アスペ友人の困惑は、怒りとして表現される。 | 「親を、選べず 障害も 選べず。」 でも、自分の人生は、選べた!
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「親を、選べず 障害も 選べず。」 でも、自分の人生は、選べた!

ミックス自身の人生の記録と、分析と、納得と。幸せを得る回復までの軌跡。~機能不全家族、親からの虐待、アダルトチルドレン、発達障害~




アスペルガーの友人達は、普段とても穏やかで


話す時も、声の強さの調整ができない特性があるからか


友人全員、やや弱めの、優しい声になる。



その友人達が、まれに激高することがある。


ごく最近にありました。



出かけた先で、結構ハイソなフレンチのレストランへ行きました。


たまたま、不慣れな給仕係にあたったので


少し、いや~な予感はしてました。



案の定、他のお客のお皿を、私達の席に間違って持ってきて


気づかずにテーブルに置いたのですが


すかさず、友人が「これ違います」と言い・・・



給仕係が持ってくる皿を間違えた後が悪かった。


さらにその直後、運んできた料理皿に、思いっきり親指を入れていて


皿に指の跡がついていた。


そこで友人が「ぐっと」我慢しているのは、傍目にもわかったのだけど


使おうとしたナイフに、汚れがついていた瞬間・・・



「ぶちっつ」と切れる音を聞きました。


「すみません!!」


と、いつもではありえない声で給仕係を呼び


「@#*%*#!!」 と、とにかく一気にクレーム。




その勢いのすごさ・・・


私は、ぼーぜんと見ているだけなのだけど


止めては、実は、だめなのである。


これは、「パニック」という類のもので


友人は我を失っている状況なので


横から話しかけても


「聞けない」か、


逆に耳からの音(私の話し声)を加えることで「余計にパニックさせる」のだ。


できることは「場所を移して話すこと」ぐらい。



レストランで、大音量の声で、


皿を間違えて持ってきた、


食べ物の入ったさらに親指つっこむ給仕がどこにいる、


きちんと客が使うことを前提に、綺麗に洗っておくべき、


と、正しいと思える主義主張を鬼のように展開する。




が、場所がレストランで、他のお客は食事中である。


後で冷静になって、自分がしたことを頭の中で再生してみたとき


激しく後悔するのは、友人。



パニック中は、周囲を見渡す力が極端に弱くなる。


なので、不適切と他人から思われる行動を取ってしまうのだ。


本人に、そのつもりは全くないし


後で後悔することの方が多い。




なので、私にできるのは


後ろであわてている他のスタッフに目配せして


マネージャーまたは店長さんを呼んでもらい


場所を外または目立たない場所に移動してから


話しましょう、と耳打ちすること。



その後、友人の前に突然マネージャーが現れ


「知らない人が目の前に突然出現し、驚き固まる」友人の腕をひいて


「こちらでお話お聞きします」やら何やら言っている


マネージャーさんの後ろをついていきました。




後は、普通に会話して、謝ってもらい


食事場所も、奥まった庭の見える側に替えてもらって


新たにサーブしてもらうことにして


落ち着きました。




食べるのをやめて出て行くのもいいんだけど


それだと、友人の中で後々引きずることが多い気がする。


急な予定の変更も、


パニックの後は切り替えが難しくなっているから


判断力がかなり低下してるので、


「どうする?食べるのやめて出て、他に行こうか」


なんて(どうするは禁句)問いや提案は、


低下した思考力に負荷をかけるから


再度パニックさせることになりかねない。




休み、静かに過ごすのが一番なのだ。




食事を、できるだけ楽しくなるように食べて


食後の美味しい、薫り高いコーヒーや紅茶を堪能しながら


友人の好きなデザート盛り合わせ(お詫びの大盛り!)を食べ


気分がUP。



最後に、マネージャーの謝罪を受けながら支払いをすませ


「無事物事がおさまり、完結した」という結果が、


友人にはとても大事と思う。



友人の怒りの部分は、


本人の中の「給仕係の、プロとしての仕事の最低限の基準」を


大きく下回った時点で沸いたようだけど


「数回、改善が見られない状況(不注意だと思うけど、友人は努力不足と取る)」だったので


「ばかにされている」という気持ちが強くなったのが


パニックのひきがね。



私のナイフではなく、友人のナイフが汚れていた、というのが


拍車をかけた。



アスペルガーの人は感情が表に出にくいというけど


怒りの部分は、パニックという形で出やすいと思う。



友人は、パニックが過ぎると


「自己嫌悪」が強くなる。


精神的に、辛くなる事が多いので


「行動で失敗した」という印象をなるべく残さないように


「上手く解決した」または「無難に完結した」結果が出る方がいい。



あの時は、まず場所を変えた時点で


友人はパニックが収まり、冷静になった。


それから、丁寧でプロ意識の高いマネージャーの謝罪を受け


食事を最高の状態で提供したい、という申し出を


友人は受けるということで、問題解決した。



なので、店を出てからは、


それほど精神的に後をひかなかった。



給仕係は慣れない風だったので


不注意と、焦りからの失敗の連続だったけど


ナイフの件は、レストラン側の仕事の失策だから


この2点が混ざり合ったことで


友人を困惑に落としたように思う。



不注意な人間に怒りが沸いても


それを責めることをせず我慢する性質だから(忍耐力がある)


レストランの仕事のレベルが低い、ということと


自分のナイフが汚れていた、ということで



パニックの中、「ばかにされた」という認知の歪みが膨らんでしまった


というような感じだったようだ。


冷静になれば、友人個人に対して他意がないことはわかる。



そこが、怒りのベールで歪みやすくなる「弱さ」がある。


友人が、悩んでいるのは、


そういうセルフコントロールしにくい部分だ。



周囲にいる人間が、


私などの友人や家族、会社の人間が


それをなんとなく環境調整と言う形で


パニックしないように、持っていければいいだろうなぁ。



今回のは、友人が何一つ言わない中の


内面での爆発だったので


やや、遅れを取ったけど。



「なんか、久しぶりに見せちゃったね」と


恥ずかしそうに言ってた。


子供の頃の顔になってたので


そう言ったら、照れ笑いしてた。



最後は、友人の可愛い笑顔が見れました。



その後、目的のショッピングも、


無事に楽しくできましたよ♪








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