栃木県栃木市で、新型コロナウイルスに感染し、その後、陰性と確認された小学校の給食調理員を市の教育委員会が調理業務から外す配置換えを検討していることがわかりました。専門家は差別につながる対応だと疑問を投げかけています。

　栃木市では今年４月、市内の小学校の給食調理場で働く調理員３人が新型コロナウイルスに感染しましたが、現在はいずれも「陰性」と確認され、自宅待機を続けています。

　３人について市の教育委員会が「今後、給食の調理業務には携わらないことになった」と保護者などに通知し、調理員以外の業務への配置換えを検討していることがわかりました。市教委は「保護者などから不安の声が２件寄せられ、再び陽性になる人もいるとの報道もあることから、安全面を優先した」としていますが、専門家は差別につながる対応だと疑問を投げかけます。

　「もうあなたは調理についちゃだめですよということを言うと差別ですよね、本当に。今の医学的な見解ではウイルスは１０日間ぐらいしか出てこないんですよ、口からはね。そうするとＰＣＲが陽性だったとしても感染力は非常に弱い感染力のはずだから」（政府の専門家会議メンバー 岡部信彦 委員）

　３人のなかには、今後も調理業務を続けることを希望する調理員もいて、市の教育委員会は本人の意向を踏まえながら異動先を検討しているということです。