コロナ感染者1分話すと飛沫1000個 8分以上空気中を普通し吸い込むとリスク

2020年06月04日 16時00分

新型コロナウイルス(ロイター)

 新型コロナウイルスの感染者は、1分間話すと、ウイルスを含む飛沫が少なくとも1000個発生するとの分析結果を米国立衛生研究所(NIH)などのチームが4日までに米科学アカデミー紀要に発表した。飛沫は8分間以上、空気中を浮遊するといい、チームは、換気が悪い場所での日常的な会話が新型コロナウイルス感染のルートになっている可能性が高いと指摘する。

 政府は緊急事態宣言を5月25日に全面解除したが、その後、東京都や北九州市で新規感染者が増加傾向となっている。第2波の到来が懸念されており、引き続きマスクの着用や部屋の換気といった基本的な感染症対策が必要になりそうだ。

 飛沫を飛ばしやすい発音を含む「ステイ・ヘルシー」という英語を大きな声で箱の中に向かって25秒間繰り返し発声した。内部の様子はレーザー光を照射して80分間動画で撮影。空気中を浮遊する飛沫の数を数えた。

 動画の解析から、1秒で直径数~数十マイクロメートル(マイクロは100万分の1)の飛沫が約2600個発生したと分析。新型コロナウイルスの感染者は平均で唾液1ミリリットル当たり700万個のウイルスが含まれているとする別の研究を基に推定すると、1分間でウイルスを含む飛沫が少なくとも1000個発生したとの計算結果となった。

 チームは、こうした飛沫を会話の相手が吸い込むと「感染の引き金になる」としている。

 ちなみに、4月に全国に通知された濃厚接触の新たな定義では、感染者が発症する2日前から1メートル程度の距離でマスクをせずに15分以上会話するなどの接触があれば該当するとされる。