わたしはお姉ちゃんである。ただ妹よりも2年早く生まれただけのお姉ちゃんだ。明日死ぬかもしれないから好きなことして楽しく生きていようなんて自分勝手になんとなく残りの人生を生きてる、はっきり言って落ちこぼれのお姉ちゃんである。
妹は真面目に勉強をして試験を通り国が定めた資格を持ってたぶんわたしの10倍くらいの給料を貰って毎日仕事をがんばっている。我ながらよくできた妹だ。子供の時から可愛がってきたせいで若干気の強い子にはなってしまったけど、社会でそれを出したりはしない。いわゆる世渡り上手だ。(誤解のないように書いておくがわたしこと姉と妹は仲が良い。わたしはシスコンだと自負している)
かくいうわたしは特になりたいものもなかったしやりたいこともなかったしなんとなく親に言われて行った学校を途中で辞め数年会社員をしていたが、なんとなくこんな毎日を続けてて楽しいのだろうかと思って会社をやめた。
しばらく休みを満喫したけれど社会から迫害された気分になってなんとなくバイトを始めた。まぁ年収は多少少なくはなったけど割と好きなことに関する仕事だったので仕事自体は楽しく続けている。わたしは楽しいが世間から見たらわたしはどう考えても落ちこぼれだ。
わたしは女の子として生まれたが、わたしが生まれた時父方の祖父に「男じゃないのか」と言われたという話を幼少期に母親からされた。当時母親は父親との仲があまりよくいってなく自律神経を患っていて、わたしによく八つ当たりをしていたのだ。ここでも姉であるわたしは「妹をこんなかわいそうな目にあわせたくない」とその矛先が妹へは向かないようにがんばった。
幸い父親は誰から見ても妹を贔屓いていたし、母は妹に対して何を考えてるかわからない苦手意識が少なからずあったから、その八つ当たりはわたしにだけ向いていた(と思う)こんなことも言われた。「あんたは私に似ているからお父さんに好かれてないんだよ」と。
そんな感じでわたしは幼少のころ自分が生まれたことを否定されていた。今では酒の席で笑い話にしているし当時も言われてそこまで傷つけられたという気持ちにはならなかった。元々わたしは明るい性格なのだ。
ただ、人間というものは面倒なものでふとした瞬間に人生がいやになったりする。明るく元気に振る舞っていたわたしだが、子供の頃からどこか生きるのが億劫、早く死にたいと思っていた。生きているからには毎日楽しく過ごしたいという意識はあったが、それでもやっぱりたまに、わたしが生きている意味について考えてしまうのだ。
そういう時に思い出す。家族に否定されてしまったこの命の意味はなんなのか。親だって落ちこぼれのお姉ちゃんのわたしなんていなかった方が楽だっただろう。わたしがいなければ家族は円満だったかもしれない。(両親はわたしがまだ学生のころに離婚した)わたしがいなくなって悲しむ人がいるだろうか。わたしが生きたことを覚えていてくれる人はいるだろうか…
わたしには大好きなおばあちゃんがいた。おばあちゃんは初孫であったわたしのことをとても可愛がっていてくれた。まだわたしが幼かったころ、「わたしは一番に生まれたから他の孫たちよりもなんだか損をしてる気がする」なんて何も考えずに言ってしまったことをおばあちゃんはずっと気にかけてくれていて本当に優しいひとだった。
そんなおばあちゃんが今年の初めに亡くなってしまった。母のことを苦手だったわたしは元々あまり母とは話さなかったがおばあちゃんが亡くなって少し話をするようになった。おばあちゃんの若い頃の話だったり母が子供の頃の話だったり。
母は「私はあなたのことがわからなくて、おばあちゃんに相談したことがあるの」と言った。母に理解されている気持ちは一ミリもなかったし、仕事を辞めることと相談しなかったしそのあとバイトを始めたことも何も話さなかったから(そうだろうなぁ)と思っていたけど、母は続けた。
「そしたらね、おばあちゃんが、「あの子には好きなことさせたらいいのよ」っていってたの。おばあちゃんが一番あなたのことわかってるのかもね」と。
その時はそうなんだって笑ったけれど、そのあと一人でこの言葉を噛み締めてわんわん泣いた。落ちこぼれで何もできなくて明日死ぬかもしれないから好きなことして楽しく生きていようなんて自分勝手なわたしをおばあちゃんは「好きにさせてあげたらいい」と言ってくれていたのだ。
それはもちろん好き勝手生きていいという意味じゃないのは理解している。人に迷惑をかけて「いい」という意味じゃない。なんとなくわたしの心につっかえていたことがおばあちゃんにはわかってたっていうのがただ嬉しかった。
おばあちゃんはもうこの世にいない。せめてこの言葉にありがとうと直接言いたかったけど、それは叶うことはなかった。(某ウイルスのせいで病院の面会などが一切出来なかったのだ…)最後にあった日のことはよく覚えている。立つのもやっとだというのに病室の外まで見送ってくれたおばあちゃんの笑った顔は忘れない。
遺品の整理をしている母が「なにか欲しいものある?」と指輪やネックレスなど何個か持ってきてくれた。お洒落なおばあちゃんだったけれど指輪やネックレスは気に入ったものをずっと使うタイプだったので沢山はなく、その中からひとつの可愛らしい指輪を選んでもらう事にした。母は「それは最後に入院してるときも病室に持って行ってたものだから、きっとすごくお気に入りのものだったんだと思うよ」と言っていた。
(これはどうでもいい話だがおばあちゃんはとても小柄で150センチくらいの身長で40キロくらいしかなかったが、10cm以上背が高く指も太いと自負しているわたしの指にぴったりの指輪でとても驚いた。あんな小柄なのにしっかりした手をしていたんだ。そういえばおばあちゃんの家に遊びに行った時に食べるおにぎりが世界で一番好きだった。本当においしいんだ。)
わたしは落ちこぼれのお姉ちゃんであるが、いまはおばあちゃんがついていてくれている。特別なにができるわけでもないし、明日死ぬかもしれないけど楽しく生きている。母はわたしのことをよくわからないと思っているし、きっとよくできる妹は口には出さないがわたしのことをよく思ってないこともあるかもしれない。きっとまた落ち込む日もあるだろう。でもわたしは大丈夫。
わたしは大好きなおばあちゃんが認めてくれた人生を今日も楽しく生きていくよ。
(今日どうしようもなく落ち込んでてどうしてもこのことを何処かに書いておきたかったので…一気に思ってること打ったので日本語変だったらすまん)
うこん
肝臓に、キクーーーーー
柿ってなんだろうと思ったら姉だった。姉なるもの。
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すげーわかる 元増田は気にしてないし気付いてもいねえが 聞いてる限り近づきたくないタイプだよ元増田妹
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姉です。柿ではないぞ。独り言のつもりで書いてたけど反応貰ってありがたい…。なんとなくでも誰かの一言が支えになってこんな人間でも楽しく生きてるよって伝えたかったんだ… >...
柿おいしそう
今だから柿美味しそうって思うけど秋とかになると別に食べなくていいやって思うよな
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姉です。素敵なお話をありがとうございました。 勉強ができる、わたしにとってそれはすごいことです。縋ってきたと仰ってましたが、それ相応の努力をされているはずです。思いやり...
オチンコ惚れの姉、まで読んだ
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落ちこぼれの柿
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自分は国立大を出て大手企業勤務20年超なんで、この人みたいに学校や仕事を軽く辞めてしまう感覚が理解できない。 それはそれとして、この人が処女だったら、一度やらせてほしい。
処女厨キモ
三島由紀夫がエッセイで童貞は処女とセックスするべきではないと書いてたよ 童貞は年増女とセックスし、セックスのイロハを学ぶべしとのこと
ばあちゃん子は、幸せになる。安心しろ