JAMA誌から
小児がCOVID-19にかかりにくい理由の有力仮説
小児は成人より鼻腔上皮のACE2遺伝子の発現量が少ない

 COVID-19患者に小児が占める割合は2%未満と少ないことが知られている。しかし、小児が成人より感染しにくい理由は明らかではない。米国Icahn School of Medicine at Mount SinaiのSupinda Bunyavanich氏らは、喘息のバイオマーカーを探る研究で、鼻腔上皮細胞の遺伝子発現を調べており、小児では成人に比べACE2遺伝子の発現量が少なかったと報告した。結果はJAMA誌電子版に2020年5月20日に掲載された。

 著者らは、2015~2018年に、Mount Sinai Health Systemを受診した4歳から60歳までの人々から、細胞診ブラシを用いて鼻上皮細胞を採取し、RNAを抽出しシーケンスして、遺伝子発現データを調べていた。当時の目的は、喘息患者と、喘息ではない人を区別するために役立つバイオマーカーを同定することにあった。

 対象者は305人で48.9%が男性。49.8%が喘息患者だった。年齢に基づいて、10歳未満(45人)、10~17歳(185人)、18~24歳(46人)、25歳以上(29人)に分類して、遺伝子発現情報を比較することにした。

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