今回の安旨ウイスキーは、デュワーズ ホワイトラベルです。

アメリカで最も売れているスコッチウイスキー

dewars_wl1_デュワーズを製造、販売するジョン・デュワー・アンド・サンズ社は、1846年にジョン・デュワーによって創業しました。
19世紀中頃になってから登場し始めたブレンデッドウイスキーの流れに乗り、同社が出したのがデュワーズでした。今回紹介するホワイトラベルは、1899年に登場しました。

デュワーズは海外への販売拡大も積極的に行い、日本にも1905年に代理店が誕生していました。

アメリカにおいては、1891年に、2代目であるトミー・デュワーが、スコットランド出身で鋼鉄王と呼ばれていた実業家、アンドリュー・カーネギーを通じ、当時のアメリカ大統領であったベンジャミン・ハリソンへ、樽詰めされたデュワーズを送ったことがきっかけとなりました。

バーボンが当たり前だった当時のアメリカにおいて、その様子が報道されると、大統領やデュワー社を非難する世論と共に、大統領が求めるスコッチとはどのようなものかという興味も持たれるようになりました。

興味本位で飲み始めた人々の口コミなどによって、デュワーズはアメリカで最も売れているスコッチウイスキーの地位を確立しました。

またデュワーズは、ハイボールの由来となった説の一つとして知られています。
トミー・デュワーがニューヨークのサロンでウイスキーを頼んだところ、グラスが小さかったため、「もっと背の高い(high)グラスであれば、ウイスキーを大いに楽しめる(have a ball)ぞ」と要求したことをきっかけに、背の高いグラスにウイスキーを注いで飲むことをハイボールと呼ぶようになったと言われています。
デュワーズ自体も、古くからハイボールで飲むことを勧める広告戦略を打っています。

ラインナップとしては、今回飲むホワイトラベルのほか、12年、15年、18年、25年があります。

では、実際に飲んでみます。

ストレート

ラムレーズンの香りが先に広がり、その後にピートのスモーキーさとカカオと続きます。

味わいはアルコールからの辛みは少々強めで、後から軽いほろ苦さと酸味が続きます。

思った以上にスモーキーでどっしりした味わいがあります。

ロック

先にブドウとナシ、青リンゴの香りが広がり、後からオレンジ、ピートと続きます。
加水が進むと、オレンジの香りがさらに揮発した印象に変わります。

味わいは、多少アルコールからの辛みが残るものの、その後はほろ苦さに変わり、軽い酸味と甘さが締めます。
加水が進むごとに、ほろ苦さが目立った柑橘系の苦みに変わり、甘さは後味として残る程度になります。

水割り

トゥワイスアップにすると、ピートのスモーキーな香りが先に感じられ、後からリンゴ、ブドウの香りが続きます。最後にオレンジの爽やかな香りで締められます。

味わいは、酸味がしっかり感じられ、ほろ苦さは少々抑えられた印象になります。後味に多少の甘みを得られます。

1:4で割ると、リンゴの香りが先に広がり、後からオレンジ、奥からほのかにピートも感じられます。
味わいは、苦みが抑えられ、酸味が前に来ます。

水割りであっても、かなりおいしくいただけるように思えます。

ハイボール

1:3で割ると、リンゴの香りが口いっぱいに広がり、続いてピート、奥からブドウとオレンジの香りが続きます。

味わいは、酸味が先に現れ、苦みは炭酸の効果もあってマスキングされている印象です。

確かに、ハイボールでバランスがよくなり、飲みやすさも出ます。

まとめ

デュワーズがハイボールを勧めていることもあって、ハイボール、水割りなど加水して飲む上では、ピートのスモーキーさもあってウイスキーらしさを残しつつ、フルーツのような酸味が主体で飲みやすくなっています。

一方でストレートやロックだと、アルコールの刺激が強めですが、香りが豊かで、比較的ボディがしっかりした印象になります。

少々値段が張りますが、常飲するには悪くないボトルと言えます。
  • メーカー:バカルディ
  • 容量:700mL
  • アルコール度数:40度
  • 香り:リンゴ、ブドウ、ピートの香りが主体。後からオレンジ、カカオ。
  • 味わい:ほろ苦さが先に出るが、加水されるごとに酸味が上回る。
  • ストレート C: アルコール感が強め。奥からカカオの香りがする。
  • ロック B: ほろ苦さが主体で少々飲みにくいが、香りは爽やかさが主体になる。
  • 水割り A: 苦みが薄れ、フルーツの酸味が目立ってくる。香りもオレンジが主体になる。
  • ハイボール A: リンゴの香りが前に来る。苦さは大幅に減ってとても飲みやすい。