街を歩いていると、水を入れたペットボトルを家の周りに並べているお宅をよく見かけませんか?そのような光景を見ると「あぁ、猫よけ対策だな……」とすぐにわかる方も多いのではないでしょうか。
猫好きにも猫嫌いにも広く認知されている、水を入れたペットボトルでの猫よけ対策。
その根拠と効果についてお伝えします。
ペットボトルが猫よけになる根拠とは!?
猫よけ対策といえば水を入れたペットボトルという位、世間一般に知られている猫よけ法ですが、その根拠はどのようなものなのでしょうか?
猫はキラキラしたものが嫌い?
ペットボトルに入れた水は、太陽光に反射するとキラキラ光ります。
その光がまぶしくて猫が逃げていくと言われているのです。そのため、猫が侵入しやすい庭の入口や玄関先、塀の上などにずらりと並べて置いているのです。
ですが、キラキラしたものが嫌いなのであれば、水の入ったペットボトルじゃなくてもいいと思いませんか?他にもキラキラ光るものはたくさんあります。
この、ペットボトルによる猫よけ対策はいつ頃誰が言い出したのでしょうか?
ペットボトルでの猫よけ対策の始まりは!?
実は、始まりは不明なんです。
イギリスでエイプリルフールに、ラジオで冗談で言ったことが広まったという説や、ニュージーランドが発祥であるとか、アメリカの新聞に掲載されたなど、さまざまな情報があり真相は定かではありません。
また日本の新聞にもペットボトルによる猫よけ対策の記事が載ったことがあるようで、そこから広まったという説もまります。
ですが、各種メディアに掲載された年代をみてみると、どうやら外国から入ってきた情報が日本で広まったと考えるのが有力です。
また、日本のテレビ番組でペットボトルによる猫よけ対策をしている様子が流れたことで、日本中に一気に情報が広がったようです。
そもそも、ほんとに効果はあるの?
全国的に有名になった猫よけ対策ですが、どれほど効果があるのでしょう?
実はまったく効果がない!
そうです。
実はまったく効果がないのです。
よくよく考えればわかることですが、街中にはキラキラ光るものはたくさんあるにもかかわらず、猫たちは普通に生活しています。水の入ったペットボトルの光のみ恐れるはずはないんですよね……。
ペットボトルについても、最初は光に少しびっくりする猫もいますが、すぐに慣れてしまい、猫にとっては植木鉢や置物と変わらない、ただそこのあるものという認識になってしまうようです。
しかも太陽の光を利用して反射させるこの方法では夜はまったく意味をなしません。猫は夜に行動することが多いので、侵入し放題となってしまいます。
ペットボトルを置くことによるデメリット
ペットボトルによる猫よけは効果がないばかりか、デメリットもあります。
収れん現象にによる発火の危険性
収れん現象による発火は、レンズが太陽光を集め可燃物を発火させる現象です。
これと同じ現象が水を入れたペットボトルで起こる可能性があります。
ペットボトルがレンズの役割を果たし太陽光を集めて発火してしまうのです。
猫よけのために太陽が当たる場所に設置していることが災いして発火した例もあるのです。
猫の侵入を防ぐ目的のはずが、火事を起こしてしまっては元も子もありませんし、近隣の方にも迷惑をかけてしまいますね。
また、消防署でも収れん現象による火災について注意喚起をしています。
景観の悪さも問題
猫の糞尿などの被害を防ぐためとはいえ、庭や玄関先などにペットボトルをずらりと並べた様子は、見た目が美しいとは言えません。
景観を気にする近隣の方は、内心眉をひそめているかもしれません。
すでに述べたように発火の危険性もあるため、尚更近隣へ配慮する必要があります。
ペットボトルが原因で火事を起こしてしまっては、最悪命にかかわってしまいます。また、住宅への損害も甚大なものになるでしょう。
例えボヤ程度で済んだとしても、ボヤ騒ぎを起こした家として近隣の方にも煙たがられるかもしれません。
ペットボトルは撤去しましょう
ペットボトルでの猫よけ対策は効果がなく発火の危険性があることがわかりました。
このような理由から、すでにペットボトルを設置している方は撤去して新たな対策を練ったほうがいいでしょう。
猫はかしこい動物です。あらゆる対策を試してもすぐに慣れてしまい、いたちごっこになっている方も多いようです。
ですが、現在ではさまざまな猫よけグッズも販売されているので、ご自分の環境にあった商品を試してみてはいかがでしょうか?