コロナで中国の食習慣に変化 「直箸」やめて「取り箸」に
2020年6月1日 13時55分
【北京=坪井千隼、上海=白山泉】テーブルの上に並ぶ大皿料理を、各自の直箸(じかばし)でつつき合うのが当たり前だった中国の食卓が、新型コロナウイルス感染防止のため変化を迫られている。食事前に料理を分けたり、取り箸を用意する飲食店が増えており、条例で取り箸の使用を推奨する地方政府もでてきた。
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◆年配層「冷たい」「よそよそしい」
上海市内の北京ダック専門店。感染防止のため、最近はテーブルに取り箸が置かれるようになった。北京ダックはもともと、各自の直箸でアヒルの肉や野菜を取ってたれにつけ、小麦の皮に載せて手で巻いて食べる。この店では、具材を取るときには、取り箸を使うルールになった。男性客は「取り箸はあまり慣れていない。酔っぱらうとつい、直箸を使ってしまう」と苦笑いした。
中国の伝統的な食事スタイルは、一人一人の膳が用意される日本料理とは異なり、大皿から各自が直箸で料理をよそう「大皿文化」だ。あらかじめ料理を取り分けたり、取り箸を使うことは、伝統を重視する年配層からすれば、「冷たい」「よそよそしい」印象を受けるという。
◆全人代に意見書
ただ大皿を直箸でつつくのは、ウイルスの感染リスクを高める。営業を再開した飲食店も、感染対策として顧客に取り箸の使用を勧める店が増えてきており、北京や上海などでは条例化で後押しする動きも進む。
先月行われた全国人民代表大会(全人代)でも、上海市の代表三十六人が連名で、取り箸の推奨を飲食店や家庭に求める意見書を提出した。今後、関係部署で対応が議論される。
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