@chablis777
シャブリ

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「椿姫」の最終選考を翌週に控えた ある日。
(音)おはよう。・♪~(歌声)
(潔子)こんな朝早くから練習してる。
(和子)千鶴子さん 「椿姫」のためにイタリア人の先生からも特別レッスンを受けてるらしいわよ。
(潔子)えっ すごい!千鶴子さん イタリア語もできるんだ~。
(和子)すごいわよね~。
アッディーオ デル パサート。
(恵)はい 特製蜂蜜しょうが紅茶。
これ 喉にいいやつね。
ありがとうございます! フフフ。
(保)ねえ ここでどうかな?うん! いい感じ。
買って下さったんですか?当たり前じゃない。
ジャンジャンかけて宣伝するよ。
ねえ! 今度 レコード発売のお祝いパーティーやらない?
お祝いパーティー?うん! ほら あの顔のいい作詞家の彼も呼んでさ。彼… いい歌詞 書くよね。はかなく切ない恋心。
(希穂子)福島を離れたのはあなたが重荷になったからです。勘違いされて困ってたの。
(保)泣けるわ…。
♪~
♪「泣いて 生まれて 響く命」
♪「きっと嬉しくて 笑っているんだ」
♪「僕らはきっと 出逢うでしょう」
♪「手を引き 背を押し 出逢うでしょう」
♪「きっといつか今日の日も意味を持って ほら」
♪「耳をすませば」
♪「星の見えない日々を 超えるたびに」
♪「互い照らすその意味を知るのでしょう」
♪「愛する人よ」
♪「親愛なる友よ」
♪「遠くまで 響くはエール」
こんにちは~。
(ママ)あら どうしたの?また働きたくなった?
アハハ いえいえ…。 あっ。
あっ…。
前の私は 何でも言葉どおりに受け取ってました。
でも 最近ようやく分かったんです。
人は…人は… あべこべ。
鉄男さんのこと 祝ってもらえませんか?
できないわ。
どうして?
希穂子さん…。
彼とは もう二度と会わない約束だから。
約束?
前に 彼の会社の社長が訪ねてきたの。
(堂林)我が堂林家の婿にはああいう骨のある男が欲しいと思ってたんですよ。ただ… 結婚する前に身辺をきれいにしといてもらいたい。
この金でお父さんの病気を治してやりなさい。
(希穂子)もし その申し出を拒むなら彼を解雇するって。
村野さん やっと人生が軌道に乗ってきたところなの。
邪魔したくない。
でも…。それに 私 あのお金を受け取ったの。
(希穂子)その方が ふんぎりがつくと思ったから。
だから もう 後戻りはできないの。
♪~
それでも…私は 希穂子さんに来てほしいです。
ごめんなさい…。
希穂子さん ごめんなさい…。
まあまあ まあまあ…。はい… あ~ ありがとう。
(久志)よし…。(裕一)いや~。
乾杯!(一同)乾杯!
おめでとう。おめでとう。ありがとうございます。
ありがとう。(鉄男)ありがとな。お前が誘ってくれなかったらまた詩を書こうなんて思わなかった。
いや~ こっちこそ。君と初レコード作れてよかったよ。
本当は 久志に歌ってほしかったんだけどね。 ごめん。
いいよ。 コロンブスレコードはいずれ後悔するだろうけれど。
でも 絶対諦めないからね。
絶対3人で 福島三羽ガラスで必ず レコード出す。 はい。
おう。おう。
(ドアが開く音)
希穂子さん。遅くなってごめんなさい。
この度は おめでとうございます。これ 皆さんで。
あっ ご丁寧に ありがとうございます。
村野さん… 先日は言葉が過ぎました。ごめんなさい。
いや…。
今後のご活躍をお祈りしています。
それじゃあ 私はこれで。
もう行くんですか?お祝いを届けに来ただけだから。
初めまして。鉄男君の親友の佐藤久志と申します。
親友?
せっかく いらしたんです。 ここはみんなで「福島行進曲」聴きませんか?
そうね! レコード発売のお祝いなんだし。
マスター お願いします。
♪~
♪「胸の火燃ゆる宵闇に」
♪「恋し福ビル引き眉毛」
♪「サラリと投げたトランプに」
(鉄男)この詩 書けたのは…希穂子のおかげだ。
俺 やっぱし… 希穂子じゃなきゃ駄目だ。
俺… ずっと自分の生い立ち 恨んでた。
「何で俺ばっかし」って ひねくれて世の中恨んで 人妬んで。
こんな どうしようもねえ俺に君は寄り添ってくれた。話聞いて 泣いてくれた。
君のおかげで世の中 捨てたもんじゃねえってやっと思えるようになったんだ。
私は そんないい人間じゃありません。ああ…。
君が 時々 うそつくことも知ってる。
でも それは自分のためじゃねえいつだって 人のためだ。人の痛みに敏感で人の幸せばっかし願ってる。優しい人だ。
でも… もう一人で頑張んなくていい。
希穂子…俺と一緒に生きてくれねえか?
♪~
それでは 「椿姫」の最終審査を始めます。
古山 音さん。
はい。
♪~
私… 結婚が決まったんです。
彼は… 頼りがいがあって経済力もあって私のこと とっても大事にしてくれて父の医療費のことも任せなさいって。
とってもいい人で…。
だから もうご心配頂かなくて大丈夫ですから。
希穂子…。
ありがとう… 楽しかった。
さようなら。
♪~
あっ! お… 音 ただいま。あの… ど… どうだった?
えっ? えっ?
あっ! おお~!
よかった~! うわ~!キャ~!
ご苦労さまです。
村野!はい!
♪~
(汽笛)
♪~


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