東京都は新型コロナウイルスの感染が再拡大する「第2波」に備え、新型コロナの専用病院を年内にも整備する方針を固めた。感染者全体の約2割を占めるとみられる中等症の患者を中心に受け入れることで、他の医療機関の重症者向け病床を確保し、医療崩壊を防ぐのが狙い。
都はこれまで、軽症や無症状の患者を対象に宿泊療養施設を確保するなどして安定した医療体制の構築をめざしてきた。中等症の患者は酸素吸入を必要とし、急変して重症化するリスクもあるため、受け入れ先となる病院の確保が難航するケースがあった。
都は既存施設を活用して中等症患者を重点的に受け入れ、重症者の病床を確保する。都の関係者によると数百床規模の受け入れを検討している。専用病院については、都医師会などが感染者の急増に備えて必要性を訴えてきた。
2日に開かれる都議会本会議の代表質問で公明党が質問した。
神奈川県や大阪府では既に中等症患者を重点的に受け入れる拠点を設け、稼働させている。都では4月中旬に感染のピークを迎え、現在は減少傾向にある。ただ、再度感染者が急増するリスクが高いとして「第2波」に対応できるよう準備を急ぐ。