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金利神社 “金利神社
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“金利神社
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金利神社(読み聞かせ Version)

昔々、とある山奥に必要なものはすべて自分たちで作って用意し、
分けあって暮らす小さな村がありました。
その山奥の、さらに奥の奥、いつからあったのかは分からないのですけれど、
「お願いをすると”お金”が貰える」という神社があるといいます。
とある日に、村人たちが、遊び心から神社にお参りに行くことにしました。
そして、その言い伝え通りに”お金”という紙の束を持ち帰ってきました。

村人 1「これは何でしょうか?」

村人 2「どうして使うのでしょうか?」

村人たちが集まって困っていますと、
そこに金利神社の化身(けしん)が現れて村人たちにこう伝えました。

化身「それは、”お金”というものじゃ、
これを使えばいっぱいの重い作物を自分で運んで行くこともないし、
ものの取り換えっこが簡単にできるから、
皆が好きなことばかりをして暮らして行けるのじゃ。」

村人たちは、金利神社の化身(けしん)の教え通りに、
同じ枚数ずつ皆でそのお金を分けることにしました。
それまでは、皆で必要なものを作って、そのたびごとに用意するという、
バラバラで気ままな暮らしでありましたが、”お金”というものを手にしてからは、
それぞれが得意なことを 一生懸命にするようになって行きました。
狩が得意な者、編み物が自慢の者、掃除が得意な者、手先が器用な者、
”お金”を使うことによって、
それぞれにみあったことをそれぞれがするようになって行ったのでした。
村人たちの暮らしは、前よりも皆が助け合う、楽しい感じになっていました。
そうして一年が過ぎた夜明けの晩のことであります。
ひとりの夢枕に金利神社の化身(けしん)が現れて、こうささやきました。

化身「1年が過ぎた、
渡したお金とお礼の気持ちを必ず賽銭するのじゃぞ。」

あくる朝に、鶴石と亀石の六明広場に村人の皆が集まりました。
もはや”お金”を使わない不便な暮らしには戻りたくないな、
というのが村人たちの意見でした。
なんとかこのまま”お金”を使わせてもらえないかと、
また神社にお参りに行くことを決めたのでした。
その日の夜明けの晩のことであります。
別のひとりの夢枕に金利神社の化身(けしん)が現れてこうささやきました。

化身「お前たちには 10 枚ずつ”お金”が配られているじゃろ、
今日から 1 年後に 11 枚ずつ賽銭するのじゃぞ。」

ひとまずは、”お金”を使い続けられるようにはなった村人たちでありましたが、
自分が持っている”お金”の量がとても気になってしかたがないのでした。
すでに 11 枚を持っている者は、なるべく使わないようになって、
足りない者はなんとか儲けられないかと、あれこれ考えをめぐらせたのでした。
こうして期日が近づくにつれて 11 枚を持っていない者は焦り始めて、
仕事の目的が、村人たちが必要とすることをするのではなく、
ただただ”お金”を儲けることに変わって行ったのでした。
他の村人が必要としているのか、いないのかには関係なく、
とにかくものを売って”お金”を儲けることに 一生懸命になっていました。
村人たちの楽しかった暮らしにもひびが入り始めていました。
そうして忙しく時は過ぎて、また一年の後のことであります。
100 人でひとり 10 枚ずつ分けたので、
村にある”お金”は全部で千枚、
しかし、賽銭箱に入れなければならないのは千百枚。
結局、村の 3 分の 2 は約束を守ることができない者となったのでした。
村の中では、賽銭できた者とできなかった者とがけんかを始めたのです。
そして、勝者、敗者という言葉までできてしまったのでした。
金利神社の化身(けしん)は賽銭できなかった者たちにこう言いました。

化身「これから 1 年の後 12 枚を賽銭してもらうことにするぞ、
ただし次はもうないのじゃ、
その時にはお前たちの命をもらってゆくとしよう。」

これを聞いた賽銭できなかった者のひとりがこう言いました。

村人 3「村じゅうの”お金”を全部集めても千枚しかないのに、
千百枚を賽銭箱に入れられるはずがありません。」

すると化身(けしん)はこう答えました。

化身「それはお前たちが私の元に来たから”お金”を与えただけじゃ、
お前たちは昔よりも暮らしが良くなっているのになにを言うか、
この罰当たりめが!お前たちを全員呪ってやるわ。」

金利神社の化身(けしん)は眼(まなこ)を見開いて、
ゆっくり口を大きく開けてその奥から舌を見せた時に、
慌てた村人の中の勝者と呼ばれた者がこう言いました。

村人 4「私たちはちゃんと約束を守りました。」

すると化身はうっすらと笑いながらこう言いました。

化身「今後 1 年経つごとに利子だけを賽銭箱に入れるのじゃ、
お前たち勝者は1枚、それ以外の無能な敗者らは 2 枚じゃ。」

こうして金利神社はそれ以来、毎年、賽銭箱に利子を集めて入れさせたのでした。
村人たちは”お金”を賽銭のために取っておかねばならなくなりました。
”お金”は自由に村人たちには回らず、
皆が我慢をしてできるだけ”お金”を使わないようにしました。
賽銭箱に”お金”を入れなければならないので、
どんどん”お金”は足りなくなって行きました。
さらに、必要のないものを脅して押し売りをする者も現れて、
村はますます村人たちが争うにようになって行ったのでした。
一生懸命に働いても、”お金”はますます減ってしまい、
賽銭分を残せた者と残せない者とがけんかを始め、
残せなかった者は命を獲られるとあってはたまらないので、
ついには村人同士が暴力で”お金”を奪い合うようになって行きました。
皆で助け合っていたはずの村人たちはふたつの組に分かれて、
今持っている”お金”の量を必死で守り、足りない分を奪い合うのでした。
または先を見越(みこ)して、
なるべく手元に”お金”を集めようと考える者もおりました。
たまらずひとりがこう神社に向かって訴えました。

村人 5「賽銭箱に”お金”を入れなければならないのですが、
私たちには”お金”が足りないのです。」

すると化身(けしん)が奥から面倒くさそうにこう答えました。

(化身)「もっとお金が欲しいのか?ならば、もっと貸してやろうか、
そのかわり今より 1 枚ずつ多く賽銭箱に 入れるのじゃ、
1 年ごとに 1 枚だった者は 2 枚、
2 枚だった者は 3 枚、必ず守るのじゃ、
もし約束を破った時にはその者の命をいただこう。」

こうして村人たちは便利になったはずなのに逆にどんどん疲れて行くのでした。
けんかや暴力での奪い合いは激しくなり、
ひとり、またひとりと弱い者から命を落として行きました。
ひとまずしばらくは命を落とさなくてすんでも、
利子を賽銭しなければ命は奪われてしまいます。
村人たちは恐怖におそわれて、
けんかと暴力の奪い合いは日々激しさを増して行きました。
いつしか村は金利神社の奴隷のようになり、
そして、
凄まじい奪い合いの果てにとうとうひとりだけになってしまったのでした。

村人 6「わたしが完全な勝者です、
無能な敗者どものおかげで苦労をしたものです。
ようやくこれで解放されます、
わたしひとりになってはもう”お金”も必要ありません。」

そこへちょうど金利神社の化身が現れました。

村人 6「わたしひとりになってしまったので、
”お金”はもういりません、”お金”は全部返します。」

そう言って持っていた全ての”お金”を賽銭箱に入れてホッと一息をつきました。
ところが、それも束(つか)の間、
金利神社の化身はその最後の村人を捕まえてバリバリと音を立てて喰らい、
依り代(よりしろ)に帰ってしまったのでした。


なぜ最後のひとりの村人が喰われてしまったのか、
あなたや君たちには分かるでしょうか?
もしも、その理由に気付かなければ、
明日、
金利神社の化身(けしん)に喰われるのは、
あなたや君たちなのかも知れませんよ。

おわり

2018 金利神社製作委員会

作ったヒトたち:ひのまるせいえいぶたい


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2019.09.29




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