かがくdeムチャミタス!

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7月10日(土)

お日様の香り その正体とは!?

天気のいい日に布団を干すと、ほわほわあったかくて、気持ちがいい。布団を嗅ぐと、かすかに、いい匂いがする。これが“お日様の香り”・・・なのだろうか?今回のムチャミタスは、見えない“お日様の香り”を大研究。その正体と効果を科学します!
(1) お日様に干した布団には、“お日様の香り”が着いている!?
ドクが、陽に干した布団の香りを嗅いで、「お日様の香りがする」と、ご満悦。“お日様の香り”って何だろう?
そこで、番組スタッフは街頭インタビューに出かけた。陽に干した布団の匂いのことを、「太陽の匂い」「お日様の匂い」、つまり、太陽の香りであると80%の人が回答。でも、光に匂いはないはず。では、お日様の香りの正体とは、いったい何なのだろうか?
まず、干した時の熱が原因では?と考えたスタッフが、布団乾燥機で実験。乾燥機にかけること、約1時間。ふかふかになった布団だが、お日様の香りはしない。
次に、カネボウ化粧品が「太陽の香り開発」という記事を発見!研究者に聞いてみると、「お日様の香り」=「布団を干した後のよい匂い」と定義されていた。この正体は、『太陽の紫外線が繊維に当たることで出る匂い』とのこと。
つまり、布団の繊維に太陽光の紫外線などが当たることで、き発性の分子である<脂肪酸>や<アルコール><アルデヒド>が生成される。これらが太陽の香りの正体だったというわけ。
では、人工的に作られたお日様の光でも、“お日様の香り”が着くのだろうか?
(2) 人工的な“お日様の光”でも、“お日様の香り”が着く?
スタッフが向かった先は、日焼けサロン。『布団に紫外線を当てる』ことで香りがするか、実験してみようというのである。1時間、たっぷり日焼けマシンで紫外線を浴びた布団を嗅(か)いでみる。だが、日焼けサロンの店長も番組スタッフも、お日様の香りとはちょっと違うような気がする・・・。
太陽の香り開発の研究者によると、どうやら人工の光ではダメらしい。太陽から出ている紫外線は、大きく分けて<UVA>と<UVB>の2種類で、日焼けマシンも、この二つが出ているものの、肌への影響も考えて、UVBが最小限に抑えられている。これが原因の一つと考えられ、お日様の香りがしなかったというわけ。
(3) お日様の香りのパワーを大解剖!
さて、太陽の香りの研究に、お日様の香りを嗅いだ人の脳波を調べる実験が行われていた。人間はリラックスすると脳が活性化し、脳からα波が出る。実験データでは、お日様の香りを嗅ぐと脳が活性化し、α波が出ていることが見てとれたのである。
もっと紫外線の効果を調べるため、番組スタッフは京都大学へ。先生によれば、紫外線には殺菌作用があるという。
そこで、実験開始!大腸菌をシャーレで培養し、屋外へ。片方のシャーレは、アルミ箔で覆って太陽光が当たらないようにする。もう片方は、太陽光が当たるようにしておく。
はたして、30分後の結果は・・・。紫外線(太陽光)に当てていないシャーレには、菌がびっしり!一方、紫外線に当てたシャーレは、なんと、ほとんどの菌が死んでしまった!お日様の光には、いろんな効用があるのだ。

協力先

秋山秋梅(京都大学大学院 理学研究科 准教授)、駒木亮一(カネボウ化粧品香料研究室 主席研究員)、カネボウ化粧品スキンケア研究所香料研究室、日焼けサロン レイズ