4月の景気動向指数、一致・先行とも過去最大の下落幅

経済・金融
2020/6/5 14:56

内閣府が5日発表した4月の景気動向指数(CI、2015年=100)速報値は、景気の現状を示す一致指数が前月比7.3ポイント低下の81.5と3カ月連続で低下した。新型コロナウイルス感染症の拡大に伴う緊急事態宣言や外出自粛、企業活動の停滞などが響き、一致指数の下落幅は統計を開始した1985年1月以降で最大となった。指数の水準は09年10月(80.1)以来、10年6カ月ぶりの低さだった。

一致指数を構成する9系列中、速報段階で算出対象となる7系列のすべてが指数を押し下げた。国内外の需要低迷や工場の稼働停止など生産調整がされたこともあり、「耐久消費財出荷指数」や「鉱工業用生産財出荷指数」、「生産指数(鉱工業)」などがマイナスに影響した。

一致指数の動きから機械的に求める景気動向指数の基調判断は、9カ月連続で「悪化」となった。基調判断が9カ月連続で「悪化」となるのは、08年6月からの11カ月連続以来の長さだ。

数カ月後の景気を示す先行指数は前月比8.9ポイント低下の76.2と、09年3月(74.2)以来、11年1カ月ぶりの低水準となった。先行指数の下げ幅も過去最大を更新した。「消費者態度指数」や「新規求人数(除学卒)」、「鉱工業用生産財在庫率指数」などが指数を押し下げ、先行きに対する見方は依然として厳しいことがうかがえる。景気の現状に数カ月遅れて動く遅行指数は前月比2.7ポイント低下の98.1だった。

CIは指数を構成する経済指標の動きを統合して算出する。月ごとの景気動向の大きさやテンポを表し、景気の現状を暫定的に示す。

〔日経QUICKニュース(NQN)〕

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