休業要請緩和の目安を公表

東京都は、国による緊急事態宣言の解除に段階的に休業要請を緩和していく目安を公表。
ただし、感染状況が指標を超える場合は、独自の「東京アラート」を出し、警戒を呼びかけるとしている。

小池都知事:
東京都はまだ緊急事態宣言、これが続いていると。“東京アラート”警報と言っておりますが、この真っ最中だと。

会見冒頭、小池都知事が口にした「東京アラート」という新たな用語。
緊急事態宣言が継続され、その影響が長引く東京都。
宣言解除後の休業要請の緩和に向けたロードマップの骨格が示された。

小池都知事:
感染症防止と経済社会活動の両立を図っていく目安となるモニタリングの指標は7つあります。

緩和の目安となる7つの指標。
まず、
①新たな陽性者数が1週間平均で1日あたり20人未満であること。
②感染経路不明が50%未満であること。
③前の週と比べた陽性者の割合が1未満。
つまり、新規の感染者が減少傾向であること。

このほかに、
④重症患者数
⑤入院患者数
⑥PCR検査の陽性率
なども考慮に判断される。

指標のうち1つでも基準を超えた場合、「東京アラート」を発動し、都民に再び感染拡大への警戒を呼びかけるとしている。

ロードマップには、自粛緩和の段階的な順序も示された。
現在をステップ0として、ステップ1で美術館、図書館などを緩和。
ステップ2で、飲食店の営業時間短縮の一部緩和や小規模イベントの開催を可能に。
最後のステップ3で、リスクの高い施設を除く全ての施設を感染症対策を前提に開放。
中規模イベントも開催可能とする。

小池都知事:
東京・埼玉・千葉・神奈川、それぞれが緊密に連携することで新型コロナウイルス感染症の収束を目指していく。
1都3県の知事と連携しながら進めていきたいと思う。

東京都が示したロードマップに各知事は...

神奈川県・黒岩知事:
「出口」に向かっていく中では、一刻一秒を争うという発想ではない。
内容がわかった段階でしっかり精査して、われわれ神奈川県はどう対応すべきか考えていきたい。

埼玉県・大野知事:
考え方によって若干の差が出てくると思うが、基本的なところについては、お互いに意見交換をしながらやりましょうと。

小池知事は、ロードマップの詳細を来週中に公表するとしている。

休業要請緩和の目安 現状は?

内田嶺衣奈キャスター:
あらためて、東京都が発表した休業要請緩和に向けての指標を整理して見ていきます。

安宅晃樹キャスター:
今回、小池知事が示した東京都のロードマップの骨格は、国の緊急事態宣言が解除されたあとを見込んで出されたものです。

①緩和に向けては、新規の陽性者数が直近7日間の平均で1日20人未満。
②そして、そのうち感染経路が不明な人が50%未満。
③さらに、前の週より陽性者が増えているかいないか、この増加比が1倍未満という具体的な数値の目安を盛り込みました。

では、東京都が発表している最新のデータとこの数値を比較していくと、
①新規の陽性者数は20人に対して18人なのでクリアしています。
②感染経路不明者については、50.36%と未達成です。
③また、陽性者の増加比は0.41でこれもクリアしています。

一方、休業を再要請する基準も併せて発表されています。

①新規陽性者数については、1日50人以上
②感染経路不明者は50%以上
③そして陽性者の増加比については2倍以上と定められています。

この3つの指標のほかには

④重症患者数
⑤入院患者数
⑥PCR検査の陽性率
⑦受診相談件数、これらを総合的に2週間単位で状況を見ながら判断するということなんです。

小池知事は会見の中で、これらの指標のうち1つでも基準を超えた場合に「東京アラート」を鳴らし、都民に警戒を呼びかけるとしています

緩和へ… 指標に必要なのは?

内田嶺衣奈キャスター:
東京都の指標ですけれども、松江さんはどのようにご覧になりますか。

デロイトトーマツグループCSO 松江英夫氏:
指標が明確にわかりやすいという意味ではプラスだと思うんです。
ただ同時に、それ以上にこの数字が持つ意味がどういうメッセージで伝わるのか。このメッセージ性が私はすごく大事だと思います。

今回の指標の背景には国が定める3つの観点「感染者の状況」「検査体制」それと「医療機関」の受け入れ体制です。
この3つの観点から、この意味というのをちゃんと読み解く必要があると思うんです。

内田嶺衣奈キャスター:
その3つの観点から見てみますと今回の指標というのはどのような評価ができるのでしょうか。

デロイトトーマツグループCSO 松江英夫氏:
はいまずですね。
先ほどの①から③ですね。
こちらは感染者の状況に関しては、具体的な数字も出てわかりやすいのでメッセージ性は非常に高いと思うんです。

デロイトトーマツグループCSO 松江英夫氏:
ただ一方で私は気になるのがこの④と⑤。
つまり医療提供体制。
このところが実際の数だけは出ていますけれども、これが実際の病床数との割合の中での逼迫の度合いがどうなのかとか、絶対水準がどのへんの目安なのか、
この辺のわかることによって初めて全体のリスク体制が見えてきますから、このあたりはまだまだ工夫の余地があるんじゃないかなというふうに思いますね。

内田嶺衣奈キャスター:
そうですね。
さまざまな見方をしていく必要がありそうです。
小池知事は休業要請を緩和した後も再び感染拡大の動きが見られれば2度目の休業要請を出すと明言しています。
そうならないための行動をとっていきたいです。

(「Live News α」5月15日放送分)