コロナ対策を決める連絡会議 発言の記録残さず

2020年6月6日 07時06分
 菅義偉(すがよしひで)官房長官は五日の記者会見で、政府の新型コロナウイルス感染症対策を実質的に決めているとされる連絡会議について、出席者の発言の詳細な記録を残していないことを明らかにした。新型コロナ対策は公文書管理を徹底する「歴史的緊急事態」に指定されているが、詳しい記録の不備により政策決定過程を正確に検証できなくなる可能性がある。
 菅氏は連絡会議について「構成員、その時々の活動の進捗(しんちょく)状況や確認事項を記載した文書、配布資料の記録を担当部局で適切に作成している」と説明。発言の詳細な記録がなくても十分か問われ「そのように思っている」と答えた。
 連絡会議は感染拡大を受け、安倍晋三首相や菅氏、関係閣僚、省庁幹部らが出席して官邸で連日開催し、感染症対策の「作戦会議」(官邸幹部)と位置付けられる。行政文書管理のガイドラインでは議事録作成は義務付けられていない。
 連絡会議を巡り、菅氏は三月の国会答弁で議事概要を公表する方針を示したが、今月二日には個人情報が含まれることなどを理由に、一般公表しない考えを表明し発言を後退させた。
 政府が緊急事態宣言の可否などを専門家に諮る「基本的対処方針等諮問委員会」の議事に関しては「ガイドラインに沿って議事の記録を作成している。作成次第公表する」と述べた。 (妹尾聡太)

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