電源不足参考書
ここは、電源のページです。
①電源不足の症状と対策
A:デバイス増設による電源不足
B:主な電源不足の症状
C:電圧モニターで見る
②電源不足の要因を考える
A:電源の性質から見た不調要因
B:パーティションを切りWin98ディスクをコピーすると便利
③電源を選ぶ
A:買う時の注意
B:(有名メーカー製の)スペックの判断
④ちょっと濃い目:電力消費量を考える
A:主なパーツの電力消費量一覧
B:電源(電圧)不安定になるパターン
①電源不足の対策と症状:A:デバイス増設による電源不足
色々な、デバイスを増設していくと、必ず出るのが電源不足ですが、大体の人は、そんな事は思いも寄らないので、買ってきたデバイスが悪い、とか思い込んでしまったりしますが、最近のパソコン事情では、結構電源不足の恐れがあるので、注意しましょう。ま、どの辺が怪しいかかんがえてみましょう。まず、表にしてみましょう。
デバイス名 | 作業 | 危険度 | 変動 | デバイス名 | 作業 | 危険度 | 変動 |
CPU(PⅢ系) | 交換 | 中 | 中 | USBデバイス | 増設 | 中 | 中 |
CPU(Athlon系) | 交換 | 超大 | 大 | USBストレージ | 増設 | 大 | 大 |
メモリ(128MB位) | 増設 | 小 | 小 | 高速ファン | 増設 | 中 | 小 |
メモリ(512MB位) | 増設 | 大 | 小 | 低速ファン | 増設 | 小 | 小 |
CDROM(高速) | 増設 | 中 | 大 | サウンドカード | 増設 | 小 | 小 |
CDROM(低速) | 増設 | 小 | 中 | LANカード | 増設 | 小 | 中 |
モデム | 増設 | 小 | 中 | ||||
HDD(7200rpm) | 増設 | 大 | 中 | ビデオキャプチャ | 増設 | 中 | 大 |
HDD(5400rpm) | 増設 | 中 | 小 | SCSI、RAIDカード | 増設 | 中 | 中 |
ビデオカード(高性能) | 交換 | 大 | 大 | プリンター | 増設 | 無し | 小 |
ビデオカード(普及品) | 交換 | 小 | 中 | ルーター、ハブ | 増設 | 無し | 無し |
で、ヤバイ順としては、CPU→HDD→ビデオカード→メモリという感じですが、USBもものによっては、結構食います。細かくは、最後のところで書いてあるので、見てください。
まあ、増設して動作が怪しい場合は、とりあえず、いろいろな別のデバイスを外してみましょう。それで動作が安定してくれば、増設による電源不足の線は濃厚です。
次のところで、電源不足か否か見極めてみましょう。
①電源不足の症状と対策:B:主な電源不足の症状
ま、電源不足の症状を書いてみたいと思いますが、一例ですので、これに該当する場合は、M/Bの電圧モニターなどのソフトを導入しそうなのかどうか見極めましょう。
先ず、重症な順に、症状としては、Winが動作に至ったとして、重症なケースは、リセットがかかり、Win中にいきなりBIOS画面を拝む派目に、というのは、かなり電力不足な症状。電源交換必須。対策は、デバイスを外す。
次は、負荷がかかったときに、分けがわからないエラーが突然出るというもの。これも、電力不足の症状。場合によっては、フリーズするというものは、上記ほどじゃないにしろ、結構電力不足。電源交換推奨。これも、対策は、要らないデバイスを外す。
で、毛色が違うのが起動時。元々、電源は、起動時に問題が出やすく、起動してしまえば、問題が出ないという場合もあるが、余り良い電源では無い可能性絶大。起動でコケ易い場合、起動しても、電源不足は直ぐそこなので、電源交換を考える余地は有る。対策としては、これは、温度が関係ないなら、起動時のウェイトを増やすという手がある。BIOS、Win上ともに増やしてやるとどうにか動く場合も多い。但し起動は遅くなる。
で、世の中には、「寒さに弱い電源」というものが存在する。というか、大部分の電源は、そうなのだが、その症状が出るか出ないか、ちゃんと対策されているか、という点で、多少問題は変わってくる。寒い時にも、カバーできるくらいの性能、もしくは対策されているなら、問題なしだが、そうでも無さそうな場合は、パソコンをあっためるとか、BIOSのセッティング画面にして、温まるまで待つという手があり、それで動けばよいが、起動が長くなる&やはり、電源が怪しいので、交換推奨。
あ、もし、Creativeのサウンドカードが有るなら、電源不足、電圧不足になると、「MIDIの何かが読み込めません」という表示が起動時に出ます。これは、電圧が低いと出ます。これも1つの判断材料になります。
まあ、軽く書きましたが、そういった症状の場合は、自分の電源が、どんな物か良く見てみましょう。
①電源不足の症状と対策:C:電圧モニターで見る。
まず、自分のM/Bにあった電圧モニターソフトを導入しましょう。VIAのものなら、VIA純正があるはずです。そこそこ精度は良いようなので、純正で大丈夫と思います。とにかく、5Vが見れるもの、出来れば12Vも見れれば尚良しです。
で、その電圧モニターの更新時間を極力短く(2秒以下)し、重そうな、でかそうなソフトを立ち上げてみましょう。
その時に、電圧が変動する筈ですが、0.03V程度なら問題は無いでしょうが、それ以上の落差がある場合は、電源がかなり貧弱です。また、1つのソフトではなく、複数のソフトを一気に立ち上げたりすると、もっと変動率が変わる場合もあります。非常に良い電源なら、変動しないと思いますが、結構微妙な環境だと、変動するので、これが目安になります。
あと、デフォルトの5Vが、低い場合も問題が出やすいです。最低でも、4.9Vはキープできていれば、問題は出ないでしょうが、4.8V台になると、厳しくなってきます。前述のCreativeサウンドカードのエラーは、4.8V台でうちの場合は頻発します。
まあ、デフォルトの5Vの電圧値と、変動をモニターしておいて、次行ってみよう。
②電源不足の要因を考える:A:電源の性質から見た不調要因
電源は、殆どアナログ回路なので、ものによって、大分構造が変わってきます。と言う事は、不調要因も変わってきます。
まず、デフォルトの電圧が低い電源の場合、これは、結構お手上げに近い。内部に電圧調整ネジがついていれば別だが、それが無い場合、デバイスを増やすと、確実にデフォルト電圧が下がっていく。CODEGENという300W電源の場合、うちの構成で、CPUクロックを変えると、5Vデフォルトが、4.91V~4.83Vまで落ちる。そうなると、エラーが頻発する。
例えば、デバイスによって、4.9V位までならちゃんと動くが、それ以下ではだめというものも中にはあるので、デフォルトが下がり、負荷をかけたときにそれ以下になると、エラーが頻発するのである。そして、デバイス外さない事には、その電圧は上がりようが無いので、対処のしようが無い。
その次に、根性試し、というか、どれ位の負荷まで、そこそこの5V電圧を供給できるかという問題もある。これも、電源によりまちまちで、安物電源ほど、根性が無い場合が多い。起動時などは、殆ど全開で電力を消費する訳で、その時間は、約30秒とすると、例えば、10秒程度の高負荷には堪えられるが、それ以上には堪えない、という電源もあったりして、起動でよくこける、と言う事になるのである。その場合、例えば、Mp3や、Mpegのエンコードを長時間続けると、堪えられないということにもなる。そういった症状が出る場合は、その電源に根性が無い、もしくは、アイドル時で殆ど容量の上限を使っている、と言う事になる。この場合は、負荷を長時間かけないようにする事で、使用可能だが、電源交換するに越したことは無い。
冷間時の始動の不調の問題は、それらとはまた別で、温まってしまえば良いのであれば、使用は可能である。というか、ものによっては、一流メーカー製のものでも、そういった問題が出るときがあるので、必ずしも、粗悪電源だから、冷間時に弱いということも一概には言えないのである。この場合の対処は難しいのだが、BIOS画面長々拝むのが、一番効果的かもしれない。
まあ、大体問題点はわかっていただけたでしょうか?
②電源不足の要因を考える:B:消費するデバイス側の問題
Athlonが電気を大食いするというのは有名な話だが、Pen4などは、それ以上だったりする。高性能になれば電気を大食い、という図式もあるのだが、しかし、実は、Pen2-300位もかなり大食いだった。これには、プロセスルールの微細化という要因がある。
最近のデバイスの多くは、高性能化に伴い、プロセスルールが微細化している。CPUでは、0.13μm、ビデオカードでさえ、0.15μmである。微細化すれば、高クロック化が可能になり、性能は向上するのだが、駆動電圧が低くなる。もちろん消費電力が下がるというメリットはある。
ところが、今時のATX電源は、ロジック回路に必要な電力は、主に5V、3.3Vのみである。それをそのデバイスの要求する電圧に変えて消費しているのだが、その条件が厳しくなるのである。例えば、0.13μmのFCPGA2のPenⅢ系は、1.5Vといったような電圧で動く。それだけならよいが、実は、誤差も小さくする必要があるのである。
つまり、0.35μmのPen2は、規定2.8Vでも、大体、2.2V~3.3Vの程度の範囲で、どうにか動作できるのだが、0.13μmのPenⅢでは、規定1.5Vで、1.4V~1.6V位でないと動作しないといった具合である。
であるので、昔、同じ消費電力のパソコンで動いていた電源が、今時のパソコンの同じ消費電力の物でも、不安定動作になるといった問題もあるかもしれない。つまり、今時のデバイスが、電圧変動に弱いという面もあるのである。
その点を考慮すると、最新デバイスを使うためには、最新の電源を、という事も言えなくも無いが、実は、昔の電源の方がつくりが良かった面もあり、一概にそうとは言えない。ま、安物電源は避けましょう。
③電源を選ぶ:A:買う時の注意
電源は、アナログ回路ですので、ビデオカードのように載っているチップなどで、その性能を判断する事は出来ません。しかも、中身が見れないので、確実に下調べしておかないと、買うのは、博打に近くなります。なので、下調べは慎重に。
出力表示がありますが、それも信用できない面があります。有名メーカー製のものなら、定格性能で書いてありますが、怪しいところの物は、ピーク性能で書いてあったり、または、全くインチキな書き方をしているときもあります。
さらに、電圧調整ネジがついているかという問題もありますが、店頭では、全く確認できないので、Web上で下調べするか、店員に確認するかしないと、5V低くてどうしようもない電源をつかむ恐れありです。しかも、殆どの場合は、店員さんに聞いても無駄だと思います。
安価で、確実な所は、DELTA、Seventeamあたりでしょうか。ENERMAXは、安物は安い(調整ネジがついてない)時があります。殆どの無名メーカー製は、調整ネジどころか、まともな性能期待すべくもありません。高価で良いなら、ENERMAX、ETASIS、Minebea、Windyの500W等が候補に上がりますが、2万近くは覚悟すべきです。
ま、経験者談としては、駄目っぽいのは、Macron系、Codegen,じゃんぱらで売ってるRLシリーズというところでしょうか?調整ネジ無しです。ちなみに、俺の持ってる300Wは、Codegen製で、MacronOEMですが、5V低くて却下。大昔の235W電源の方がマシです。RL401(400Wだそうな)というのも買いましたが、中身を見てがっかり。Codegen製のそれと、殆ど同じで、これまた235Wの勝ちです。
ちなみに、Minebea、200W電源がありますが、非常に良い。しかし、大昔の物(1996位)で、5VSBが出力小さいので、最新のM/Bには使えませんが、ちょっと前のなら、すごく安定動作してくれます。
ワケワカなメーカー製は、MacronOEMみたいな感じなんで、やめといた方が良いかと。
③電源を選ぶ:B:(有名メーカー製の)スペックの判断
まず、電源に表示されているスペック(出力表示)は、有名メーカーのものが信頼できるという前提で始めます。
結構な率で、5V&3.3Vの合計出力が何ワットという表記がされていますが、これは、その2つの出力で最大何ワット出るかという事です。つまり、5V系と3.3V系が一緒の出力になっているということです。このケースだと、調整ネジがついていても、5Vと、3.3Vが全く独立可変できない場合があります。ま、大抵の物はこういう構造の様な気がします。しかし、そのコンビネーション値がその電源の性能を大きく左右するので、同じ価格の場合は、これが大きい方を買いましょう。
次に、12Vの出力が大きい場合、これは、Pen4なら役に立ちますが、PenⅢ、Athlonでは、殆ど役に立たない割りに、出力表示が大きくなるので、300Wなどという表示の割りに5V出力が小さかったりします。Pen4じゃないという場合には、あまり12Vの出力が大きくない物がお勧めです。というのは、5V系同じでも、12V5A出力のものが300Wで、12V15Aの物が400Wと書かれていても、何も全く嘘ではありません。
最近のM/Bは、ACPI搭載などで、5VSBを結構消費するので、それも注意しましょう。取り敢えずは、1.5A程度あれば安心でしょうか。昔の中古を探す場合などには、0.5Aとかしかない物も多いので注意しましょう。
最後に、金額はケチらないようにしましょう。安物買いの何とかに電源は非常になり易いので、良く物を見極めた上で買いましょう。こればっかりは、中国製は頂けないかなあ?
④電力消費量を考える:主なパーツの電力消費量一覧
最初に断っておきますが、この表の電力表示は、単純に電流*電圧で算出した物、また、メーカーのサイトの数値を引用した物と、まちまちですので、正確さに欠けるかも知れませんが、目安にはなると思いますので、そのつもりで見てください。
・HDD編
デバイス名 | 種類 | 状態 | 5V | 5V消費 | 12V | 12V消費 | 総消費 | 備考 |
WD Caviar2540 | HDD540MB | Seek? | 0.41 | 2.05 | 0.21 | 2.52 | 4.57 | ’95.7製造 |
4200rpm | Peak | 11.2 | ||||||
R/W | 3.7 | |||||||
Standby | 0.9 | |||||||
WD Caviar21200 | HDD1.2GB | Seek? | 0.40 | 2 | 0.27 | 3.24 | 5.24 | ’96.9製造 |
5600rpm | Peak | 12.4 | ||||||
R/W | 5.1 | |||||||
Standby | 0.6 | |||||||
IBM DJAA31270 | HDD1.2GB | Seek | 0.45 | 2.25 | 0.28 | 3.36 | 5.61 | ’95.10製造 |
DJNA371350(7200rpm) | HDD13.5GB | Peak | 0.72 | 3.6 | 2.04 | 24.48 | 28.08 | |
DJNA352030(5400rpm) | HDD20.3GB | Peak | 0.65 | 3.25 | 2.0 | 24 | 27.25 | |
Quamtum FBEL2500 | HDD2.5GB | Seek | 0.65 | 3.25 | 0.72 | 8.64 | 11.89 | |
QuantumFBAS10.2-60 | HDD←GB | Peak | 0.9 | 4.5 | 2.4 | 28.8 | 33.3 | |
QuantumFBLct20 | Peak | 0.7 | 3.5 | 1.7 | 20.4 | 23.9 | 4200rpm | |
Seagate330631 | 30G | Peak | 2.4 | |||||
(3disk6head) | 7200rpm | Active | 12.5 | |||||
Idle | 8.0 | |||||||
Standby | 1.7 | |||||||
Seagate330621 | 30G | Peak | 1.6 | |||||
(2disk3head) | 5400rpm | Active | 9.6 | |||||
Idle | 4.8 | |||||||
Standby | 1.4 | |||||||
Maxtor 53073H4 | HDD30.7GB | Spinup | 0.62 | 3.1 | 2.5 | 30 | 33.1 | |
(7200rpm) | Seek | 0.51 | 2.55 | 0.8 | 9.6 | 12.15 | ||
R/W | 0.515 | 2.58 | 0.525 | 6.3 | 8.88 | |||
Idle | 0.49 | 2.45 | 0.35 | 4.2 | 6.65 | |||
Standby | 0.27 | 1.35 | 0.03 | 0.36 | 1.71 | |||
90500D4-91000D8Peak | 5G-10G | Peak | 0.2 | 1 | 2.4 | 28.8 | 29.8 | |
7200 | Seek | 0.33 | 1.65 | 0.71 | 8.52 | 10.71 | ||
R/W | 0.35 | 1.75 | 0.345 | 4.14 | 5.89 | |||
Idle | 0.225 | 1.13 | 0.39 | 4.68 | 5.81 | |||
Standby | 0.245 | 1.23 | 0.07 | 0.84 | 2.07 | |||
Sleep | 0.14 | 0.7 | 0.07 | 0.84 | 1.54 | |||
6L020j1-080j4 | HDD20-80 | Peak | 0.45 | 2.25 | 1.8 | 21.6 | 23.85 | |
Seek | 0.45 | 2.25 | 0.85 | 10.2 | 12.45 | |||
R/W | 0.475 | 2.38 | 0.45 | 5.4 | 7.78 | |||
Idle | 0.375 | 1.88 | 0.425 | 5.1 | 6.98 | |||
Standby | 0.1 | 0.5 | 0.03 | 0.36 | 0.86 |
まず、ハードディスクの場合、消費は5Vと、12Vですが、どのモデルをとっても、殆どSpinup時の12V消費が2A程度の物が多いです。これは、瞬時に、高回転に持っていかなくてはならない為だと思いますが、それだけで、20W~30W程度消費してしまいます。で、これがどうか?というと、恐らく電源の余り強くないマシンでは、HDDのパワーマネージメントは、切った方が得策という事です。Spinup時に電圧が低下して、不安定という事も考えられます。
5V消費に関しては、殆どが3W程度。殆ど問題ないでしょう。ただ、全体的に見れば、高回転(7200rpm)モデル、多量キャッシュ、多板ディスク(プラッタ)のほうがより消費電力が大きい模様。メーカー的な傾向を言うと、Quantum製のものが大食いといえそうです。製造時期、容量的な傾向としては、特には、傾向らしい物は見当たりません。ばらつきがあります。ですので、ディスクのプラッタ数、回転数により、消費電力が決定されると考えても良いでしょう。
・CDROM関係、ファン
デバイス名 | 種類 | 状態 | 5V | 5V消費 | 12V | 12V消費 | 総消費 | 備考 |
LKRW-7585 | CDRW | Peak | 0.56 | 2.8 | 0.95 | 11.4 | 14.2 | |
32-8-4 | Average | 0.51 | 2.05 | 0.82 | 9.84 | 11.89 | ||
IBM CRMC-FX400 | CDROM4* | ? | 0.4 | 2 | 1.2 | 14.4 | 16.4 | ’95.10製造 |
ファン(4cm) | HDD冷却用 | - | - | 0.09 | 1.08 | 1.08 | ||
ファン(8cm)中速 | ケースファン | - | - | 0.17 | 2.04 | 2.04 |
CDROMドライブ関係も、殆どHDDと同じと考えてよいでしょう。しかし、Spinupによる消費の個体差は物により、かなり違う模様。Spinup消費が大きい=読み込みが速い、はそうでしょうが、余り極端に消費が大きい物は、HDDと違って、パソコン起動中にSpinup、停止を繰り返すCDROMですので、余りお勧めは出来ません。不安定化の要因になりえます。
ファンに関しては、やはり、高回転な物ほど消費は増えますが、12Vのみで、余り断続的には、動作しないので、余り影響は無いでしょうが、「冷却至上主義」になり、高回転のものを5個も6個もつけるようになると、問題だと思います。ファンだけで、30~40W程度消費してしまうかもしれません。平均的なもので、CPU、電源、ビデオカード、ケースファン、であれば、10~20W程度でしょう。
・メモリ
これは、データを見つけれなかったので、なんともいえませんが、256Mbit品で、1チップ当たり1Wという記述を見つけました。つまり、8チップの256MBモジュールで、8W位と考えられますが、これは、128Mbitモジュールで、消費が半分とはいえない(プロセスルールが違ったりする)と思うので、もしかすると、大体1チップ1W程度と考えると、多くの256MBモジュールの16チップ品は、1枚に付き15W程度は消費しているようにも思います。
と言う事は、768MB構成になると、45W程度は消費するようにも思いますが、悪い材料としては、それが3.3V系もしくは5V系に直接かかってくる、と言う事で、5V系消費に関しては、決してなめてかかれるものではないということがあります。良い材料としては、殆ど消費電力は変動しないでしょうから、状況には影響されないでしょう、と言う事ですが、余り大量なメモリの装着は、5V系の消費を確実に増やします。
④電力消費量を考える:電源(電圧)の不安定になるパターン
多くの電源の構造上、5Vと3.3V系はそのもとが一緒で、そして、5Vと12V系もその元は一緒になっているように思います。ですので、3.3Vを消費しすぎて、5Vが変動という事もありますし、12V消費しすぎて、5Vが変動という事もありえます。
また、マザーボードの構造では、5Vを3.3Vに変換する機能を持っていて、消費電力の殆どを、5Vで補う物もありますし、Pentium4では、CPUの消費を12Vで補ったりします。
そういう事を踏まえると、一番最後まで安定すべき電圧は、5Vな訳で、その安定が、PCの安定になると考えられます。しかし、5V以外でも、過度な12V,3.3V消費は、5Vを不安定化させます。
12V変動は、案外大きく、特にHDDのSpinup時には、一基あたりで、瞬間30W程度消費してしまいます。なので、起動時などは、この影響を受け、5V変動が出てしまい、こけ易くなったりします。CDROM(R/RW)デバイスが多い場合も、起動途中で、Spinupしますので、途中で不安定になる場合は、その辺も怪しいです。12V系に関しては、最も変動し易いので、その影響が5Vに及ばなければいいのですが、及ぶような場合は、その辺を考えた方が良いかもしれません。
しかし、一番肝心なのは、5V系で、これには、際立って極端な変動要因はありませんが、CPU稼働率や、ビデオカードの状態などは、大喰らいな物が多くなった今日では、極めて注意すべきです。しかし、逆にいえば、それらが安定していれば、大きく安定を乱す要因も無いといえます。
但し、最近のデバイスは、USBなど、ホットスワップ対応製品も増えてきまして、時には、RAID環境だと、HDDもホットスワップできたりするのですが、その場合は、極端に電圧が変動すると考えてよいですので、ホットスワップ可能なデバイスでも、電源(電圧)の安定の為には、あまりホットスワップをしないほうが賢明と思います。まあ、こんなところですかねえ。