中小企業庁は5月21日、2020年度補正予算「経営資源引継ぎ補助金」の事務局に、デロイト トーマツ ファイナンシャルアドバイザリーを決定した。事務局の公募には計4件の応募があり、外部有識者でつくる審査委員会で審査した。
経営資源引継ぎ補助金は、政府が新型コロナウイルスの緊急経済対策としてまとめた中小企業の事業承継支援策のひとつとして新設が決まった。
第三者承継時に必要となる専門家への仲介手数料やデューデリジェンス(DD、企業の資産価値評価)費用、企業概要書作成費用などが交付対象で、既存事業を譲渡する際の廃業費用も肩代わりする。
事務局は実施機関として補助金の周知や交付先の公募業務を進めるほか、制度に関する問い合わせ、意見などにも対応。交付先の採択を審査する審査委員を選定・委嘱し、審査会を開催する。
交付先が決まった後も、採択事業の進捗状況管理などを継続。事業承継の普及啓発に向けた好事例の取りまとめや分析・発信なども手掛ける。
経営資源引継ぎ補助金の予算規模は上限36億円で、約900件の交付枠を予定している。事業者の補助限度額は売り手が650万円(廃業費用を活用しない場合は200万円)、買い手が200万円。補助率はいずれも3分の2。
申請受付期間などは中小企業庁が事務局と協議した上で決定するが、原則として2021年3月末まで応募を受け付ける方針。
今補正予算の事業承継支援策は「経営資源引継ぎ・事業再編支援事業」として束ねられた。経営資源引継ぎ補助金以外には、官民が出資する中小企業経営力強化支援ファンドの創設と、47都道府県にある事業引継ぎ支援センターの体制強化が含まれている。
文:M&A Online編集部