今後の授業予定の記事などでお知らせしていたように、

この連休中に、六法の使い方や条文の読み方についての

レクチャーを行います。

 

シラバスにも書いてあったように、本来は、授業の中で

これをする予定でしたが、今学期は通常よりも授業回数が

少なくなってしまいましたので、この連休を利用して、

各自でマスターしてもらおうと思います。

(3回くらいに分けてレクチャーします)

 

このレクチャーで注意していただきたいのは、

必ず手元に各自の「ポケット六法」を用意して、実際に使いながら

説明を読んで理解するように努めて下さい。

 

ここで説明する六法の使い方や条文の読み方自体は、それほど

難しいものではありません。

しかし、これらは今後、この授業で憲法や法令を参照するうえで、

絶対にマスターしておかなければならない(簡単に言えば、

自分自身で探して、正しく表記できなければならない)もの

です。

 

たとえば、先生(私)が授業中に、「〇〇法の条の項を参照

して下さい」と言っても、それが自分の六法のどこにあるのか

探せなければ参照することができませんよね?

さらに、テストなどで「(この)条文を示しなさい」とあったら、

自分で探したうえで、その条文が正しく表記できなければ、

得点はもらえません。

ですから、自分の六法を実際に使って自分で探して、正しく

表記できなければならないのです。

面倒がらずにちゃんとやって下さいね!

(ちなみに、通常の教室での授業で、六法を参照していない

学生がいた場合、「おい!そこの君!ちゃんと六法を見なさい!

やらないんだったら、この授業を受けなくていいぞ!!」

となります(笑)マジですよ!私の授業を受けたことのある人に

訊いてみて下さい)

 

前置きが長くなってしまったので、今回は「法令の探し方」について

説明します。

 

[法令の探し方]

(1)インデックスの意味

六法で参照したい法令を探せるようになるには、まず、六法の

構造(構成)を知っておく必要があります。

 

六法は法令集ですから、もちろん辞書とは違うのですが、

内容以外で六法が辞書と決定的に違う点があります。

それは、50音順やABC順で収録されていないということです。

では、どういう基準で法令が収録されているのかというと、それは

ジャンルごとにまとめて収録されているということです。

 

そこで、六法の小口(背表紙の反対側、六法のお腹の部分)を

見て下さい。

そこに、辞書のように、グレー(灰色)のインデックスが付けられて

います(正確には「爪掛け」らしいですが、ここではインデックスと

呼びます)。

そのインデックスを六法の最初から順に見ていってください。

どの法令の収録箇所に付けられているでしょうか?

順に、

①「憲法(日本国憲法)」→「行手(行政手続法)」→②「民法」

→③「商法」「会社(会社法)」→④「民訴(民事訴訟法)」→

⑤「刑法」→⑥「刑訴(刑事訴訟法)」→「労働(労働関係の法令)」

→「特許(特許法)」→「条約(国際関係の法)」→「事項索引」

の箇所にインデックスが付けられています。

つまり、重要な法令の箇所にその法令が探しやすいように

インデックスが付けられているわけです。

その中でも特に、上で番号を付けた6つの法令(「商法」と

「会社法」はもちろん別の法令ですが、関連が深いのでここでは

1つとして見てもらって)は、現在の日本の国内で特に重要な

法令で、この重要な6つの法令を中心に編纂されているので

この法令集のことを「六法」と呼んでいるわけです。

 

ですから、みなさんは、まず、インデックスの付けられている

この重要な6つ(商法と会社法を別にすれば7つ)の法令に

ついてインデックスを手掛かりに探せるようにして下さい。

 

(2)六法の構造(構成)

このように六法は、まず、それぞれのジャンルの基本となる

法令(上で説明した6つの法令)の収録箇所にインデックスが

付けられていて、その後にその基本となる法令に関係のある

法令が収録されています。

(例:◎はインデックスが付いている、〇は付いていない)

◎「日本国憲法」 ・・・憲法のジャンルの基本となる法令

   ↓

〇日本国憲法に関連する法令(◎の行政手続法もこれに含まれる)

   ↓  

◎「民法」 ・・・民法のジャンルの基本となる法令

   ↓

〇民法に関連する法令

   ↓

◎「商法」「会社法」 ・・・商法・会社法のジャンルの基本となる法令

   ↓

〇商法・会社法に関連する法令

   ↓

(以下同様)

 

ですから、インデックスが付いていない法令であっても、それが

どのジャンルの法令なのかが分かれば、そのジャンルの箇所を

探して見つけるということもできます。

(例:「国会法」=憲法に関連がある 日本国憲法と民法の間に

収録されているのでそこを探してみる)

 
(3)法令名索引を使って探す
このように、インデックスが付けられている重要な法令やそれらに
関連のある法令だということが分かっていれば、六法の構造から
探すこともできます。
しかし、自分が参照したい法令が「ポケット六法」に収録されて
いるかどうか分からない、収録されているとしてもどのジャンルに
属するのかも分からないという場合もあります。
そういう場合には、表紙裏(六法の表紙をめくったところ)にある
法令名索引」を使って探しましょう!
法令名索引とは、ポケット六法に収録されている法令を「索引」、
つまり50音順で整理されているものです。
*六法の後ろの方にある「(総合)事項索引」とは違います
例えば、「法の適用に関する通則法」という法令があります。
けれど、この法令にはインデックスは付けられていませんし、
どのジャンルに属するのかもよく分からないと思います。
そこで、法令名索引で「ほ」の箇所を見ると、収録されている
ことが分かり、収録箇所のページが書かれていますから、
該当ページを探せば見つかるというわけです。
(実際に各自の六法で探してみて下さいね!)
 
(4)今回のまとめ
このように、六法で参照したい法令を探す方法としては、
①インデックスを使う方法
②法令名索引を使う方法
の2種類がありますから、それぞれについてマスター
しておいて下さい。