鉄道親爺の脱線話/茜堂

唯我独尊、茜堂の鉄道親爺の脱線話=鉄道趣味考

今や我国の鉄道ファンは200万人、その市場効果は1000億円と言われ、乗物ファンの中では、最大派閥となっています。
   

鉄道趣味、それは古来より東西南北問わず、キングオブホビーと言われ、崇高で高貴な趣味の一つとして、讃えられて来た。
勿論、それらを愛する方々は、品位と風格を兼ね備えた、紳士然とした者達では有ったが、
最近は、その格付けが、些か狂って来た。残念な事に「撮り鉄」と言われる、一握りの不心得者に因ってで有る。
   

女性に理解されない趣味の一つに、ハマる画が、地味すぎる「鉄道オタク」が、トップヒットするらしい。
そのイメージは 、若い女性に因ると「デブでチビ、ガリでメガネ的で、なんか暗いイメージが有る」と言う様に、至れり尽くせりで、
鉄道好きは、オタクの代表の様に思われている為、若い女性からは、少なからずNGが、出される様です。
   

但し、電車に乗る事や、旅鉄自体が、嫌いだという女性は少ないので、
深過ぎる知識を、ひけらかす程に披露さえしなければ、一緒に、鉄道の旅を楽しんだりする事も、出来るので有ろう。
   


茜堂-D51916夕張 鉄好きな愛好家達は、極寒の北の大地へだって、
躊躇せず、出掛けます。

スキー等のスポーツでは、体が温まるが、
鉄撮では、そうは行かない。ひたすら、同じ位置で、
カマが来る迄、息を凝らして、耐え忍ばなければならない。
   

忍耐と寒さとの、熾烈な戦いが繰り広げられる。
幸いな事に、成人の場合は、随時、内燃機関を駆動出来る。
所謂、アルコールと言う奴で有る。
   

北海道では、敬意を表して、余市のニッカをチョイス。
当時の御用達は、ノースランド。
こいつは、北の大地がお似合いの、憎い奴だった。
   

飲んでる間は、何も考えなくて良いので、
私は、ノールス(脳留守)ランドと、呼んでいた。








夕張駅を発車する、上り貨物1792列車、
天を衝く爆煙と、ドレインが勇壮な、D51 916号機。
   

左右のシリンダ、二本の安全弁、一条の汽笛から、
真白い蒸汽が、厳寒の鉄路に舞い狂う。


満載のセキを連ねて、無風の夕張を、出立する迫力全開のD51。
空転を幾度か繰り返し、ゆっくりと力強く前へと進みます。カマは何度か分岐を繰り返し、一番左の線路から、構内を抜けて行きます。
最終地は何処であろうか(答えは、石炭積出港の有る室蘭駅)、そんな事を考え乍ら、凍える指でシャッターを切ります。
   

実は、今晩の旅館での、晩酌の事を考えていたりもする。温かい温泉と、熱燗に心が折れる時は、早々に切り上げて旅館にエスケープ。
全く、軟弱で情け無い。然し乍ら部屋に入ると真っ先に、撮影データノートだけは、キッチリと整理をする。
やはり、鉄の魂百迄である。我ながら見上げた物だと、少しばかり関心する。
   
旅の宿は、学生時代は当然、ユースホステル(YH)か、ステーションホテル(駅寝)に、寝台車(ハザ寝)、自然宿(野宿)等で有ったが、
社会人となった途端に、温泉旅館か、一般ホテルに鞍替えし、食事も晩酌付きと、一気にゴージャスとなった。
人間と言う物は、懐が温かくなると、贅沢を覚える物で、然も一旦、快楽を覚えると、後戻りが出来ないと言う、困った生き物である。
   


茜堂-SL撮影ギャラリー達


山陰本線、縁結びの神様で有名な某所、某(斐伊川)河川敷、某(王院)山には真っ白い雪が、寒い朝でした。
全国から馳せ参じた、SL大好きな、忍耐自慢のカメラマン達が、秩序正しく早朝の場所取りで、奮闘しています。
   

かく言う私も、鉄道趣味は多岐に渡る。但、廃止最終日の「さよなら」だけは、余程の事が無い限り、出向く事は無い。
別に悪い事では無いのだが、廃止や廃線の最後のみを狙う、いわゆる「葬式鉄」だけは、余りなじめないので有る。
一人静かに、酒を飲み乍ら、故人を忍び思い出を懐かしむタイプの、種族で有り、敬いも無い、利己的な喧噪現場は好まない。
   

そして、何より、鉄道ウンチク等はWEB以外では、ひけらかす事は無い茜堂の筆者だと、自負しているのを、唯一の誇りとしています。
だから、お酒友達には、お酒の好きな鉄道旅行を愛する奴、との認識しか持たれていない。
お酒のウンチクは、人には負けない自信が有る。勿論、お酒も多岐に渡る。酒造元や酒問屋さんより、詳しかったりもする。

自慢じゃないが自慢をすると、某国税事務所長、某県知事、某酒造組合連合会様から「利酒道名人位」を頂いている。
   
お酒では、楽しいお酒を嗜み、決して人様に迷惑を掛ける事は無い。
然るに、昨今の鉄道愛好家の中には、他人に迷惑を掛ける輩が、公然と出没をしている。
他人の土地に無断浸入をする、物を盗む、物を壊す、場所取りだと称して勝手にマーキングをし、他人を排除し恫喝をする。

人間性の欠如、共感能力の欠如、罪悪感の欠如、日常も斯様で有ろうか、
サイコパス気質も困ったものです。



制動装置が外れた様な撮り鉄達の暴走=茜堂

鉄道趣味でも、昨今、問題視されるのは、ジャンルで言う所の、鉄道撮影者の総称で有る「撮り鉄」。
何故ならば、他の鉄道趣味と違って、浅い知識だけでも参入し易く、その未熟さ故に、数々の障害が発生する場合が多々有り、
且つ、露出度が高い為、メディアに目を付けられ易いので有る。それ故に、鉄道趣味は、有らぬ誤解を受け易い。
   
いつから何だろうか、不具合鉄が出没する様になったのは、ゆとりが生まれた世代の親から、産まれて来た我侭坊やが、
碌な人間教育を受けずに、そのまま成長したんだろうか、哀れと言う他は、適当な言葉が見つからない。
   

鉄道マニアなる、言葉がメディアに出だした頃から、ゆっくりと本線から分岐され、デジカメで荒れた路線を歩む者が、一気に増えた。
マニアとは何だろうか、マニアの語源は、ギリシャ語の狂気(madness)から来ており、
自身の趣味の対象において、周囲の目さえ気にしない様な所業から「~狂(きょう)」と、訳されています。
   
鉄道マニアの「鉄道狂」から、知性と人格を磨き、鉄道ファンで有る「鉄道愛好家」へ、転向される事を願って止みません。
あの、重たい機関車でさえ、転車台に乗れば、簡単に転向出来るのです。
機械に出来て、人間に出来ない訳は無いと思います。
   


茜堂-鉄道撮影フラッシュ禁止

201系電車、側面、行先方向幕風、フラッシュ撮影禁止サイン(茜堂制作)。

最後に鉄人(てつびと)として、絶対にやっては行けない事、列車に向かってのフラッシュ撮影です。
特に、走行中の列車に向けて、ストロボやフラッシュでの撮影は厳禁で、列車の安全走行を阻害する、危険な行為で犯罪です。
因に、カメラの前に有る赤の丸斜マークは、NO(駄目)から来る「N」と「O」の合体なのです。
   

エネルギーを「電磁波」の形で、放り出す事を「発光」と言います。
その為、ストロボ機器での発光時には、多量の電磁波を発し、10m以内のセンサーや、計器に影響を与える場合が有ります。
特に、新幹線は電子機器の集合体です。例え、停車中でも「無きにしも非ず」を、考慮しなければなりません。
   

撮影時には、デジタル一眼レフカメラの場合は、フラッシュ発行禁止モードにして置きましょう。この機能が無い機種の場合では、
フルオートと呼ばれる「全自動モード」は、条件に応じてストロボが、自動的に発光しますので、全自動モードを解除し、
撮影条件に応じて「シャッタースピード優先」か、或は「絞り優先」に、設定をして置きましょう。
   
フラッシュの、自動発光機能が無い機種の場合は、この限りでは有りません。心配せず安全に使えます。
更に「手ブレ補正機能」(カメラ側、レンズ側)が有れば、必ずONにして置きましょう。筆者は使いませんが、三脚も有効な手段です。
また、露出が厳しい様でしたら、ISO感度を高感度に設定するのも、一つの手法です。
   

それでも駄目でしたら、その時は撮影を諦めましょう。諦めも一つの選択肢です。
鉄道等の大きな対象物には、通常のフラッシュでは使い物にはなりませんので、気休め程度の代物だと言う事を知るべきです。

マナーと言うよりモラルの問題です。鉄道従事者に迷惑を掛けない様に、安全に楽しく撮影を致しましょう。
友愛と協力、秩序と安全、昔の鉄道愛好家達は、鉄にも、人にも、自然にも、心優しかったと思う。
私が実践している、三つの配り「気配り(相手を気遣う)、目配り(安全確認)、名刺配り(挨拶)」鉄道親爺の独り言でした。




あくまで茜堂の親爺の独り言でございますので、概ね独りよがりです。相違の場合にはご容赦下さいませ。
当ページの掲載写真は、茜堂による原盤ネガや原盤ポジからの画像やデジタル画像の為、無断複写や画像への直リンクは禁じております。
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