「奇跡体験!アンビリバボー」「僕らの音楽」など、私達に馴染みのあるテレビ番組の企画・制作を手掛けている株式会社イースト・エンタテインメント。今回はなんと、あの人気番組「テラスハウス」を手懸けられたプロデューサーさんにお聞きできるとのこと!
一体どのようにして「テラスハウス」の企画は生まれたのか、プロデューサー 松本彩夏さんに伺います。
企画をしたいという人や、マスコミ業界、AD、ディレクター、プロデューサーに興味がある人は必見です!
(編集部注※この記事は2013年5月6日に公開された記事を再編集したものです)
誰の日常にも溢れているドラマチックな瞬間を番組にしたい。
-大ヒット番組「テラスハウス」の企画はどのようにして生まれたのですか?
テラスハウスの企画は、実は4年前から考えていたものです。「アメリカのリアリティ番組のようなものを日本でもやりたい」「誰の日常にも溢れているドラマチックな瞬間を番組にしたい」という想いから企画書を作ったのですが、始めは受け入れてもらえませんでした。
しかし、いつか「これいいね」と言ってくれる人が現れる気がしていて、この企画を出し続けていました。そのうち、興味を持ってもらい、結果4年の時を経てテラスハウスが実現しました!テロップやナレーションを極力排除したり、家のインテリアにこだわったり、画や音楽にこだわったり、とにかく色々こだわっているうちにすこしづつファンが増えてきたんです。本当にありがたいです。
-「テラスハウス」以外にも様々な人気番組を手懸る御社の魅力は何ですか?
とにかく品が良いところです。まず、入社する前の面接や受付での対応がとても品があって好印象だったことを覚えています。社員はみんな品があるほうだと思います。
また、制作会社はよく物が散らかっていたり汚いイメージが横行しているのですが、この会社は年中大掃除をしているのでオフィスが綺麗です。
さらに「局の下請け」という意識ではなく、あくまでいちパートナーとしてクライアントと仕事をする社風も魅力の一つだと思います。
少しずつ自分の想いをカタチにできる楽しさ
-松本さん自身はなぜ、テレビ業界を志望されたのですか?
もともと、スーツを着たり、ストッキングを履いたりしたくなかったんです。学生が知っている範疇で職種を考えていく中で、興味を持ったのがマスコミ関係の仕事でした。テレビが好きだったこともあり、好きなものを自分で作ってみたいというシンプルな動機も加わってテレビ業界を志望しました。
-番組制作の中でも、プロデューサーとはどのようなお仕事なのでしょうか?
レストランで例えると「オーナー」です。「こういう店にしよう」とか「こういう料理を出そう」などといったことを決めて、実際においしい料理を作る「シェフ」がディレクター、という感じです。企画を立てるところから番組の細部に至るまでブランディングをし、そのブランドの品質管理をする仕事だと思っています。
-どのようにしてプロデューサーになられたのですか?
まず、入社して4,5年間はアシスタントディレクター(AD)として仕事をしました。担当する番組やディレクターのスケジュールに合わせた働き方をするため、自分の予定を立てることはほとんど出来ませんでした。
人によりますが、5,6年経つとディレクターとなり、納品や締切のスケジュールに合わせてある程度自分で仕事を組むようになります。
そして、最後にプロデューサーになりました。プロデューサーは365日違うスケジュールで動いているので、同じ流れの日は一日もありません。強いて言うなら、定時出勤、定時退社するくらいです。
-正直なところ、AD、ディレクター、プロデューサー、どの仕事が一番辛いですか?
それぞれに辛さがあって、”辛さの質”が全く違います。
ADの時期は生活が不規則になることも多く、肉体的な辛さがあります。しかし、これは目先の苦痛なので、「この苦痛の時期を一刻も早く乗り切り、自分の思うように番組を作りたい」という想いでなんとか乗り越えられました。
ディレクターになってからは、自分自身の作るVTRに責任が生まれます。
さらにプロデューサーになると、視聴率やテレビ局と向き合う責任と、番組を作っているスタッフの生活を背負っていることへの責任が生まれます。
-辛くてもプロデューサーのお仕事を続けることができる理由は何ですか?
少しずつ自分の想いを映像にできるようになると、楽しくなっていくのは間違いないと思います。
あとは、TV番組は一人では絶対に出来ないものであるからこそ、スタッフは本当に大事です。学生時代の「友人」とはまた違う信頼関係で結ばれた仕事のパートナーが出来ることは、財産だと思います。
魅力的な人間になるために、どう生きるか。
-どのような人がテレビ業界に向いていると思いますか?
挨拶や人の気持ちが想像できるなど、人間としての礼儀があって、さらに、純粋にテレビが好きだ、という気持ちがあれば十分だと思います。これがあれば多少の辛いことも乗り越えられるし、立ち戻れる場所になる気がします。
特にスキルは必要ありませんが、あえて言うとしたらコミュニケーション能力だと思います。方法はなんでもいいので、話すにしても書くにしても、人に自分の考えを伝えることが出来ないと仕事にならないと思います。
-最後に、学生へのアドバイスをお願いします。
どの会社の方々も、魅力のある人と働きたいと願っていると思います。自分自身を知り、自分が魅力的であるためにどう生きるか、少しでも考えながら大学時代を過ごしてみるといいかもしれないですね。それは必ずしも目に見える成績や実績を残すことだけではないと思います。
-松本さん、貴重なお話をありがとうございました!
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