たとえば、こんなヘッドホンで5.1mVrmsをかけていた場合、何dBSPLになるのでしょうか。
ここでは、「インピーダンス」の欄も確認します。5.1mVrmsの電圧を66Ωの負荷にかけると、流れる電流は0.077mAになりますね。よって電力は0.00039mW。
ここで先ほどと同じように対数計算をします。今回はもともと電力比なので、
10log100.00039≒-34[dB]
99[dB/mW]-34[dB]=65[dBSPL]
よって65dBSPL。逆算をして奇跡的に同じ値になりました。
ところで、この65dBSPL、ヘッドホン難聴の危険性があるのでしょうか。思えばこっちが本題でしたね。
で、何dBSPL以上の音をどれだけ聞くと危険か・・・という具体的な表を探すわけですが、これがなかなか見つからない。「○dBを●分聞くと危ない!」とかそういうふうに特定の値に対して言ってる記事はいくつかあるんですけどね、私は「表」が欲しいんです!!!!
と思ったらありました。
Shure Americas | X2u XLR-to-USB Signal Adapter
これの説明書です。
まさかshureの製品説明書にたどり着くとは思いませんでした。
アメリカの労働安全衛生庁(OSHA)に原本があるようですが、ここではそれをわかりやすくまとめています。

(上説明書より引用)
表を見てみると、65dBSPLでは難聴になるリスクはほぼ無い、と考えてよさそうですね。90dBSPLで8時間ですから、毎日常識的に音楽を聴き続けてる範囲では問題はなさそうです。よかった~。
ということでまとめです。
◎ブログなんて書いてないで受験勉強しろ
①使用しているヘッドホンの出力音圧レベルを確認。単位がdB/mWならインピーダンスも確認
②プレーヤーの出力にテスターを当て、何Vrmsの電圧がかかっているか計測(以下では「出力電圧」と呼ぶことにします)
③頑張って計算。単位に注意して。
③-1:ヘッドホンの出力音圧レベルの単位がdB/Vrmsの場合、
実際に聞いている音圧[dBSPL]=ヘッドホンの出力音圧レベル[dB/Vrms]+20log10出力電圧[Vrms]
③-2:ヘッドホンの出力音圧レベルの単位がdB/mWの場合、
実際に聞いている音圧[dBSPL]=ヘッドホンの出力音圧レベル[dB/mW]+10log10(出力電圧[Vrms]^2÷インピーダンス[Ω]×1000)
④上の表と比較。もし基準を超えるようであればこれからは音量を控えめで。
みなさんの結果はどうだったでしょうか。なってからでは遅いヘッドホン難聴、事前に予防しましょう。
プレーヤーの出力電圧を測るのは場合によってはすごく面倒ですが、愛があれば大丈夫です。頑張ってください。
それでは、みなさんも音量を絞って良いオーディオライフを!
いきなり私事ではありますが、
【国内正規品】 SENNHEISER オープン型ヘッドフォン PX100-II BLACK
を買いました!(∩´∀`)∩ワーイ
そこそこの値段でそこそこの音がなります。実は他にもう1つ大きいのを持っているのですが、そういうのだとこの季節蒸れますからね。
ところで、ヘッドホンで音楽を楽しむときの最大の敵といえば何でしょうか。・・・そう、
ヘッドホン難聴
です!!!
一般的には、「音楽をかけながらでも他の人と会話ができるくらいなら平気」とか言われてるそうですが、そんな曖昧な基準ではよくわかりません。
第一、話す相手が隣近所の声の大きいおじさんかクラスメートの気になる可愛いあのコかで音量変わっちゃいますし。
ヘッドホン難聴の予防のためには、まず音量の確認から。というわけで、自分がいつも聞いている音量は一体どれくらいなのか、そしてその音量でヘッドホン難聴になる可能性はあるのか、ということを(あくまで「目安程度」に!!)検証したいと思います。
まずは、自分がいつも音楽を聞いている時にヘッドホンにどれだけの電圧をかけているのかを測定します。
音楽を再生しながら、プレーヤーの出力に、テスターを並列に当てるだけでOK。
ICクリップがあると便利。レンジはもちろんACで。
出来れば、何十秒か連続で測定して、その平均値を取るといいでしょう。
ここで実際に私が測定した値は、3.4mVでした。
次に、今使ってるヘッドホンの仕様を確認します。注目するのは、音圧レベルの欄。
114dBSPL/Vrms(1kHz)、となっています。
この意味は、「1kHz、1Vrmsの信号をヘッドホンにかけた時、114dBSPLの大きさの音が出る」ということです。ここでは、話を簡単にするため、周波数にかかわらず114dBSPL/Vrmsとしましょう。
Vrms、dBSPL、普段聞き慣れない単位かもしれませんが定義は単純。
Vrmsは「電圧の絶対値の平均二乗平均平方根」。「実効値」とも呼ばれるらしいです。振幅141Vの交流電圧の実効値は100Vrms・・・といった感じ。
普通のデジタルテスターなら、交流電圧のレンジで表示される電圧は実効値だと思います。
dBSPLは、普段私達が日常会話で使っている「音の大きさを表すdB」と同義、と考えていいと思います。「日常会話は60dB、ジェット機の近くは120dB」とかのアレです。
2012/08/11追記:一部内容に間違いがあるとのコメントを頂き、該当箇所を修正しました。ご指摘ありがとうございました。
というわけで、計算に移りましょう。
dBという単位は、エネルギーの比を表す単位です。具体的には「エネルギー比の常用対数の10倍」。
ここで、私が実際に音楽を鳴らすときにかけた3.4mV(rms)という電圧が、1Vrmsと比べてどれだけ小さいのかを、dBを使って表します。
電力(=エネルギー)比は電圧比の2乗ですから、電圧比の常用対数の20倍を求めると
20log100.0034≒-49[dB]
つまり-49dB。これを、114[dBSPL/Vrms]に足してやります。
114[dBSPL/Vrms]-49[dB]=65[dBSPL]
これが結果となります。つまり、
「だいたい65dBSPLくらいの音量で音楽を聞いている!」
ということです。
ちなみに、音圧レベルの表現方法にはもうひとつ、「dBSPL/mW」というのもあります。
99dBSPL/mWの場合、1mWの電気エネルギーをヘッドホンに与えると、99dBSPLの音量となるわけです。
たとえば、こんなヘッドホンで5.1mVrmsをかけていた場合、何dBSPLになるのでしょうか。
ここでは、「インピーダンス」の欄も確認します。5.1mVrmsの電圧を66Ωの負荷にかけると、流れる電流は0.077mAになりますね。よって電力は0.00039mW。
ここで先ほどと同じように対数計算をします。今回はもともと電力比なので、
10log100.00039≒-34[dB]
99[dB/mW]-34[dB]=65[dBSPL]
よって65dBSPL。
ところで、この65dBSPL、ヘッドホン難聴の危険性があるのでしょうか。思えばこっちが本題でしたね。
で、何dBSPL以上の音をどれだけ聞くと危険か・・・という具体的な表を探すわけですが、これがなかなか見つからない。「○dBを●分聞くと危ない!」とかそういうふうに特定の値に対して言ってる記事はいくつかあるんですけどね、私は「表」が欲しいんです!!!!
と思ったらありました。
Shure Americas | X2u XLR-to-USB Signal Adapter
これの説明書です。
まさかshureの製品説明書にたどり着くとは思いませんでした。
アメリカの労働安全衛生庁(OSHA)に原本があるようですが、ここではそれをわかりやすくまとめています。
(上説明書より引用)
表を見てみると、65dBSPLでは難聴になるリスクはほぼ無い、と考えてよさそうですね。90dBSPLで8時間ですから、毎日常識的に音楽を聴き続けてる範囲では問題はなさそうです。よかった~。
ということでまとめです。
◎ブログなんて書いてないで受験勉強しろ
①使用しているヘッドホンの出力音圧レベルを確認。単位がdB/mWならインピーダンスも確認
②プレーヤーの出力にテスターを当て、何Vrmsの電圧がかかっているか計測(以下では「出力電圧」と呼ぶことにします)
③頑張って計算。単位に注意して。
③-1:ヘッドホンの出力音圧レベルの単位がdB/Vrmsの場合、
実際に聞いている音圧[dBSPL]=ヘッドホンの出力音圧レベル[dB/Vrms]+20log10出力電圧[Vrms]
③-2:ヘッドホンの出力音圧レベルの単位がdB/mWの場合、
実際に聞いている音圧[dBSPL]=ヘッドホンの出力音圧レベル[dB/mW]+10log10(出力電圧[Vrms]^2÷インピーダンス[Ω]×1000)
④上の表と比較。もし基準を超えるようであればこれからは音量を控えめで。
みなさんの結果はどうだったでしょうか。なってからでは遅いヘッドホン難聴、事前に予防しましょう。
プレーヤーの出力電圧を測るのは場合によってはすごく面倒ですが、愛があれば大丈夫です。頑張ってください。
それでは、みなさんも音量を絞って良いオーディオライフを!
コメント
コメント一覧 (4)
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③-2:ヘッドホンの出力音圧レベルの単位がdB/mWの場合、実際に聞いている音圧[dBSPL]=ヘッドホンの出力音圧レベル[dB/mW]+10log10(出力電圧[Vrms]^2÷インピーダンス[Ω]×1000)
×1000?