2020-06-06

ハード技術者からみた米中日

米中の技術競争日本はおいていかれているように、いち技術からは見える。

どうして今のような状況になったのか、考えてみたい。

原因は1つではなく、複合的だろう。



設計ソフトが持てなかった日本

日本半導体を開発しようとすると設計ソフト(Cadence, Synopsysなど)が必要だが、国産はもうないに等しい。

Webで働いている人からするとオープンソースで開発すれば、と思われるかもしれないが、あるにはあるが、実際の製造には使えない。

機能全然足りていないのもそうだが、全部の設計工程用のソフトはない。


設計ソフトライセンス料金が億単位でかかる。

製造原価やウェーハ代や人件費がかかるでしょと言われるが、ライセンス金も開発費の中でかなりの割合を占めている。

Web業界だとOracleの値上げに苦しんでいたと思うが、あれと同じような状況だ。


中国はどうかというと、日本と同様に設計ソフトは作れていない。

というよりGithubそもそもないのでフォークするなど簡単には作れない。



設計ソフト書籍販売

Webプログラミング関係だと書店にいけばあるが、半導体設計用のソフトに関しての和書はない。

洋書はあるが日本からすると数万もすると買えないだろう。

中国はどうかというと、毎月数冊くらいで出版されている。

最近プログラミング関係和書だと入門編で終わるのが多いが、中国では実際の設計の一連作業まで使い方を解説した書籍存在する。

また海賊版が出回っているので自習もできる。


勉強しようにも勉強できない日本と、勉強しようとすればなんとかなる中国の差ではないだろうか。

簡単CPUが作れるだけの書籍がある日本と、x86クローンを作りかけの中国書との違いといえばいいだろうか。



計測機器が作れなかった

国内であるレベルまでの計測機器しか作れなかった。

最初からアメリカ製品を買ってきて作ることが当たり前になっていたので、国内計測機器メーカーお金が流れが作れなかった。

書籍なども使い方までしかなく、計測機器を分解して中に入っている設計ノウハウについての解説はない。

アメリカではちゃん解説している人はいるし、中国でもある。




周りに物がない日本

アメリカだと設備投資している。土地があるからというのもあるのだろうが設備が充実している。

また型落ちの設備流通していることもあって、個人で所有している人もいる。


日本場合会社にも設備はない。

削れるところから削っていった結果なのだろうが。


中国はというと、深センでわかるように、分解した部品が売られていたりする。

組み合わせて新しいものを作る環境が充実している。



権限がない

個々人ではなんとか改善したいと思っていても権限がない。

取りあえず作ってみないと承認されないが、その取りあえず作ってみる環境もなくなったというのが、今の日本ではないだろうか

  • これ思い出した(というかこれ書いた人だったり?) http://chintaro3.hatenadiary.com/entry/20090414/1239774027

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