故郷神戸駅の地図券/茜堂 | |||
神戸駅発行の地図式乗車券=茜堂 |
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地図式片道乗車券は、昭和10年6月15日から首都圏にて、A型券で試用された後、 昭和15年12月1日(昭和15年10月31日=鉄道省告示第236号)の改正で、地図式の様式が制定されました。 関西では、昭和30年4月1日に、B型券にて登場します。残念ですが、関西では、地図式でのA型券の発行は、一切有りません。 ● 地図式片道乗車券は、鉄道切符としては、我が国独自の物で、乗客の下車駅を地図で示した物です。 複雑な路線でも、目的地迄の経路が把握でき、その土地に不慣れな乗客にとっても、非常に分かりやすい乗車券です。 ● |
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■昭和30年4月1日=様式制定。 昭和33年3月15日発行、地図表示、 昭和33年10月19日発行、地図表示、 国鉄、 大阪印刷場印刷券。 |
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当券では、同運賃で有る、兵庫駅から出ている、和田岬線が描かれていません。 神戸駅~鷹取駅間は、5.1Kmで、神戸駅~和田岬駅間は、4.5Kmであり、どちらも6Km迄の、営業距離内となり、 同じ初乗り運賃ですが、様式美を優先させたのでしょうか、地図の配列は、右側を上り方向、左側を下り方向としています。 ● 切符左上に、(裏面注意)の但し書きが、記されています。 裏面には乗車区間として、太線区間の一駅ゆき、通用期限や下車前途無効表示、発売駅名等が記されています。 ● |
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上記掲載の航空写真画像は、昭和60年10月15日撮影の、国土交通省画像(画像整理番号=CKK-85-4-C12A-18)から、 正規の方法で、データ購入(画像オーダー番号=E-4D30-026)をした物です。 ● 神戸駅の直下には、昭和60年3月14日廃止の、東海道本線貨物支線(神戸臨港線)湊川駅跡の、広大な姿が良く分かります。 駅の北側に有る緑の杜は、南北朝時代の忠臣、楠木正成公を祀る神戸の名社、湊川神社(楠公さん)です。 湊川神社は、建武中興十五社の一社で、旧社格は別格官幣社となっています。 |
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■昭和33年10月1日=様式改定。 昭和34年1月18日発行、地図表示、 昭和34年5月26日発行、地図表示、 昭和34年7月13日発行、地図表示、 昭和35年6月17日(自2)発行、地図表示、 国鉄、 大阪印刷場印刷券。 |
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従来の、有効路線図幅が、 インク節約の為も、有ってか、 可成り細くなりました。 |
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昭和33年10月1日(昭和33年9月24日=国有鉄道公示第325号)の改正で、 従来は乗車運賃の前に有った、等級表示が、運賃の次に、等級が表示される様になりました。 昭和35年7月1日(昭和35年6月23日=国有鉄道公示第294号)の改正で、廃止される前の、3等級時代の乗車券です。 ● 当券では、上段の地図券には、描かれていなかった、同運賃で有る、兵庫駅から出ている、和田岬線が描かれています。 ● 関西では大都市圏を中心に、昭和30年頃には、神戸駅を含め、以前の手動式券売機と同じ単能式乍ら、 ある程度の駅には、電動券売機が設置され、窓口発行同様(硬券)での、最低運賃の地図式券が発売されます。 日付横の(自1)や(自2)の表記は、券面裏に記されていて、自動券売機券である事を表し、数字は循環符合となります。 |
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■昭和35年7月1日=制度改定。 昭和35年10月22日(自1)発行、地図表示、 昭和36年2月23日発行、地図表示、 国鉄、 大阪印刷場印刷券。 |
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昭和35年7月1日からの、 等級が、2等に変更されていない、 無訂正流用券。 |
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昭和35年7月1日、改定後の前様式で有る3等券を、無訂正にて、そのまま流用をしています。 各窓口で残部が異なる為、下段の券の様に別の窓口では、新券が発売されているにも関わらず、旧券を使用している様です。 |
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■昭和35年7月1日=制度改定。 昭和36年1月20日ヨ(自2)発行、地図表示、 昭和36年2月8日(自1)発行、地図表示、 昭和36年4月20日発行、地図表示、 国鉄、 大阪印刷場印刷券。 |
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昭和35年7月1日からの、 等級が、3等から2等に変更され、 3等券が無くなります。 |
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昭和35年7月1日(昭和35年6月23日=国有鉄道公示第294号)の改正で、3等級制から2等級制に変換され、 旧3等が新2等へ、旧2等が新1等へ、それぞれ名称の変更ががなされ、切符上から、3等の文字が無くなります。 当券は、2等級制時代券で、3等から2等へ名称が変わっただけで、どちらも同等で、乗車距離や価格等、同じ切符となります。 ● |
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■昭和41年3月5日=運賃改定。 昭和41年9月12日(自1)発行、地図表示、 昭和41年10月29日(自1)発行、地図表示、 昭和42年2月17日発行、地図表示、 昭和42年6月2日(自1)発行、地図表示、 国鉄、 大阪印刷場印刷券。 |
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昭和41年3月5日から、初乗り運賃が20円に値上げされ、発駅から5Km迄の、営業距離内となっています。 |
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■昭和42年詳細不明=制度改定。 昭和42年12月5日(自1)発行、地図表示、 昭和42年12月15日(自1)発行、地図表示、 昭和43年1月6日発行、地図表示、 国鉄、 大阪印刷場印刷券。 |
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昭和42年頃から、 従来の、2等青地紋から、 赤地紋券へと、変更されました。 |
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上段枠とは同一券の、20円2等券ですが、昭和42年頃の制度変更により、従来の青地紋券から、赤地紋券へと変更されます。 中の券では、打刻時の不具合から、ダッチングが欠けていますが、実券では何とか日付の判読が可能です。 |
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■昭和44年5月10日=制度改定。 昭和46年7月31日発行、地図表示、 昭和47年4月26日発行、地図表示、 昭和47年6月25日発行、地図表示、 昭和45年9月5日発行、地図表示、 昭和46年8月16日発行、地図表示、 昭和46年10月6日発行、地図表示、 昭和46年10月22日発行、地図表示、 昭和50年2月23日発行、地図表示、 国鉄、 大阪印刷場印刷券。 |
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昭和44年5月10日からの、 等級制度、廃止後の、 モノクラス制に依る、地図式券。 |
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昭和44年5月10日(昭和44年5月9日=国有鉄道公示第102号)の改正で、等級制が廃止され、モノクラス制となり、 全ての切符表示から1等、2等の文字が無くなりました。 神戸駅発着の矢印式乗車券=茜堂 |
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矢印式の乗車券は昭和3年9月1日に、東京近郊の省線電車特定運賃区間で、初めて使用開始されました。 ● |
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■昭和3年9月1日=矢印開始。 昭和17年8月3日戦時発行、矢印式表示、 鉄道省、 大阪印刷場印刷券。 |
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昭和15年12月1日(昭和15年10月31日=鉄道省告示第236号)の改正で、乗車券のサイズに、変化が見られる様になり、 発着区間40粁以下の場合に限り、乗車券を従来のA型から、B型サイズへと改定される事になります。 戦争が激化した時代には、戦時節約に因って、A型券は激減し、小振りのB型券が主流となって行きます。 ● |
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■昭和3年9月1日=矢印開始。 昭和25年9月3日発行、矢印式表示、 昭和25年12月4日発行、矢印式表示、 鉄道省、 大阪印刷場印刷券。 |
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昭和18年7月1日(昭和18年5月29日=鉄道省告示第131号)の改正で、乗車券は全てB券サイズに制定されました。 尚、昭和25年頃から、汽車区間や、40Km以上の発着区間の乗車券で、徐々にA型券が復活をします。 ● 昭和19年~25年頃迄、戦時戦後体制に因る、印刷度数節約の為、小児専用乗車券の影文字が、省略されています。 従来、中央に有った小影の変わりに、ご覧の様に、券面右橋に(小児)の文字が、スミで大きく、印刷表記されています。 また、3等の等級表示が省略されています。これは圧倒的な数の、3等表記の字組の手数を減らす為の、手段となっています。 ● 尚、当券は従来の紙厚(80/110連量45Kg)では無く、重厚な板紙(80/110連量62Kg)を使用しています。 ● |
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■昭和3年9月1日=矢印開始。 昭和27年10月26日発行、矢印式表示、 昭和28年10月16日発行、矢印式表示、 昭和29年5月31日発行、矢印式表示、 昭和30年3月3日発行、矢印式表示、 昭和33年9月16日発行、矢印式表示、 国鉄、 大阪印刷場印刷券。 |
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当券は、発着区間が40Km以内の乗車券の為、B型券で発行をされています。 これは、昭和15年12月1日(昭和15年10月31日=鉄道省告示第236号)の改正に、基づいています。 ● |
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■昭和3年9月1日=矢印開始。 昭和34年10月21日発行、矢印式表示、 国鉄、 大阪印刷場印刷券。 |
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昭和33年10月1日(昭和33年9月24日=国有鉄道公示第325号)の改正で、 従来は乗車運賃の前に有った、等級表示が、運賃の次に、等級が表示される様になりました。 ● 矢印式の乗車券には、上段の様に、上り方面か下り方面の、一方向のみを表示する、片矢印式片道乗車券と、 下段の様に、上り方面と下り方面の、両方向を表示する、両矢印式片道乗車券の二種類が存在します。 |
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■昭和3年9月1日=矢印開始。 昭和38年8月16日発行、矢印式表示、 国鉄、 大阪印刷場印刷券。 |
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矢印式片道乗車券で、
上りと下りの、乗車券を1枚の切符に、 節約型の、アイディア切符です。 |
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神戸駅では珍しく、入鋏が予備の「M」型となっています。不正使用の対策日だったのかも知れません。 ● |
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■昭和3年9月1日=矢印開始。 昭和36年9月13日発行、矢印式表示、 昭和36年12月14日発行、矢印式表示、 昭和37年6月12日発行、矢印式表示、 昭和37年10月16日発行、矢印式表示、 国鉄、 大阪印刷場印刷券。 |
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券売機券で様式的には、下段の券と同様ですが、乙片の循環符合が、平仮名で表記されています。 ● |
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■昭和3年9月1日=矢印開始。 昭和40年4月28日発行、矢印式表示、 昭和40年10月16日発行、矢印式表示、 昭和40年12月24日発行、矢印式表示、 昭和38年10月23日発行、矢印式表示、 昭和42年3月24日発行、矢印式表示、 国鉄、 大阪印刷場印刷券。 |
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両矢印式には、画像の様な初期の券では、上り方面を左側に、下り方面を右側に配列していますが、 後に、地図式と同じ様に右側を上り方面にし、左側を下り方面に配列されています。 詳細は、 故郷神戸沿線の切符-乗車続編 を、ご覧下さいませ。 ● こちらの乙片の符号は、算用数字で表現され、料金の円表示が省略されています。 神戸駅発行の金額式乗車券=茜堂 |
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着駅を、そこ迄の運賃のみで示す乗車券は、印刷が容易な上、口座数を大幅に減らせる為、 戦時の略式券として、昭和19年6月1日に、東京付近国電特定区間の軟券で、暫定的な金額式乗車券として、誕生しました。 ● |
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■昭和19年6月1日=暫定開始。 昭和36年5月22日ヨ-翌収発行、金額式表示、 昭和36年5月26日発行、金額式表示、 国鉄、 大阪印刷場印刷券。 |
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運賃の改訂時に、着駅が記された、正規の乗車券が間に合わない場合に、暫定的な措置として、 上記の様な、金額区間のみを表示した、金額式の乗車券(暫定金額式乗車券)が、発行されました。 日付後部の「ヨ」は、翌収扱いの印となり、詳細は 茜堂-謎の記号と不思議な落書き を、参照願います。 ● 印刷も含め、その合理性が高い為、昭和45年10月1日からは、正規の様式となり、広く活用されています。 金額式乗車券は、鉄道側には汎用での合理性と言うメリットが有りますが、乗客側から見れば、着駅名が記載されていない為、 旅行者や駅名に不案内な方には、非常に不便な切符となっています。 神戸駅着の発行が稀な常備代用乗車券=茜堂 |
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小田原駅から神戸駅への、からゆき表示の、非常に珍しい、常備代用の硬券乗車券です。 ● |
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■昭和24年9月6日=様式制定。 昭和41年10月16日発行、常備代用券、 国鉄、 東京印刷場印刷券。 |
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常備券の在庫が切れたり、納品遅れ等で間に合わず、常備券の発行が出来ない場合に使われます。 当乗車券は、小田原駅で発行された、小田原駅発、神戸駅行きの常備代用券で、 性質上、常備代用券は、使われる事自体が余り無く、使われても少数で、非常に稀な硬券乗車券となっています。 ● 昭和24年9月6日(同日=国有鉄道公示第105号)の改正で、 有効区間の表示を、従来の「よりゆき」表示から、現在の「からゆき」表示に変更されました。 ● |
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■昭和24年9月6日=様式制定。 昭和42年11月8日発行、からゆき表示、 国鉄、 大阪印刷場印刷券。 |
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上記は、神戸駅発行の常備券で、逆の神戸駅から小田原駅ゆきの、片道乗車券です。 上段の常備代用券と比べてみると、切符の格式も高く様式の違いが、良く分かると思います。 神戸駅発行の経路変更券=茜堂 |
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区間変更は、原乗車券類と異なる着駅、経路に変更する事で、乗越し、方向変更、経路変更の3つに区分されます。 ● |
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■昭和39年10月5日=運行開始。 昭和41年11月28日発行、経路変更券、 国鉄、 大阪印刷場印刷券。 |
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区間変更は、一般的に車補によって処理出来きますが、有る種の区間変更が頻発する状況が、発生する場合、 その区間の乗車変更専用の、常備券が作り置かれる事となります。 この券では、神戸~名古屋間の東海道本線を、経由する乗車券から、名神高速線を経由する為の、経路変更をしています。 神戸駅発着の高速バス乗車券=茜堂 |
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昭和39年10月5日から、日本初の高速バスが、名神高速道路の名古屋~神戸間で運行されます。 ● |
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■昭和39年10月5日=運行開始。 昭和40年4月12日ヨ=翌収発行、英文字表併記券、 昭和41年3月9日発行、英文字表併記券、 昭和42年8月3日発行、英文字表併記券、 国鉄、 大阪印刷場印刷券。 |
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昭和39年10月5日(昭和39年10月3日=国有鉄道公示第48号)に、名神ハイウェイバスが開業します。 名神ハイウェイバスの路線名称は、名神高速線となり、日本初の本格的な、昼行便の高速乗合バスの、路線となっています。 ● 昭和41年3月5日に、5年振りに運賃・料金改定が行われ、初乗り運賃が10円から20円に、変更されています。 上から2段目の券は、その運賃改定4日後の券で、乗車料金650円に対して、 国鉄在来線の普通運賃は、2等で830円と、バス券の方が、180円も安くなっています。 在来線を、普通料金で乗継ぐ事を考えれば、高速バスの方が、楽でリーズナブルな移動手段の様です。 ● 昭和初期から、一部の1等、2等乗車券券に対して始まった、英文字併記(駅名=マクロン付きのローマ字)の乗車券ですが、 料金表示に「¥」と「円」と、両方が並ぶ、変則的な券となっています。 ● |
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■昭和39年10月5日=運行開始。 昭和52年3月23日発行、発時指定用、 国鉄、 大阪印刷場印刷券。 昭和56年8月3日発行、神戸ポート博行き、 国鉄、 東京印刷場印刷券。 |
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下段の券は、昭和56年3月20日~9月15日に開催された、神戸ポートアイランド博覧会「ポートピア'81」会場行きの、 東京からの専用乗車券で、同日付けの指定券(ドリームポートピア'81号)は、下段の下に別途掲載しています。 |
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■昭和39年10月5日=運行開始。 昭和51年4月26日発行、ドリーム10号、 国鉄、 大阪印刷場印刷券。 昭和56年8月3日発行、ドリームポートピア81号、 国鉄、 東京印刷場印刷券。 |
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名神高速線の、
夜間運行バスの、ドリーム号の、 号車、座席の指定券です。 |
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上の券は、ドリーム10号の指定席乗車券で、深夜に神戸を発車して、翌日の早朝に東京駅へ到着します。 下の券は、深夜に東京を発車し、翌日の早朝に神戸ポート博会場へと到着します。共に夜行列車のバス版の様な物です。 ● 神戸ポートアイランド博覧会(ポートピア PORTOPIA'81)は「新しい新しい''海の文化都市''の創造」をテーマに、 昭和56年3月20日~9月15日の間、ポートアイランドで、開催された博覧会です。 |
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■昭和39年10月5日=運行開始。 昭和48年7月31日発行、ドリーム10号、 昭和51年6月29日発行、ドリーム10号、 昭和51年11月20日発行、ドリーム10号、 国鉄、 大阪印刷場印刷券。 |
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名神高速線の、
乗車券と、料金券が、 一体化された、一葉式の券。 |
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ドリーム10号の指定席乗車券と、乗車券が一枚の切符に一葉化されています。 上段の券には、種別名や線引きが有りませんが、乗車料金と指定料金が、一枚の切符に一葉化されています。 ● 名神高速線神戸系統は、昭和53年4月1日に廃止され、残念乍ら、神戸駅での発着は無くなってしまいます。 その後、昭和63年7月2日に、神戸系統が再開されましたが、三ノ宮駅での発着に、変更されています。 昭和46年10月1日には、既に三ノ宮駅前から、鉄道連絡駅として、三ノ宮駅に改駅しています。 ● 尚、平成26年10月5日~翌年2月末迄の期間限定で、高速バス開業50周年記念事業で、神戸駅発着が復活しました。 |
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当ページの切符枠画像と、他のページの切符切抜画像とでは、拡大比率が異なっています。 解説に於いて、誤記や解釈の違いにより被られた不利益につきましては、茜堂では一切関知しないと共に、 責務を負えない事をご了承願います。 ● |
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