給料をもらう権利を売って前借りのような形で支払いを受ける「給料ファクタリング」は違法な貸し付けにあたるとして、大阪府の利用者の男性8人が3日、東京都内の業者など7社に計約690万円の返還や損害賠償を求めて大阪簡裁などに提訴した。
給料ファクタリングは利用者が勤務先から受け取る予定の給料を債権として業者が買い、手数料を差し引いた金額を利用者に提供する仕組み。利用者は後日、業者側に給料分を支払う。5月には利用者9人が業者を相手取った同様の訴訟を東京地裁に起こしている。
訴えによると、利用者が業者に支払った手数料は年利換算で220%から5214%にのぼる。業者は貸金業の登録をしておらず、原告の代理人は「実態はヤミ金だ。法律の上限金利を大幅に上回っており、公序良俗に違反する」と主張している。
提訴後に記者会見した原告の40代男性は「一度利用すると手数料が高く、他の給料ファクタリング(業者)を利用せざるを得なくなった。新型コロナウイルスで仕事も減り、返済で生活がギリギリになった」と話した。
金融庁は3月、給料ファクタリングについて「貸金業に当たる」との見解をホームページで公表している。