ScrapBookとは、ニュース記事やウェブページなどを切り取ってローカル環境に保存する、いわば
スクラップ・ブッキングを可能にする拡張機能の一種である。さらにスクラップした記事類を階層型のインターフェースに分類しなおすことができ、サイドバーから保存した記事をブラウザ上にいつでも呼び出せるなど非常に便利なアドオンであった。
本稿で紹介する
ScrapBeeとは、このScrapBookの後継として開発されているアドオンのひとつであるが、非常に優れたアドオンであったScrapBookに較べると、複数ページの一括保存ができない点、インポート・エクスポートの機能がない点、取得されたページから同一ドメインへのリンクが機能していない点など動作の各所にまだ問題点が多い。
しかしながら、今年
(2019月)6月には2度のアップデートでローカルのHTMLファイルが読み込めるようになり、検索機能が使用可能になるなど、その使い勝手も少しづつ向上している。
ただしScrapBeeは、外国人の方によって開発されているアドオンであるから、インストール時のマニュアルなどはすべて英語であり、日本語を母国語にするものにはやや分かりづらい部分がある。そこで本稿では、このScrapBeeをブラウザに導入する方法について紹介しようと思う。
目次
▲PAGE TOP ・アドオンのインストール ・バックグラウンド・プログラムの導入 ・RDFファイルの指定 ・使い方 ・最後にアドオンのインストール
▲INDEXまず、
ScrapeBeeの公開ページに移動してアドオンを入手する。
このとき、ブラウザはFirefoxでなければならず、またバージョンは60.0以降のものである必要がある。
Firefoxのバージョンが60.0以前のものである場合は、以下のような表示が出てインストールできないので、

ブラウザ上部のタブバーをクリックしてポップアップからメニューバーを表示し、

そのメニューバーから
ヘルプ-Firefoxについてを選択する。

すると下画像のようなポップアップが出るので、ここで「再起動してFirefoxを更新」のボタンを押す。

これでFirefoxを最新版に更新することができるが、Windows環境では「ユーザーアカウント制御」のダイアログが出てFirefox Software Updaterによるデバイスの変更が求められることがあるため、この場合は「はい」を押して更新を承認して欲しい。

更新が終わると表示が以下のように変わってインストールが可能になるので、「Firefoxへ追加」をクリック。

表示されたダイアログで追加を選び、右下画像のような表示が出ればアドオン本体のインストールは完了する。

この時点でサイドバーには自動的にScrapBeeが表示されているはずである。もし表示されていない場合や、一度表示されたものを消してしまった場合には、アドレスバーに表示されている

のアイコンをクリックすればサイドバーにScrapBeeを呼び出すことができる。
バックグラウンド・プログラムの導入
▲INDEXScrapBookと異なり、ScrapBeeの場合には、まずFirefoxのダウンロードフォルダにバックグラウンドで動作するプログラムをインストールしなければ使用できない。
まず、サイドバー上部の

のアイコン
(下画像青枠①内)をクリックしてコンフィグ画面を呼び出し、下画像赤枠②内のInstallと書かれた部分をクリックしてインストール画面を呼び出す。

その後、表示された画面のStep-1に表示されているDownloadボタンを押せば、Firefoxのダウンロードフォルダ内にscrapbeeというフォルダが作成されたうえで、そこにバックグラウンド処理を行うプログラムがダウンロードされる。

ダウンロード完了後は、そのディレクトリを開く。Firefoxのダウンロードフォルダがどこにあるか分からなくなってしまった場合にも、下の画像のようにプログラムがダウンロードされた場所が表示されているはずなので、特に迷うことはないだろう。

そうしたら開いたフォルダ内にあるinstall.batというバッチファイルをダブルクリックして実行する。ちなみに、Linux環境の場合にはinstall.shというシェルファイルが同様のディレクトリに置かれているはずなので、これをターミナルから実行すればよい。

多くの場合、「WindowsによってPCが保護されました」というお馴染みのメッセージが出るので、詳細情報と書かれた場所をクリックして、実行ボタンを出現させてからこれを選ぶ。

Windowsのバージョンによっては詳細情報を表示しても実行できない場合があるそうなので、その場合の対処については
解除法を解説してくれているサイトの記事を参照して欲しい。

処理内容を見るに、この.batファイルはレジストリに実行ファイルのディレクトリを書き込んでいるようだ。
いずれにせよ、処理が終わるとPress any key to continueというメッセージが表示されるので、適当なキーを押してバッチファイルを閉じる。これでバックグラウンドの実行ファイルのインストールは終了する。
RDFファイルの指定
▲INDEXScrapBeeの場合、ScrapBookのRDFファイルのディレクトリを指定することで、データそのものを移動させなくてもScrapBookでスクラップされた記事類のデーターを参照することができる。
 | これには、ScrapBookのRDFファイルが置かれていた場所を探す必要があるが、WaterFoxなどの互換ブラウザを使用して旧ScrapBookを使用している場合には、これを比較的簡単に探すことができる。
すなわち、スクラップした記事のうち適当なファイルを右クリックしてから、Tools - Show Filesを選択してそのファイルが保存されているフォルダを開く。 |
RDFが置かれているフォルダはそのフォルダーの上位にあるScrapBookフォルダであるから、アドレスバーの上向き矢印
(下画像の赤枠③内)を2度クリックして指定の場所まで移動すればよい。

このような方法が取れない場合、ScrapBookのフォルダを手動で探す必要がある。デフォルトではこのファイルはFireFoxのプロファイルフォルダ以下にある同名のフォルダに置かれているはずである。このプロファイルフォルダの探し方は、
Firefoxのヘルプを参照していただきたい。
いずれかの方法で無事ScrapBook.rdfが見つかったら、

このファイルを右クリックして「プロパティ」を選び、

場所と書かれている部分を選択して、ScrapBook.rdfのディレクトリをコピーする。

そうしたら、ScrapBeeをインストールしたブラウザに戻って、もう一度サイドバー上部の

のアイコンをクリックしてコンフィグ画面を呼び出し、RDF Filesと書かれた項目の「プラス」ボタンを押す。

すると下画像のような入力欄が表示される。

このうちNameの欄は適宜の名前を入力すればよいが、Fileの欄にはscrapbook.rdfファイルの
フルパスを入力する必要がある。そこで、先程取得したディレクトリ情報に続けて「/scrapbook.rdf」と入力し、最後に設定画面の最下部にあるSaveボタンを押して設定を保存する。
設定が上手く行っていれば、一度Firefoxを閉じて再起動した後、アドレスバーに表示されている

のアイコンをクリックしてScrapBeeを呼び出せば、多少の読み込み時間を要するものの、そこに従前のScrapBookのファイルリストが表示されているはずである。
使い方
▲INDEXScrapBeeの使用方法は、従前のScrapBookとあまり変わっていない。取得したいページ上で、右クリックしてダイアログを表示し、そこから下の画像のように、
ScrapBee-Capture Pageと選択すれば、各ファイルの取得が成功したかどうかを示すリストが表示され、そのページを保存することができる。

また
ScrapBee-Capture Selectionと指定すれば選択部分だけを保存することも一応可能
(※)である。
※ただしScrapBookと同様、選択範囲を意図したように保存できない場合も多い。もちろん、保存したページを閲覧したいときは、追加された記事
(下画像赤枠④)を単にクリックすればよい。

最後に
▲INDEX本稿ではFirefoxアドオンの一つであるScrapBeeの導入方法について紹介した。
10年近く前からScrapBookを愛用し、多くのページを保存してきている筆者にとって、この種の後継アドオンの存在は非常にありがたいものである。当該アドオンの使い勝手は、まだ以前のScrapBookと比べると難点が目立つが、アップデートが進んでいくうちにこうした問題点も解決されていくかも知れない。
いずれにせよ、ScrapBeeを使ってみたいけれどもインストール方法が分かりづらいという方々にとって、本稿の記事が導入の参考になれば幸いである。
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