夢を抱いて来たのに、こんなかたちで帰ることになるなんて――。新型コロナウイルスの感染拡大の影響で、日本での暮らしが難しくなったベトナム人のための臨時帰国便が5日、成田空港からベトナムに向けて飛び立った。
午前8時ごろ、成田空港のベトナム航空のカウンター前には、帰国を希望する多くのベトナム人が列を作った。搭乗する343人のうち、約130人がITエンジニア、約200人がベトナム大使館が支援する生活困窮者たちだった。
その中に、2月末まで福岡の日本語学校で学んでいた留学生ホアン・バン・ホアックさん(26)がいた。
2年間、日本語を学びながら弁当工場で時給900円のアルバイトをし、月9万円の収入を得ていた。だがコロナの影響でバイトがなくなり、卒業で学生寮も退去せざるを得なかった。
友人の家を転々としたが長くは甘えられなかった。自動車関係の専門学校に進みたいと考えていたが、学費の100万円を払えるメドも立たなくなった。
ベトナムにいる母に相談すると、大使館を頼って帰国するよう勧められた。
所持金は1万1千円。新幹線の切符が買えず、福岡から各停の電車に乗った。公園のトイレで体を洗い、夜には駅や高架下で寝た。途中下車を繰り返し、2週間かけて東京の大使館にたどり着いた。館員に「帰してほしい」と泣きついた。
家は貧しく、両親を楽にさせたいと来日した。それなのに、帰国のためのチケット代約9万円も母に頼るかたちになった。来日のために負った借金のうち約100万円も返せていない。「コロナがなければ専門学校に進み、きちんとした会社に就職できたんじゃないか」と悔しがる。
■妊娠、両親に告げられず 帰国…
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