- 遺伝子組み換えってどんなものに含まれているの?
- 見分け方や覚え方は?
- 食べたくないとき、何か対策はあるの?
本記事ではこのような疑問にお答えします。
本記事の内容
・遺伝子組み換え食品の表示ルール
・遺伝子組み換え食品の見抜き方
・食べたくないときの対策
遺伝子組み換え作物にはどんなものがあるの?
スーパーで買い物をしていると、
「遺伝子組み換えでない」と表示された食品をよく目にします。
日本では食品に遺伝子組み換えであるかどうか表示する義務があるため、わたしたちがよく目にしています。
日本で遺伝子組み換えの表示義務があるのは以下の8種類の作物です。
日本にある遺伝子組み換え作物は
「すべて輸入したもの」になります。
日本では、現在、遺伝子組み換え作物の
商業栽培は行われていないからです。
食品衛生法で表示義務のあるもの
- 上記の8種類の作物
- 8種類の作物から作られた加工品33品目
表示義務のある加工品を下記にまとめましました。
これはほんの一部です。
ほとんどの食品には表示義務がありません。
サラダ油の原料になっていても、
牛や豚のエサに使われていても、
ブドウ糖としてやジュースやアイスクリームに使われていても、
いっさい表示する義務はありません。
表示義務はないけれど、遺伝子組み換え原料が使われている可能性が高いものを下記にまとめました。
これらの商品にはどれだけ表示を見ても
“遺伝子組み換えです”
とは書かれていません。
日本の遺伝子組み換え食品の表示ルールには抜け道があるからです。
抜け道をしっかり把握し、遺伝子組み換え食品を見抜きましょう。
遺伝子組み換え食品の見抜き方
抜け道①
組み換えDNAや、それによって生成したタンパク質が含まれない食品には、遺伝子組み換えの表示義務がありません。
「検査しても証拠となる物質が検出できず、原料が遺伝子組み換えであるかどうか確認できないため、表示義務は課さない」というのが国の言い分です。
実際にはどんなものがある?
原料が遺伝子組み換えであるかどうか確認できないため、表示義務がないというものに、大豆油、コーン油、菜種油、綿実油、そしてこれらを混ぜたサラダ油のほとんどが遺伝子組み換え原料を使用しています。
また、醤油もたんぱく質がアミノ酸にまで分解されているため、表示義務はありません。
そのほか、果糖ぶどう糖液糖(異性化液糖、コーンシロップのこと)、コーンフレーク、水あめ(コーン由来)、デキストリン(コーン由来)、テンサイ糖なども表示が必要ありません。
抜け道②
加工食品の表示義務については「主な原材料(全原材料に占める重量の割合が上位3位までのもので、かつ原材料に占める重量の割合が5%以上のもの)にあたらない場合、表示が省略できる」とされています。
つまり、「主な原材料」でなければ表示義務はないということです。
その基準が「原材料の中で重量の多い上位3つの中に入り、さらに重量全体の5%を占めるかどうか」になります。
重量が4番目だったり、重量割合が5%以下であれば、含まれていても表示義務はありません。
実際はどんなものがある?
たとえば、遺伝子組換えとうもろこしから作られたコーンスターチを使うとき、表示したくない企業なら、4番目以下もしくは5%未満になるように配合して表示を免れようとするかもしれません。
このあたりが、企業にとっては抜け穴になり、わたしたち消費者にとっては不十分な表示といえます。
抜け道③
牛、豚、鶏のエサは遺伝子組み換えのトウモロコシです。これらも表示義務がありません。
遺伝子組換えのエサを食べて育った家畜の肉、卵、牛乳、乳製品などの畜産品も表示を免れています。
- 遺伝子組み換え作物の最大の用途は家畜の飼料。
- 遺伝子組み換えの3/4は飼料となって消費される。
ただ、家畜が食べているエサを表示している会社を見つけるのは難しいのが現状です。
抜け道④
成分表示欄に「遺伝子組み換えではない」という記載がありますが、実は5%までは混入を認めています。
たとえば、豆腐や納豆に「遺伝子組み換えでない」と表示がありますが、5%までは混入している可能性があるということです。
海外では?
EU諸国では0.9%です。わずか0.9%でも混入していたら表示が必要です。
中国は1%、台湾は3%、韓国も3%混入していれば遺伝子組み換えの表記をしなくてはいけません。
日本は、5%まで混入しても大丈夫ということです。欧米のように日本も厳密なルールにしてほしいですね。
抜け道⑤
食品添加物にも遺伝子組み換え表示の義務はありません。添加物も遺伝子組み換え作物から作られているものが多いです。これらはすべて表示義務がありません。
たとえば、調味料(アミノ酸等)、たんぱく加水分解物、乳化剤、ビタミンEなどと表記されているものの、ほとんどが遺伝子組み換えであり、多くの食品や飲料に入っています。
遺伝子組み換えを見抜くうえで大切なこと
もう一つ、知識としてもっておいてほしいことがあります。
遺伝子組み換え食品を見抜くには、
遺伝子組み換え とうもろこし・大豆から作られる食品を理解すること
がとても大切です。
なぜなら、
遺伝子組み換え作物8種類の中で海外で大規模栽培されているとうもろこし、大豆、綿、菜種の4つのなかでも
特にとうもろこし、大豆は様々な食品に利用されているからです。
遺伝子組み換えとうもろこしの用途
とうもろこしは主にコーン油、コーンスターチ、食品添加物、家畜の飼料、コーンフレークの5つの用途に分かれます。
- コーン油からはマーガリン、ショートニング、植物油(サラダ油)が作られます。これらは、菓子パン、お菓子、ケーキなどに使われます
- コーンスターチからはでん粉、水あめ、醸造アルコール、ぶどう糖果糖液糖が作られます。これらは、清涼飲料水、日本酒、ドレッシングなどに使われます。
- 食品添加物からはトレハロース、カラメル色素、キシリトールが作られます。これらは、ガムやカップラーメンなどに使用されます。
遺伝子組み換え大豆の用途
大豆は大豆油、大豆たんぱく、醤油、大豆レシチン、ビタミンEの5つの用途に分かれます。
- 大豆油からはマーガリン、ショートニング、サラダ油、マヨネーズなどが作られます
- 大豆たんぱくからは植物たんぱく、たんぱく加水分解物が作られ、カップラーメンや加工食品、麻婆豆腐の素、チンジャオロースの素などに使用されます。
- 大豆レシチンは乳化剤として飲み物、お菓子、アイスなどに使用されます。
- ビタミンEは主にお菓子に使用されます。
わたしたちが普段 選んでいる食品は、遺伝子組み換えとは書かれていませんが名前を変えて多くのものに含まれています。
遺伝子組み換え食品を食べたくないなら?
日本には遺伝子組み換え食品に表示義務がありますが、表示されていない食品がほとんどです。
そのため、知らず知らずのうちに遺伝子組み換え食品を食べてしまっている可能性があります。
食べたくない場合、自分の目で厳しくチェックするしか身を守る方法はありません。
目が肥えてくると大体のことが見えてきます。ただ、慣れないうちはあまり神経質になりすぎず、できるところから始めるのが大切です。
下記にわたしが現在やっていること、今後やっていきたいことを記載しました。
絶対これだけが正しいというわけではないので
よいところだけつまんで試してみてください。
国産を買う。
現状、遺伝子組み換え作物は輸入のみとなっており、日本国内では販売する目的での栽培は行われていません。
つまり、国産原料であれば100%遺伝子組み換えではないということになります。
外食は控えるか、ホームページなどで確認
遺伝子組み換えでない原材料はわずかしかないため、表示義務のない外食店では、遺伝子組み換えされた原料が使われることになります。
外食へ行く前はお店のホームページをチェックしましょう。材料にこだわるお店なら自信を持っているので、きちんと“無添加”や“国産原料使用”などと載せています。
ちなみにEUでは、スーパーなどの販売店だけでなく、レストランでも「全品目」表示が義務付けられています。うらやましいです。
まずは日頃使う、調味料からみなおす
野菜をオーガニックで揃えようと思うと食費がかさみますが、調味料はコスパが良いのでとりかかりやすいです。
自然食品のお店でなくても、スーパーで充分良いものが手に入ります。
表示義務がない醤油は、信用できる生産者やメーカーを探すことがおすすめです。味噌は手作りにチャレンジしてみるのもいいですね。
普段使っている油をみなおす
安くて大量生産されていそうな油は遺伝子組み換え作物から作られている可能性がかなり高いです。大豆油、コーン油、菜種油、綿実油、サラダ油のほとんどが遺伝子組み換えを用いています。(これら植物油には遺伝子組み換えの表示義務はなく、あくまで任意でよいため。)
きちんと“国産材料100%使用”と表示されているものを選ぶのがよいです。
トウモロコシが入っている食品は要注意
国産と書かれていないトウモロコシはすべて遺伝子組み換え食品だと思って対応します。(コーンスープ、コーンスナックなど)
お菓子やデザートはほどほどに
お菓子やデザート、ジュースには、果糖ぶどう糖液糖(コーンシロップ、異性化液糖)が、しれっと紛れ込んでいるのが現状です。
いまでは、加工食品の甘味は砂糖よりも安価な果糖ぶどう糖液糖が使われているのが定番となっています。
果糖ぶどう糖液糖とは
- 砂糖よりも甘味が口に残りにくく、アイスクリームなどの低温下で甘味度がアップするシロモノ。
- 砂糖よりも血糖値を急激に上げてしまうことでも有名。
遺伝子組み換えに反対している業者を利用
生協などの業者の中には、表示義務のない食品についても、自主的に遺伝子組み換えの表示を行っている業者もあります。
我が家も生協を利用しており、“遺伝子組み換えでない飼料”を食べた牛、鶏の副産物(牛乳や卵など)を購入しています。
加工食品は避け、新鮮な食材を自分でえらぶ
調理加工された商品という形でワンクッション置かれてしまうと、どのような質の原材料を使っているか分からなくなります。
加工食品であればあるほど遺伝子組み換えのような安い商品が入り込みやすいです。
ファスティングでデトックス(解毒)を行うことも重要
食べ物の農薬、食品添加物、人工甘味料、ホルモン剤、抗生物質など、ありとあらゆるもが体に悪影響を与えています。
脂溶性の解毒については、排便などでは処理しきれません。汗をかいて脂肪を燃焼させたり、ファスティング(断食)をして毒素を排泄する必要があります。
ただ本格的なファスティングは危険を伴うため、断食療法に精通した専門家のもと行う必要があります。
米はできれば無農薬の玄米がおすすめ
食べ物の質についても、特に玄米はミネラルと食物繊維が豊富でデトックス効果が高いです。
(できるだけ無農薬のものが良いです。白米なら、無農薬なものに麦などを混ぜて炊くのもおすすめです。)
今後は、「自給自足」がポイントに
現代の食べ物は、農薬、除草剤、添加物、化学肥料、遺伝子組み換え、ゲノム編集、トランス脂肪酸などの問題があります。
国や企業に任せっきりでは、今後どのような方向へ進んでいくかわかりません。
一人ひとりができる範囲で、家庭菜園など自給自足をしていくことも大切になります。
最低限の米、大豆、野菜類などを自給できればベストですね。
まとめ
わたしたちのおばあちゃんの頃は食品表示を吟味しなくても安全な食べ物が手に入る時代でした。
しかし、これからは違います。国や企業など誰かに任せっきりではなく、一人ひとりが手探りで探していく時代です。
国や政治が何とかしてくれません。自分たちの身は、自分たちで守らなければならないし、事が決まってから慌てても手遅れです。
大切なのは、自分が望む生き方を見失わず、できることから一つずつ、小さなことから一つずつ始めることです。
わたしはこれからも“誠意をもって本物の食品を供給し続けているメーカー”のものを購入し、応援していきたいと思います。この輪が少しずつでも広がれば嬉しいです。