アフガニスタンでコロナ拡大、病床不足で「大惨事」の恐れ
【6月7日 AFP】貧困に苦しむアフガニスタンで、新型コロナウイルスへの感染が疑われる症例が急増している。当局は6日、病床が不足し「大惨事が押し寄せている」と警鐘を鳴らした。
同国の保健当局は、過去24時間で761人が新型コロナウイルスの検査で陽性だったと発表。国内の累計感染者数は1万9551人となった。これまでに327人の死亡が確認されている。
アフマド・ジャワド・オスマニ(Ahmad Jawad Osmani)保健相は報道陣に対し、「わが国の病床はほぼ定員に達している。当面はこれ以上のベッドを確保できない」と指摘した。
当局によると、同国のコロナ流行の中心地となっている首都カブールなどで、想定を超える感染者数が出ているという。
カブール州のモハンマド・ヤクブ・ハイダリ(Mohammad Yakub Haidary)知事はオスマニ保健相との合同記者会見で、「大惨事が押し寄せている」と警告。同知事によれば、カブールだけでも100万人が感染している可能性があるという。
アフガニスタンでは、全国規模でロックダウン(都市封鎖)措置が導入されたものの、住民はほぼこれを無視。その日暮らしの多くの労働者らは、日々の仕事を失うよりもコロナ流行の中で稼ごうとしている。
しかし保健相は、流行の拡大対策として7日から3か月間、マスクの着用やソーシャル・ディスタンシング(対人距離の確保)維持などの厳格な措置を導入すると発表した。
専門家によると同国では、コロナ感染が疑われる人の20%しか検査を受けられていない。(c)AFP