拡大する感染者のいるフロアで、防護服を着て昼食の介助をする職員たち=特別養護老人ホーム「北砂ホーム」提供(画像の一部を加工しています)
新型コロナウイルスの集団感染が起きた特別養護老人ホーム「北砂(きたすな)ホーム」(東京都江東区)は、最初の感染者が判明した4月22日以降、どんな状況だったのか。二次感染を防ぎながら、ぎりぎりの人手で入居者の介護を続けてきた様子や、中傷電話が続いた時期のことを理事長らが語った。(畑山敦子)
北砂ホーム(入居定員100人、ショートステイ15人)を運営する社会福祉法人あそか会によると、6月1日までに入居者・ショートステイ利用者44人、職員7人の計51人が新型コロナウイルスに感染し、入居者5人が亡くなった。1日時点で、感染した入居者5人がホーム内で療養、症状の重かった8人が入院している。
ホーム内で感染している人と感染していない人のエリアを分け、感染者に接する職員は防護服にフェースシールド、医療用マスクN95をして介助にあたる。数日前までは、感染者以外を介助する職員も含めた全員が防護服を身に着けていた。
感染者を介助する職員は、そのエリアを離れる時だけでなく、食事休憩したりトイレにいったりするたびに、防護服などを替える。施設長は「防護服の着脱や消毒、感染防止の作業は時間がかかり、神経もつかう。職員は変わりなく介助するが、一見すると病院のようだ」と話す。職員からは「防護服の暑さやマスクの圧迫感に疲れる」との声も漏れる。
感染の発覚以降、入居者の食器と清拭(せいしき)用のタオルは、感染者以外も含めた全員分を使い捨てている。
拡大する集団感染が発生した特別養護老人ホーム「北砂ホーム」=東京都江東区
4月28日夜。その前に感染者が出たことを受けて入居者、職員全員が受けたPCR検査の結果、入居者と職員計25人の感染がわかった。感染者、濃厚接触者となった職員31人が2週間の自宅待機となり、入所者約80人に対し、勤務できる職員は6人しか残らなかった。
クラスターによって介護の人手がぎりぎりとなった北砂ホーム。中傷の電話も鳴りやまなかったといいます。記事の後半では、朝日新聞のインタビューに応じた理事長が、集団感染発生後にホームが直面した問題や、介護施設に必要な支援策などについて語っています。
あそか会の別の特養で働く職員…
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