マスクはせず、上下黒いスウェット姿で改札から出てきた男。
男は、埼玉県警の捜査員らに促される形でやってきた。
埼玉・秩父市の会社役員・新井寿昭容疑者(37)。
同様の光景は、東京都内でも...。
会社役員の津田祐太朗容疑者(35)、さらに、大田区の派遣会社員・坂巻みわ容疑者(55)、岡本大助容疑者(40)、渡辺亜矢子容疑者(40)の男女あわせて5人が逮捕された。
その容疑は「出資法違反」。
新井容疑者らは、農協を通さずにコメを売る事業への投資話を持ちかけ、“元本保証”や“配当”をうたい、複数の出資者から5,000万円を無許可で集めた疑いが持たれている。
事件の主犯格とみられる新井容疑者。
付近の住民は、その姿をたびたび目にしていた。
新井容疑者の近隣住民「人目を避けるように(携帯電話で)話しているので、向こうの家に行ったりとか裏の方に行ったりとか」
新井容疑者は出資者を募るため、勧誘役として津田容疑者と男女2人、そして、集めた金を管理していた坂巻容疑者を取りまとめていたとみられる。
自分たちを信用させるため、新井容疑者らは「ツアー」と称し、秩父市の観光やバーベキューを開催し、出資者に投資を持ちかけていた。
新井容疑者らは、出資者のために、観光ツアーやバーベキューを開催。
さらに実際のコメを見せるなどして安心させたうえで、「農協を介さず、コメを仕入れて消費者に提供する事業に投資すれば、仲介料を配当金として支払うことができる」などと、もうけ話を持ちかけ、出資を募っていた。
捜査関係者によると、出資者はおよそ50人。
新井容疑者がこれまでに集めた金額は、なんと8億8,000万円にものぼるという。
しかし、うたい文句だった“配当”は当初のみ。
その後は、出資者との間でトラブルが相次いでいたという。
警察は、逮捕された男女5人の認否について明らかにしていない。