Netflixの字幕をダウンロードする方法 | 学習メモ。
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学習メモ。

長男(開成中高→東大理1[現役・専願]→東大工学部→東大大学院情報理工学系研究科)、長女(桜蔭中高→東大文1[現役・専願])の生活,中学受験、大学受験の振り返り。自学に適した教材(映像含む)による自学中心・PC/電子機器活用・かなりマニアック。


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目次 1.字幕ダウンロードの意義
2.字幕ダウンロードの方法
  (1) Google Chrome拡張機能を使用する方法
  (2) ユーザースクリプトを使用する方法
3.ダウンロード・録画した映像と字幕の再生
更新履歴

 

1. 字幕ダウンロードの意義

  月額定額制動画配信サービスはすっかり定着した感がある。英語学習への有用性という観点からラインナップが充実しているものは、NetflixHuluAmazonプライムビデオU-NEXTdTVである。このうちNetflixは、日本のアニメの一部に英語音声・英語字幕を付して配信している点で、とくに有用である。その恩恵を最大に享受できるように、この記事では、Netflixの字幕をダウンロード保存する方法を紹介する。Netflixの字幕をダウンロード保存することには次のような効用がある。

  1. 字幕をまとめて印刷することで、読み物として一覧できる。
  2. 字幕ファイルはテキストファイルだから、オンライン辞書で検索しやすい。
  3. 字幕ファイルはテキストファイルだから、形態素解析単語出現率調査、教材の素材に利用しやすい。
  4. 別途ダウンロード・録画した映像ファイルに字幕表示できる(Netflixの映像(.mp4)ダウンロード方法は限定記事で)。これにより、モバイル端末、オフライン状態でも日英同時字幕を実現できる(Google Chrome拡張機能による日英同時字幕はモバイル端末やオフライン状態では動作しない)。
  5. Netflix(米国)でダウンロードした字幕ファイルをNetflix(日本)に読み込んで使用できる(後述の「応用例 グレイズ・アナトミーで日英(CC)同時字幕」参照)。その逆も同様である。
  6. Netflix(米国)でダウンロードした英語CC字幕ファイルをGoogle翻訳にかければ、簡易な日本語字幕ファイルを作成できる(→Online Subtitles Translator & Editor)。

 

2. 字幕ダウンロードの方法(Windows・Mac共通)

  2つの方法を紹介する。ボタンワンクリックでダイレクトにSubRip形式(.srt)の字幕ファイルをダウンロードできる(1)の方法が手軽である。

  ただし、2020年5月現在、Netflixの仕様変更の影響で、(1)の方法は単独では動作しない。後に述べる(2)の方法をインストール(または、Google Chrome拡張機能 Language Learning with Netflix (LLN)のインストール)することにより、その効果で(1)も動作するようになる。
  また、字幕言語の候補が多数ある作品(たとえば「ヴァイオレット・エヴァーガーデン」やスタジオジブリ作品)では、一部の言語の字幕が選択候補に挙がらずダウンロードできない不具合がある。該当する作品については(2)の方法でダウンロードすればよい。

 

(1) Google Chrome拡張機能を使用する方法

 Google Chrome拡張機能であるSubadubを使用する。

  1. 【拡張機能のインストール】
    Google Chromeに拡張機能を以下からインストールする。
         ↓
  2. 【Netflix仕様変更対策】
    2020年5月現在、次のいずれかを行う必要がある。
    (ア)後述(2)のユーザースクリプトをインストールする。
    (イ)Google Chrome拡張機能 Language Learning with Netflix (LLN)をインストールする。字幕ダウンロード方法の回復だけが目的の場合、LLNの動作を画面下部で「OFF」にするとよい 。
  3. 【字幕ファイルのダウンロード】
    Google Chromeで字幕をダウンロードしたいNetflixの映像(例では「斉木楠雄の災難1-7」)を再生し、右上のポップアップメニューで字幕言語(例では「英語」)を選択の上「Download SRT」ボタンをクリックする。

    すると、SubRip形式(.srt)の字幕ファイルがダウンロードされる。
    ※初期状態だと字幕ファイル(.srt)をダブルクリックしただけでは開かないが、字幕ファイル(.srt)の内容は一定の書式のテキストファイルなので、メモ帳やMicrosoft Wordにドラッグ&ドロップすれば開ける(それらのソフトに拡張子(.srt)を関連付けすればダブルクリックで開けるようになる)。
ポップアップ辞書、日英同時字幕   ここで導入した拡張機能Subadubを利用すると、字幕ファイルダウンロードのほかに、2つの恩恵を享受できる。

■ポップアップ辞書
  拡張機能Subadubは、字幕を文字列選択可能にする。そのおかげで、ポップアップ辞書(たとえば、Weblioポップアップ英和辞典Google Dictionary[初期設定は英英だが、Extension OptionsでMy LanguageをJapaneseにすると英和になる]、Mouse Dictionary[ローカルに辞書データを持つので高速。熟語やイディオムにも反応])が利用可能になる。ポップアップ辞書もGoogle Chrome拡張機能であるから、インストール方法は拡張機能のそれぞれのサイトから「Chromeに追加」ボタンを押すだけである。
▼Weblioポップアップ英和辞典の表示("pinworms"にカーソルを合わせた)


■日英同時字幕
  拡張機能Subadubは、Netflixの本来の字幕設定とは独立して、字幕を表示している。つまり、Netflix本来の字幕設定による字幕と、拡張機能Subadubによる字幕とを同時に表示できるのである。Netflixの本来の字幕設定で日本語を選択し、拡張機能Subadubで英語を選択するのがよい(そうすれば、英語字幕が文字列選択可能となりポップアップ辞書が有効になる)。ただし、そのままでは字幕表示位置が重なって見にくいという欠点がある。これに対しては、別の拡張機能Subtitles for Netflixを導入すればよい(外部字幕ファイル(.srt)を読み込んで表示する機能があるすぐれものである。応用例は後述)。初期状態では日本語を含むアジアの言語は上部に表示される。
▼Subtitles for Netflixの初期設定(このままを推奨)

  なお、Netflixで日英同時字幕を実現するには、Netflix同時字幕で英語学習(月額97円)[日本語字幕はNetflix提供のもの。外部記事「海外ドラマで英語の勉強をしよう」参照]やLanguage Learning with Netflix[日本語字幕はNetflix提供のものと、英語字幕からの機械翻訳とを選択可能。外部記事「Netflixで英語学習ができるLLN(Language Learning with Netflix)が最高すぎるので使い方をご紹介」参照]の拡張機能が知られている。3秒巻き戻しなどの付加機能も充実している。好みに応じて使い分けるといいだろう。

 

応用例 グレイズ・アナトミーで日英(CC)同時字幕  別記事「英語CC字幕付き英語吹替え版日本アニメの大量入手方法」で紹介したように、Netflixは世界共通アカウントであり、接続元の国により提供作品(や音声・字幕設定)が切り替わるシステムである。海外ドラマ「グレイズ・アナトミー」は、Netflix(日本)で選択できる字幕言語は日本語のみである。一方でNetflix(米国)で選択できる字幕言語は英語 [CC]のみである。そこで以下の手順により、Netflix(日本)の「グレイズ・アナトミー」で英語音声+日英同時字幕を実現できる。
  1. VPNサービス(ExpressVPNがおすすめ)で接続元を米国と偽装し、Netflix(米国)「グレイズ・アナトミー」を視聴し、Google Chrome拡張機能Subadubを使用して、英語CC字幕ファイル(.srt)をダウンロードする。
  2. VPN接続を解除し、Netflix(日本)の「グレイズ・アナトミー」をNetflixの本来の音声・字幕設定で英語音声・日本語字幕を選択して視聴する(作品URLは日米共通である。VPN接続解除後にGoogle Chromeをリロードして画面更新すれば、Netflix(日本)への接続となる)。
  3. 拡張機能Subadubによる字幕表示を「Hyde Subs」ボタンをクリックしてオフにする(外部字幕ファイルに対してはどうせ拡張機能Subadubの効果は及ばない、したがってポップアップ辞書も使えないのでオフでよい)。
  4. Google Chrome拡張機能Subtitles for Netflixを使用して、1でダウンロードした英語CC字幕ファイル(.srt)を読み込む

         ↓
  5. こうして、Netflix(日本)では本来、英語 [CC]設定のない作品にもかかわらず、日英同時字幕を実現できる。全然無理ではない。

      ちなみに、現在、Netflix(米国)でのみ提供されているシーズン13以降については、接続元を米国と指定してのVPN接続で視聴できる。使える日本語字幕ファイルが存在しないので、英語CC字幕のみでの視聴となる。Google Chrome拡張機能Subadubポップアップ辞書の環境(前述)で視聴するのが最善である。

 

 

(2) ユーザースクリプトを使用する方法

  (1)の方法が見つかる以前に私が使ってきた方法である。
  多くの人にとってあまりなじみがないだろうが、ユーザースクリプトというウェブブラウザ拡張機能を使用する。原理はわからなくても、ともかく以下の手順どおりに設定しさえすれば、Netflixの音声・字幕設定画面に字幕保存メニューが追加される。そこからワンクリックで字幕ファイル(WebVTT形式(.vtt))をダウンロードできるようになる。WebVTT形式のままでは汎用性が低いので、最後にSubRip形式(.srt)に変換する。

  1. 【ユーザースクリプトマネージャーのインストール】
    Netflixの視聴に利用するウェブブラウザにユーザースクリプトマネージャー Tampermonkey を以下からインストールする。ユーザースクリプトの実行にはその前提としてユーザースクリプトマネージャーが必要なのである。

    【Google Chromeでの例】

         ↓

  2. 【ユーザースクリプトのインストール】
    1のウェブブラウザで次のリンクにアクセスし、ユーザースクリプト (Netflix - subtitle downloader) をインストールする。

    https://greasyfork.org/ja/scripts/26654-netflix-subtitle-downloader

    【Google Chromeでの例】

         ↓

     

  3. 【字幕ファイルのダウンロード】
    2のウェブブラウザで字幕をダウンロードしたいNetflixの映像(例では「斉木楠雄の災難1-7」)を再生し、字幕設定の右の「Netflix subtitle downloader」メニューで「Download subs for this episode」をクリックする。

      すると、(作品名).zip(この例の場合は「斉木楠雄のΨ難.zip」)という圧縮ファイルがダウンロードされる。

  4. 【解凍】
    3.を解凍すると、字幕が用意されたすべての言語の字幕ファイル(WebVTT形式[拡張子.vtt])が現れる。

      字幕ファイル(WebVTT形式)の内容はいずれの言語のものもテキストファイルである。テキストエディタで開けばそのまま閲覧・印刷できる。ただし、書式が複雑で読みにくいし、汎用性が低い(対応している編集ソフトや動画再生ソフトが少ない)ので、シンプルな書式かつ汎用性の高いSubRip形式(.srt)に変換するのがおすすめである。

  5. 【SubRip形式への変換】
    ウェブブラウザでSubtitles Converterにアクセスする。

    SubRip形式(拡張子.srt)に変換したい字幕ファイル(ここでは「斉木楠雄のΨ難.S01E07.WEBRip.Netflix.en.vtt」)を左の①「字幕ファイルのアップロード」の欄にドラッグ&ドロップする(複数選択は不可)。

    ②「変換するフォーマット」で「SubRip (.srt)」を選択する(同期ズレを修正したい場合以外は、③シンク調節の項目は「変更なし」のままにする)。

    下部の「変換後のダウンロード」ボタンをクリックする。

    ダウンロードフォルダに「斉木楠雄のΨ難.S01E07.WEBRip.Netflix.en.srt」というファイルができている。これがSubRip形式(拡張子.srt)の字幕ファイルである。

 

3. ダウンロード・録画した映像と字幕の再生

 

■字幕ファイルをそのまま使用(外部字幕)

 

  別途ダウンロードした映像と2.でダウンロードした字幕ファイルとをあわせて使用したい場合は、字幕ファイルに対応した動画再生ソフトが必要である。次のものがおすすめである。

  これらの動画再生ソフトでは、映像ファイルと字幕ファイルとを同じ場所に同じファイル名(拡張子は異なる)で配置して映像を再生すれば、自動的に字幕ファイルが認識される。同じファイル名といっても、厳密には、拡張子の直前に言語・国コードを付けて動画再生ソフトに字幕言語を識別させることも可能である(字幕ファイルの言語・国コード一覧はこちらを参照)。

  自動的に認識されない場合には、動画再生ソフトのメニューから「字幕を読み込む」「字幕を追加」のようなコマンドを実行すればよい。

▼PotPlayerでの「字幕を読み込む...」

▼nPlayerでの「字幕を追加」

設定
字幕を追加

 

■映像ファイルに字幕トラックとして結合(内部字幕)

 

  字幕ファイルを映像ファイルに字幕トラックとして結合すれば、字幕ファイル非対応の動画再生ソフト(たとえば、QuickTime PlayerやWebブラウザ内蔵のプレイヤー)でも字幕を表示させられる。

  再エンコードすることなしに映像ファイル(MP4)に字幕ファイルを結合できる編集ソフトとしては次のものが使いやすい。

  なお、映像ファイルと字幕ファイルとの間に同期のズレが生じる場合(映像ファイルと字幕ファイルの入手経路が異なる場合には多々ある)には、次のいずれかの対処が必要である。

  • 字幕ファイルのタイムコードを変更してから(Subtitle Edit やAegisubなどの字幕編集ソフトで可能)、字幕ファイルを結合する。
  • 映像ファイルに字幕ファイルを結合する際にオフセット(同期ズレを補正する情報)を設定する(Subler (Mac) で可能)。ただし、PowerDVDはオフセットを認識できない
  • ズレの調整は動画再生ソフトの「字幕遅延」機能に委ねる。

 

更新履歴

 

2018年5月23日

  • 初公開

2019年1月8日

  • ダウンロードする字幕の形式をTTML2形式からWebVTT形式に変更。
  • Subtitle Editの図を日本語表記に変更。
2019年3月1日
  • Subtitles Converterの紹介を追加(同サービスの開発者から連絡いただいた)。
2019年3月18日
  • Google Chrome拡張機能Subadubを使用する方法を紹介した。
  • 上の方法をメインとするに伴い、叙述を整理した。
  • ポップアップ辞書、日英同時字幕を実現するアイデアを紹介した。
  • グレイズ・アナトミーで日英同時字幕を表示する方法を紹介した。
2019年12月6日
  • モニター参加者で字幕ダウンロードできなくなる不具合の対処方法を示した。

2019年12月7日

  • Netflix Subtitle DownloaderもSubadubも新仕様に早くも対応した。従来の便利な環境が復活した。

2020年1月15日

  • Netflixの字幕仕様が変更され、字幕ダウンロードが不可能になった。その対策を示した。

2020年5月30日

  • SubadubがNetflixの字幕新仕様[2020年4月24日]に対応する様子がないので、その対策を本文に組み入れた。