栄久庵憲司GKグループ代表の著書2冊、出版される

朝日文庫『幕の内弁当の美学』(朝日新聞社)
KAWADE夢新書『インダストリアルデザインが面白い』(河出書房新社)



『幕の内弁当の美学』
 1980年にごま書房より刊行された同書を、図版を一新して文庫版化したもの。日本人としての美意識ともののつくりかたの原点を幕の内弁当に仮託するという独特の視点で論じている。幕の内弁当に象徴される日本的な造形の美学、様々な発想の展開は二十年を経た今もなお、文明論として古びることがない。
 すでに手に入れることが困難となっていた本書を、この文庫版化に際して、より多くの方にお読みいただければと思う。
 「幕の内弁当に秘められた美学が、私たちに身近な日用品から自動車、あるいは住宅、都市にいたるまで、世界に誇りうる日本的デザインを生みだしていることを検証した、インダストリアルデザイン界の第一人者である著者の古典的名著」(朝日文庫解説文より)
 「発想の視点を、あの幕の内弁当においた卓抜な文明論『幕の内弁当の美学』。幕の内弁当を見おろしていると、日本列島のイメージが浮かぶ。多彩な要素をコンパクトにおさめ込んだ日本の風土を、上空から眺めているような気分に誘われる」
(朝日新聞「天声人語」平成12年1月31日より)

『インダストリアルデザインが面白い』
 私たちの身のまわりには、さまざまなモノがある。私たちはモノを選ぶとき、無意識のうちに自分のセンスに訴えるものを選んでいる。では、いったい何が私たちを惹きつけるのだろうか。
 筆者は、そこにあるのはインダストリアルデザイナーの心であると訴える。インダストリアルデザインとは、大量に生産されるモノを機能的に、かつ美しくデザインするばかりではない。モノの造形に作り手が魂を吹き込んだとき、初めて使う人の側にその思いが伝わるのである。
 本書では、知らず知らず惹かれてしまう製品の不思議、想いを形にするインダストリアルデザイナーの苦心、人気商品に隠されたインダストリアルデザインの真の魅力の探求、モノ余りの時代をいかに歩むかのヒントなど、斯界に足を踏み入れて四十有余年の筆者ならではの視点で、かたちの秘密を読み解いていく。平易な語り口で書かれている本書は、インダストリアルデザイナーでなくとも興味あふれる内容となっている。


文庫版 780円(税別)/312ページ
発行:朝日新聞社
〒104-8011 東京都中央区築地5-3-2
TEL 03-3545-0131

新書版 667円(税別)/207ページ
発行:河出書房新社
〒151-0051 東京都渋谷区千駄ヶ谷2-32-2
TEL 03-3404-1201


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